そんな疑問にお答えします。
この記事では、フルマラソンを完走するためのロードマップをご紹介します。
一度もマラソン大会に出場したことない方の場合、下記のような疑問があると思います。
- どの大会に出場すればいいのか
- 何ヶ月前からトレーニングすればいいのか
- どんな持ち物が必要なのか
- 大会前日〜当日の過ごし方
一般的に、大会にエントリーしてから大会当日を迎えるまでに大体8ヶ月かかります。
大規模な大会(5,000人〜)は、半年以上前からエントリーを受け付けるため、前もってエントリー開始日等の情報を確認しておかないと出場したい大会のエントリーすらできないこともあります。
それに、日頃から運動をしていない方は、長い時間かけてトレーニングを行わないと完走できないこともありえます。
そこで、今回は大会8ヶ月前から順に解説していくので、下記の手順に沿って進めて貰えればOKです。
それでは、フルマラソンを完走するためのロードマップです。
- STEP1大会を選ぶ(8〜7ヶ月前)
- STEP2大会にエントリーする(7ヶ月前)
- STEP3目標タイムを決める(7ヶ月前)
- STEP4ランニンググッズを購入する(6ヶ月前)
- STEP5トレーニングを開始する(6ヶ月前)
- STEP6大会前の過ごし方(2週間前〜4日前)
- STEP7大会前の過ごし方(3日前〜前日)
- STEP8レース前の過ごし方(当日)
- STEP9レース本番(当日)
- STEP10レース後の過ごし方(当日)
それでは、見ていきましょう。
【STEP1】大会を選ぶ(8〜7ヶ月前)

まずはじめに、出場する大会を選んでいきます。
大会を選ぶ上で確認しておきたい点は下記になります。
- 大会選びのポイント
- ・開催地で選ぶ
・制限時間で選ぶ
・季節で選ぶ
・高低差の少ないコースを選ぶ
・大会の規模感で選ぶ
・完走メダルや参加賞が豪華な大会で選ぶ
・距離で選ぶ
【初心者必見】マラソン大会の選び方7選!初心者が見るべき3つのポイントとは?
初心者が大会を選ぶ際のポイントである「制限時間6時間以上」「5,000人以上参加する大会」に該当している大会をピックアップしました。
▼詳しくは、下記で解説しています。初心者が完走しやすいフルマラソン大会21選
全国各地で開催されているマラソン大会をまとめました。
フルマラソン・ハーフマラソン出場歴
そんな方は、「5kmマラソン」や「10kmマラソン」のように距離が短い種目もあります。
▼詳しくは、下記で解説しています。マラソンの種類とは?距離に応じて色々な種類があるって知ってた?
豪華参加賞が貰えるマラソン大会9選【フルマラソン経験者が語る】
【STEP2】大会にエントリーする(7ヶ月前)

出場する大会が見つかったら、続いて大会にエントリーしていきます。
マラソン大会は下記のサイトから探すことができます。
▼それぞれの特徴は下記で解説しています。マラソン大会にエントリーできるサイト3選【初心者はこのサイトを使えばOK】
その中でおすすめは、RUNNET(ランネット)です。
ランネットは、300万人を超える会員数を誇る日本最大級のランニングポータルサイトで、全国で開催されるほとんどの大会は、ランネットから申し込めます。
大会に申し込むには、会員登録が必要ですので、下記で詳しく解説しています。マラソン大会エントリーできる「RUNNET(ランネット)」の申し込み・退会方法をご紹介
2020年、コロナウイルスの影響でマラソン大会が概ね中止になりましたが、それに変わって開催されているのが「オンラインマラソン」です。
オンラインマラソン出場予定の方
オンラインマラソンに参加するためには「TATTA」と呼ばれるアプリが必須です。使い方などをまとめているので、出場予定の方はこちらをご覧ください。アプリは下記よりダウンロードできます。
>> 【レビュー】いわて盛岡シティマラソン2020オンライン
>> 【レビュー】KANAZAWA MARATHON 2020 ON-LINE
【STEP3】目標タイムを決める(7ヶ月前)

続いて、フルマラソンの目標タイムを決めていきます。
目標を設定する理由は下記の2つになります。
- 目標を設定する理由
- ・制限時間がある
・モチベーション向上に繋がる
1つ目は、大会には「制限時間が設定されている」からです。
ペースを把握しておかないと制限時間内に走りきれなかったり、関門に引っかかり、途中棄権の可能性が出てきます。
また、目標がないと、どうしてもダラケてしまいます。
初心者の方は半年前からトレーニングを行うため、途中でダラケてしまい、レース直前で慌てるなんてことになりかねません。
なので、このタイミングでは「仮」でいいので、目標タイムは決めましょう。
目標は自分の走力によって異なりますが、初マラソンの場合は5〜7時間です。
また、マラソンには「サブ4」「サブ5.5」といった言葉があります。
例えば、「サブ4」とはフルマラソンを4時間以内で走りきることを言い、「サブ5.5」は5時間30分以内で走りきることを言います。
下記は、男女別のフルマラソン完走者数のグラフです。


ちなみに、市民ランナー(実業団に所属せず、趣味でマラソンを楽しむランナーのこと)が達成したらスゴイとされているタイムは「サブ3.5(3時間30分以内)」です。
上記のグラフでも「サブ3.5」は全体の、
- 男性12.2%(3.6万人 / 29万人)
- 女性3.2%(0.25万人 / 7万人)
と狭き門なのが分かります。
また、全ランナーの中間タイムは下記のとおりです。
- 男性:4時間36分
- 女性:5時間5分
男性はサブ4.5(4時間30分以内)、女性はサブ5(5時間以内)を達成すると、全ランナーの半分以上の成績を残すことができます。
なので、初マラソンの方は、上記のタイムを目標に設定しても良いのではないでしょうか。
半年間、しっかりトレーニングすれば、達成できないタイムではありません。
「サブ4」「サブ5」を決めるには、「12分間走」をすることで目標タイムが決められます。
詳しい測定方法は下記をご覧ください。フルマラソンの目標タイムの決め方!【12分間走で年齢ごとにペースを計算】 また、「ハーフマラソンは走ったことあるよー」って方は下記のほうがより正確です。
ハーフマラソンのタイムからフルマラソンのタイムを予想する方法【目標タイム設定できます】
フルマラソンラップ&ペース表|サブ2.5〜サブ7まで
【STEP4】ランニンググッズを購入する(6ヶ月前)

続いて、ランニンググッズを揃えましょう。
最低限揃えたほうが良いものをピックアップしました。
- ランニングシューズ
- ランニングウェア(上・下)
- ランニングソックス
- マスク
- アクセサリ(キャップ、サングラス等)
下記で、一つずつ解説していきます。
ランニングシューズ

ランニングシューズは最も必要なアイテムなので、ぜひ用意しましょう。
下記が、用意すべき理由です。
- 用意すべき理由
- ・快適に走れる
・ケガ防止
ランニングシューズは通気性に優れ、かつ履き心地が良いため、長時間のランニングでも快適です。
また、ランニングシューズを購入するのが勿体なくスニーカーで走っている人がいますが、ケガの原因となるため、おすすめしません。
スニーカーはクッション性がなく、着地時に膝や足首へのダメージが大きいため、足を守る意味でもランニングシューズを用意しましょう。
初心者が見るべき、ランニングシューズの選び方は下記の通りです。
- ランニングシューズの選び方
- ・クッション性が優れているもの
・着地時に足首がグラつかない安定感があるもの
・履いたときのフィット感が高いもの
初心者の方はケガを防ぐために、クッション性が高く、安定性のあるものを選びましょう。
また、フィット感が良いほうが長時間のランニングも快適です。
初心者はベテランランナーに比べ、ケガをする可能性が高いため、ケガを軽減する機能を搭載したシューズを選ぶと良いでしょう。
目標タイム別におすすめのシューズをまとめました。
- ペースごとにシューズを探す
- ・サブ3向けシューズ
・サブ3.5向けシューズ
・サブ4向けシューズ
・サブ5〜完走向けシューズ
そんな方は、下記で各ブランドのシューズをまとめています。
- おすすめランニングシューズブランド
- ・ナイキ
・アディダス
・アシックス
・ニューバランス
・ミズノ
・オン
・ブルックス
・リーボック
・アンダーアーマー
・ホカオネオネ
・サッカニー
・サロモン
・プーマ
・ヨネックス
・アルトラ
1万円以下の安くて高機能なランニングシューズ5選
雨の日におすすめの防水性能が高いランニングシューズ6選
ランニング向けインソールおすすめ10選!着用する効果と選ぶ際のポイントは?
ランニングウェア(上・下)

快適にランニングする上で、シューズの他にウェア選びも重要です。
ウェアは下記の機能が搭載されているものを選びましょう。
- ランニングウェアの機能
- ・吸汗速乾
・通気性が良い
・軽量
・リフレクター付き
・UVカット
・防臭・抗菌機能
・伸縮性
・防風対策
詳しくは、ランニングウェアの選び方9選【初心者必見は買う前にここを見よう】で解説しています。
次に、必要なアイテムの紹介です。
まず、オールシーズン(夏場)活躍するアイテムは、「半袖Tシャツ」と「ハーフパンツ」です。
夏場おすすめの組み合わせ
✔ 半袖Tシャツ+ハーフパンツ
✔ タンクトップ+ハーフパンツ


下記に、オールシーズン使用できるウェアをまとめています。
夏の暑い日におすすめのランニンググッズ11選
雨の日におすすめのランニングウェア・ギア14選
夜間におすすめのランニンググッズ8選!ナイトラン必須アイテム紹介
次に冬場に活躍するは、「長袖Tシャツ」や「ロングパンツ」、「ジャケット」などの防寒アイテムです。
冬場おすすめの組み合わせ
✔ 長袖Tシャツ+ハーフパンツ+ロングタイツ
✔ 半袖Tシャツ+アームカバー+ハーフパンツ+ロングタイツ
✔長袖Tシャツ+ジャケット+ハーフパンツ+ロングタイツ


冬場は、「半袖Tシャツ + 長袖Tシャツ」の重ね着より「半袖Tシャツ + アームカバー、手袋」など自由に着脱できる「レイヤード方式」がおすすめです。
なぜなら、一度立ち止まってウェアを着替えるのは現実的ではありませんし、一度止まるとランニングへの切り替えが大変なので、「手袋」や「アームカバー」で温度調節するのが理想です。
下記に、寒さ対策できるウェアをまとめています。
- 冬におすすめのウェア
- ・ロングTシャツ
・ジャケット
・ロングパンツ
・アンダーウェア
・ロングタイツ
・グローブ(手袋)
・カーフスリーブ(ふくらはぎサポーター)
・アームカバー
・イヤーウォーマー(耳あて)
・ネックウォーマー
冬の寒さも快適に過ごすためのおすすめランニングウェア11選
ランニングソックス

ランニングソックスは足首を安定させたり、疲労軽減など、パフォーマンスを向上させる効果があります。
特に、長時間のランニング時に効果を発揮するので、レース参加予定の方は着用をおすすめします。
ランニングソックスの効果は下記のとおりです。
- ランニングソックスの効果
- ・スピード維持が可能
・足先の冷え防止
・しっかりと踏み込める
・足首を安定させる
・疲労軽減
・マメができにくくなる
ソックスに滑り止めのグリップがついているものは、シューズ内で足がズレません。

ズレないということは、しっかり踏み込めるため、無駄なエネルギーを使わずに走行できます。
また、アーチサポートという疲労軽減効果のある機能が搭載されているものは、フルマラソン時に効果を発揮するでしょう。
詳しくは、下記で解説しています。
マスク

マスクを着用することでホコリや花粉の侵入を防いだり、日焼け防止、防寒対策といった効果があります。
また、飛沫対策として、ランニング時のエチケットで着用する機会が増えています。
マスクを選ぶ際は、下記を見ましょう。
- スポーツマスクの選び方
- ・通気性がよく、呼吸しやすいもの
・ほこりや花粉の侵入を防ぐもの
・激しい揺れでもズレないフィット感
・抗菌加工、洗えるもの
・夏場使うならUVカット、接触冷感機能
・冬場使うなら防風・保温性機能
特に、「呼吸のしやすさ」「ズレにくさ」、この2つは重要なポイントとなります。
長時間走ることを想定して、マスクを選ぶと良いでしょう。
選び方やおすすめのマスクは、下記で解説しています。
アクセサリ(キャップ、サングラス等)
季節によって、活躍するアイテムをご紹介します。
キャップ

日差しや雨を防げるキャップは、夏だけでなく1年を通じて活躍するアイテムです。
フルマラソンは3〜7時間の長旅となるため、日差しや雨といったストレスを回避することが重要です。
詳しくは下記で解説しています。
サングラス

サングラスは視認性を高めたり、ほこりや虫などの異物の侵入を防ぐなど、パフォーマンスを高める効果があります。
長時間、目に紫外線を浴び続けると疲労を感じやすくなるため、目に紫外線を入れないように対策は必須です。
詳しくは下記で解説しています。
ランニングウォッチ

ランニングウォッチとは距離と速度の測定や心拍測定など、様々な機能が搭載されたデバイスです。
日々のトレーニングはもちろん、マラソン大会でも1kmごとのペースを確認するなど、マラソンに欠かせないアイテムとなります。
詳しくは下記で解説しています。
スマホなしで音楽が聴けるランニングウォッチおすすめ6選!各モデル徹底比較
イヤホン

ランニング向けイヤホンを選ぶ際は「装着感」と「連続再生時間」を見ましょう。
上下動の振動でも耳からズレない(落ちない)装着感の良いもの、そして最低でも5時間連続で稼働するイヤホンがおすすめです。
詳しくは下記で解説しています。
バックパック・ポーチ

バックパック・ポーチは、レース中に使用する持ち物を収納するための便利なアイテムです。
スマホや補給食など、ハーフパンツのポケットに収まらない持ち物を持ち運べる際に重宝します。
詳しくは下記で解説しています。
給水ボトル(フラスク)

給水ボトル(フラスクとも呼ぶ)は、ランニング時に持ち運びしやすいよう加工されたボトルのことです。
通常の大会では、給水所で紙コップに入った水を摂取できますが、環境に配慮した観点から使い捨て紙コップを置かない大会も出てきました。
実際、湘南国際マラソンでは使い捨て紙コップを一切用意せず(世界初の試み)、ランナー一人ひとりが「マイコップ」持参してレースに出場します。
今後、「マイコップ」持参しないと出場すらできない大会も増えてくると予想されるので、大会に出場される方は一つ用意しておいたほうが良いでしょう。
【STEP5】トレーニングを開始する(6ヶ月前)

大会も決まり、ランニンググッズも揃えたら、トレーニングをしていきます。
トレーニング期間はレース日から逆算し、6ヶ月前※から行います。
※完全初心者の場合。日頃から運動して体力がある方は、3〜4ヶ月前でも可。
トレーニングは、大きく3つに分けて行います。
- トレーニングプラン(行う期間)
- ・走り込み期(4ヶ月間)…脚つくり、スタミナ向上
・実践期(1ヶ月間)…スピード持久力向上
・調整期(1ヶ月間)…本番に向けて体調を整える
※トレーニング期間は6ヶ月間を想定
レース本番の6ヶ月前から4ヶ月間を「走り込み期」として、マラソン完走するための持久力(スタミナ)向上に力を入れます。
続いて、本番2ヶ月前の「実践期」では、目標のレースペースで走れるよう、スピードをつけていきます。
最後、本番1ヶ月前の「調整期」では、練習量を抑え(実践期の50%)、疲労を抜きながら、レース本番に向けて調整していきます。
では、それぞれの時期にやるべきトレーニング例をご紹介します。
走り込み期(4ヶ月間)

走り込み期は、とにかく距離を走って脚つくりをしていきます。
初心者の方は、完走できる筋力や持久力が備わっていないので、3〜4ヶ月使い、走り込みをしていきましょう。
また、この時期はスピードは気にせず、1回で長い距離、または長い時間走ることを目的にしていきましょう。
トレーニングメニュー例(サブ3.5目標の場合)
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 60分ジョグ |
水曜日 | 90分ジョグ |
木曜日 | 動きづくりドリル |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 90分ジョグ |
日曜日 | 120分ジョグ or 180分LSD |
月間走行距離 目安 | 250〜270km |
トレーニングメニュー例(サブ4目標の場合)
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 40〜60分ジョグ |
水曜日 | 40〜60分ジョグ |
木曜日 | 動きづくりドリル |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 90分ジョグ |
日曜日 | 120分ジョグ or 180分LSD |
月間走行距離 目安 | 200〜230km |
トレーニングメニュー例(サブ5・完走目標の場合)
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 30〜50分ジョグ |
水曜日 | 30〜50分ジョグ |
木曜日 | 動きづくりドリル |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 30〜50分ジョグ |
日曜日 | ハイキング(4時間)or マラニック(2〜3時間) |
月間走行距離 目安 | 100km |
平日は30〜90分、週末は90〜120分のジョグを行い、より長い時間走る耐性を身につけます。
この時期で「いかに持久力を向上させれるか」が完走へのカギを握るため、自分に厳しくトレーニングに取り組みましょう。
ポイント
ペースは気にせず、とにかく長い時間、長い距離を走ろう!
走り込み期のトレーニング方法
走り込み期に行うトレーニングをご紹介します。
- ジョギング
- LSD
- 筋トレ(カラダづくり)
ジョギング(持久力⤴)
ジョギングとは「人と会話が問題なくできる」くらい、楽なペースで走ることを言います。
更に、ジョギングを終了して「あと30分は走れるかな」と思えるくらい、余裕あるペースが理想です。
人によってペースは異なり、プロランナーでは1km4分ペースかもしれませんし、初心者の方は1km7分ペースかもしれません。
現在の走力でペースは変わってくるため、自分がラクに走れるペースを探すと良いでしょう。
LSD(持久力⤴)
LSDとは、「Long Slow Distance」の頭文字を取ったトレーニング名称で、長い距離をゆっくり走るトレーニング方法です。
距離やペースに決まりはありませんが、ペースの目安は「人との会話がラクラクできる」くらいで、時間は20〜180分(3時間)を目安に取り入れてみてください。
特に、初心者の方は体力や筋力が少ないため、20〜30分から始めると良いでしょう。
効果の面では「有酸素能力を高める」「脂肪燃焼効果を高める」などが挙げられます。
マラソン完走に必要な、エネルギーを生み出す能力の上昇や筋力、スタミナアップなどが期待できるため、初心者の方には特におすすめのトレーニング方法となります。
筋トレ(カラダづくり)
走るだけでは鍛えられない筋肉は、筋トレで身につけましょう。
下記に、私も行っている筋トレ動画を載せておきます。
走り込み期に行うトレーニングの詳細は、【フルマラソン完走へ】走り込み期に行なう有酸素能力向上トレーニングとは?で解説しています。
実践期(1ヶ月間)

大会まで残り2ヶ月弱といった頃。
走り込み期で脚つくりをしたら、レースに向けた実践期へ入っていきます。
実践期(1ヶ月間)では、レース本番を想定した練習を行います。
トレーニングメニュー例(サブ3.5目標の場合)
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 6〜10kmジョグ (ペース自由) |
水曜日 | 1,000m × 5本インターバル走 (4:20〜4:15/km、レスト100秒) |
木曜日 | 6〜8kmジョグ (6:45/km〜6:30/km) |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 15〜25km走 (5:15/km) |
日曜日 | 8〜12kmジョグ (7:00〜6:30/km) |
トレーニングメニュー例(サブ4目標の場合)
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 6〜8kmジョグ (ペース自由) |
水曜日 | 1,000m × 3〜5本インターバル走 (4:45/km、レスト100秒) |
木曜日 | 6〜8kmジョグ (7:00/km) |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 15〜22km走 (6:00〜5:40/km) |
日曜日 | 8〜10kmジョグ (7:30〜7:00/km) |
トレーニングメニュー例(サブ5目標の場合)
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 5〜6kmジョグ (ペース自由) |
水曜日 | 4〜6kmビルドアップ走 (7:00〜6:30/km) |
木曜日 | 5〜8kmジョグ (8:00〜7:30/km) |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 90〜120分ジョグ (7:30〜7:00/km) |
日曜日 | 6〜10kmジョグ (7:30/km) |
実践期では、週末の距離走をレースペース、もしくはレースペースに近いペースで走ります。
走り込み期と違い、レース本番に近いペースで走るため、ケガには注意しましょう。
上記のメニューは目安となるため、疲労が溜まっていれば休養日を増やすなど、疲労を溜めないように心がけましょう。
ポイント
強度の高い練習になるので、ストレッチやマッサージをするなど、ケガには注意しましょう

膝を痛めがちな方は、新田ゼラチン株式会社が販売する、膝の痛みの改善効果がある「ランショット」というドリンク(補給食)がおすすめです。
駅伝強豪校の城西大学と共同開発された商品で、骨や筋肉の状態を改善するコラーゲンペプチドが配合されているため、トレーニング後に摂取することで、膝の痛みを改善できることに期待できます。
>> 【レビュー記事】ランショットの効果は?味や飲むタイミングをご紹介
実践期のトレーニング方法
実践期に行うトレーニングをご紹介します。
- インターバル走
- ペース走
- ハーフマラソン〜30km走
インターバル走(スピード持久力⤴)
インターバル走とは、「疾走(ダッシュ)」 ↔ 「緩走(ゆっくり走る)」を交互に繰り返すトレーニング方法です。
200m、400m、1,000mといった距離を、ややキツイペースで疾走し、休憩を兼ねた緩走で息を整え、再び疾走します。
そのため、より速く、より長い距離を走るために必要な最大酸素摂取量やLTの向上に期待できます。
詳しくは、下記で解説しています。
詳しくはこちら
ペース走(スピード持久力⤴)
ペース走とは、一定のペースで最後まで走り続けるトレーニング方法です。
例えば、「1km5分00秒ペースで10km走る」と設定した場合、1km目から10km目まで一定の5分00秒ペースで走ることになります。
ペース走の目的は、レースで失速する要因のオーバーペースを防ぐことです。
レースはいつもと違う環境、そして独特な雰囲気の中行われるのでアドレナリンが出て、普段の練習より速いペースで走り、後半失速するってことはよくあります。
前半、調子が良いからと突っ込んでしまう、前半のオーバーペースを防ぐためのトレーニングになります。
下記の表が、ペース走のペースの目安です。
目標 | レースペース |
サブ3 | 4分15秒/km |
サブ3.5 | 4分58秒/km |
サブ4 | 5分41秒/km |
サブ4.5 | 6分23秒/km |
サブ5 | 7分06秒/km |
サブ5.5 | 7分49秒/km |
サブ6 | 8分31秒/km |
ペース走の最終目標は、上記のペースで15〜30kmを走り切ることです。
なので、始めはレースペースより20〜30秒遅く設定し、レース本番が近づくにつれ、最終的にレースペースで走れれば良いでしょう。
ハーフマラソン〜30km走(持久力⤴)
現時点での走力を測るために、ハーフマラソン(21km)〜30km走れるか確認します。
ここでのポイントは2つ。
・レースペースで最後まで走りきれるか
・残りの距離を走りきれる余裕があるか
まず、レースペースで21〜30km走りきれるか確認しましょう。
また、走りきれたとしても、同じペースでさらに10〜20km(30km走った場合、残り12km)走れる余裕があるか確認しましょう。
ここで、レースペースで走りきれなかった場合、同じペースでの完走は難しいかもしれません。
なので、目標タイムを下方修正するなど、実現可能な目標タイムに変更するのも一つの選択肢です。
調整期(1ヶ月間)

大会まで残り1ヶ月。
調整期では、身体の調子を整える期間です。
実践期で溜まった疲労を回復させたり、最後の調整を行います。
練習量はピーク時の5割程度
疲労を抜きつつ、レース当日に標準を合わせる意味で、練習量を実践期の5割程度まで減らします。
例えば、実践期に150km走っていた場合は、75kmにします。
練習量を一気に減らしたことで走力が落ちる心配をする方がいますが、短期間で走力は衰えません。
それより疲労を抜き、良いコンディションでレースに臨むほうが、よっぽど良い選択です。
なので、空いた時間を利用し、ストレッチや筋トレをして身体を整えましょう。
トレーニングメニュー例(サブ3.5目標の場合)
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 3〜5kmジョグ (ペース自由) |
水曜日 | 1,000m × 3本インターバル走 (4:20〜4:15/km、レスト100秒) |
木曜日 | 3〜4kmジョグ (6:45/km〜6:30/km) |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 8〜12km走 (5:15/km) |
日曜日 | 4〜6kmジョグ (7:00〜6:30/km) |
トレーニングメニュー例(サブ4目標の場合)
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 3〜4kmジョグ (ペース自由) |
水曜日 | 1,000m × 2本インターバル走 (4:45/km、レスト100秒) |
木曜日 | 3〜4kmジョグ (7:00/km) |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 7〜11kmジョグ (6:00〜5:40/km) |
日曜日 | 4〜5kmジョグ (7:30〜7:00/km) |
トレーニングメニュー例(サブ5目標の場合)
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 2〜3kmジョグ (ペース自由) |
水曜日 | 2〜3kmビルドアップ走 (7:00〜6:30/km) |
木曜日 | 3〜4kmジョグ (8:00〜7:30/km) |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 45〜60分ジョグ (7:30〜7:00/km) |
日曜日 | 3〜5kmジョグ (7:30/km) |
先程も伝えた通り、練習量を徐々に減らし、レース本番に向け、調整しましょう。
ポイント
「量」より「質」を意識して、疲労を溜め込まないように行いましょう
ランニングにおすすめドリンク10選!水分補給する目的やタイミングは?
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朝ランvs夜ラン!効果的なのはどっち?【走る時間帯で変わるメリットとは】
夏でもランニングを継続するコツ【暑い時期のトレーニングのポイントとは?】
初心者ランナーがランニングで膝の痛みが出た場合の対処法とは?
ランニング後の疲労回復におすすめのサプリメント12選
ランニング後におすすめのプロテイン11選
そんな方は、下記をご覧ください。
- ランニングコース(東京)
- ・皇居
・駒沢公園
・お台場
・豊洲ぐるり公園
・代々木公園
・神宮外苑
・浅草・隅田川
・多摩川
・木場公園
・府中の森公園
・井の頭公園
・葛西臨海公園
・小金井公園 - ランニングコース(神奈川)
- ・みなとみらい
- ランニングコース(千葉)
- ・東京ディズニーリゾート
・幕張稲毛シーサイド
【STEP6】大会前の過ごし方(2週間前〜4日前)

それでは、大会2週間前の過ごし方を見ていきます。
コースの確認

まず、出場するコースの給水所や救護所の場所、高低差を公式HPで確認しましょう。
事前にコースを把握しておくことで、体調不良や脚を痛めた際のトラブルでも焦らず対応できます。
また、コースを把握しておくことで、下記のような事前対策ができます。
- 「35km地点でアップダウンがあるから、前半は体力を温存したい」
- 「17km地点に給水所があるから、そこでエネルギー補給をしよう」
- 「26km地点の給食所では、名物の「〇〇ゼリー」が出るから、そこまでは歩かずに行きたい!」
上記のような判断を事前に行っておくと、レース中に余裕が生まれます。
例えば、下記は「青島太平洋マラソン」のコースマップと高低差です。


コース上に給水所やトイレ、救護所の場所が書かれています。
高低差についても事前に「6km地点と23km地点にアップダウンがある」と知っておくだけでも心に余裕が生まれます。
また、下記は「あおもり桜マラソン」の高低差です。

27km地点にある「青森ベイブリッジ(橋の名称)」の高低差は20mもあり、最大の難所と言われています。
このように、「27km地点に上り坂がある」ことを”知っている”、”知らない”ではレース展開が大きく変わるため、事前にコースマップは見ておきましょう。
また、可能なら「試走する」のも手です。
コースマップでは分からない細かな情報が手に入るので、当日トラブルなく走れるでしょう。
レース本番を想定した生活リズムにする

万全のコンディションでレースに臨むには、規則正しい生活を送ることが重要です。
レース開始は9:00〜10:00と、朝一に行われることがほとんどです。
なので、2週間前(難しければ1週間前)からレース本番のスタート時刻に合わせた生活リズムに整えると良いでしょう。
当日のスケジュール例
5:00 起床
5:15 朝食
5:30 準備
6:00 移動
7:00 会場到着・着替え
8:00 ウォーミングアップ・荷物預け
8:30 トイレ・整列
9:00 レーススタート
13:00 フィニッシュ
13:30 荷物預かり・着替え
14:30 帰宅
レース当日は、スタート時刻の4時間前に起床、3時間前までに朝食を済ませておく必要があります。
なので、逆算して起床時間を決めると良いです。
仕事や学校でなかなか思い通りにいかないかもしれませんが、なるべく1〜2週間だけはレース当日に合わせた生活リズムにしておくことで、高いパフォーマンスを発揮することができるでしょう。
ウォーターローディングを行なう

ウォーターローディングとは、体内に水分を蓄えておく作業です。
身体の60%を占める水ですが、水分を2%(体重60kgの場合、1.2L)失うと、パフォーマンスが低下します。
特に、長時間のランニングでは多くの汗をかくため、事前に体内に水分を入れておくことが重要です。
人の1日の水分補給量は1.5Lなので、レース1週間前から1日1.5Lの水をこまめに飲む(1回250mlを目安に)ようにしましょう。
また、水には「軟水」と「硬水」の2種類ありますが、おすすめは「硬水」です。
硬水には脚がつったり、ケイレンを防ぐ効果のある、カリウムやマグネシウムなどのミネラルを補給できます。
ただ、硬水は胃腸に負担をかけやすく、一気に飲むとお腹を壊す可能性もあるので、徐々に身体に慣らしていきましょう。
↓ おすすめの硬水
詳しくは、マラソン大会前にやるべきウォーターローディングとは?【レース1週間前から始めよう】で解説しています。
アルコール・カフェインは控える

ウォーターローディングを開始したと同時に、「アルコール」「カフェイン」は控えましょう。
「アルコール」「カフェイン」は利尿作用があり、逆に水分を失ってしまいます。
また、アルコールは胃腸に負担をかけます。
他にも、アルコールは肝臓の働きを妨害したり、筋肉の合成や回復を遅らせるなどのデメリットも。
フルマラソンを完走するには胃腸が良い状態であるべきなので、レース1週間前は飲まないようにしましょう。
ナンバーカード、計測チップの確認

レース本番の2週間前(大会による)に参加案内とともにナンバーカード、計測チップが郵送で届きます。



これらを忘れてしまうとレースに参加できなくなるので、忘れずに持参しましょう。
また「引換証」の場合、当日、もしくは前日に会場にて受付を行い、ナンバーカード、計測チップを受け取ります。
この場合は、引換証を忘れずに持参しましょう。
大会によって異なるため、大会公式HPで確認してみてください。
レースに必要な持ち物は?

開催時期・天候・開催地によりますが、必要な持ち物は下記が挙げられます。
- 持ち物リスト
- ・ナンバーカード・計測チップ
・シューズ
・ウェア(Tシャツ・パンツ)
・ソックス
・マスク
・着替え(下着)
・タオル
・お金
・健康保険証
当日、現地で購入できないことを想定し、手元にないものは事前に用意しておきましょう。
他のリストは、フルマラソン初心者向け持ち物リスト【完走経験者がおすすめする必需品は?】で解説しています。
2週間前から体調管理アプリで日々の体調確認

新型コロナウイルス感染症対策で2週間前から自身の体温を毎日報告することになります。
「体調管理アプリ」をスマートフォンに登録したり、「体調管理チェックシート」に記入したりと大会によってさまざまですが、日々の体調・行動管理の報告が義務付けられています。

感染拡大を防ぐためにキチンと毎日の体調管理を忘れずに行いましょう。
【STEP7】大会前の過ごし方(3日前〜前日)

それでは、レース前(3日前〜前日)の過ごし方を見ていきます。
カーボローディングを行なう

カーボローディング(またはグリコーゲンローディング)とは、糖質を身体に溜め込む食事方法です。
エネルギー源である糖質を身体に補充することで、車でいうガソリン満タン状態でレースに臨むことができます。
カーボローディングはレース3日前から行い、通常の食事よりおかずの量を減らし、その分、ごはんやパスタなどの糖質の量を増やします。
- 主な糖質
- ・ご飯
・パン
・麺類(パスタ、うどん)
・お餅
通常、1回の食事で50〜60%の糖質を摂っていると言われていますが、カーボローディングではその量を70%まで引き上げます。
レース(残り日数) | 糖質摂取量 |
7日前 | 通常 |
6日前 | 通常 |
5日前 | 通常 |
4日前 | 通常 |
3日前 | 糖質多め |
2日前 | 糖質多め |
前日 | 糖質多め(胃腸の負担が少ない食事) |
当日の朝 | 糖質多め(胃腸の負担が少ない食事) |
下記は、カーボローディング時の食事例です。
レース(残り日数) | メニュー |
3日前 | 朝:おにぎり2個、味噌汁、バナナ 昼:うどん、かやくご飯セット 間食:ロールケーキor和菓子 夜:ラーメン、チャーハン、餃子、サラダセット |
2日前 | 朝:もち3個 昼:パスタ、パン、ヨーグルト+半バナナ、トマトスープ 間食:バナナ 夜:うな丼、漬物、味噌汁、温野菜、りんご、蒸しパン |
前日 | 朝:パン、バナナ、ヨーグルト 昼:おにぎり4個 間食:バナナ 夜:パスタ、そば、チャーハン、野菜、デザート |
最後に「体重変動」に注意しましょう。
レース3〜1日前となれば運動量を減らしているため、必要以上に糖質を摂ると体重が思った以上に増加してしまいます。
1〜2kgの増加は許容範囲内ですが、1kg増えるだけで身体が重くなったと感じる人もいるため、事前に確認しておきましょう。
そのためにレース前にいきなり行うのではなく、レース1ヶ月前にカーボローディングを行い、自分の身体に合ったやり方を見つけると良いでしょう。
詳しくは、カーボローディングのやり方は?マラソン大会前にやるべきグリコーゲンを増やす食事方法で解説しています。
当日の戦略を立てる

レース当日の戦略を立てましょう。
レース本番3日前〜前日であれば、ある程度天候が分かってきます。
- 「1日晴れだ」
- 「台風の影響で風が強そうだ」
- 「スタート時は寒いが、日中一気に気温が上がりそう」
- 「大寒波で気温5℃だから、めっちゃ寒いぞ」
マラソン大会は台風や地震など自然災害でなければ、雨の日も、強風の日も開催されます。
当然、天候によって服装や持ち物が変わってくるため、どんな天候にも対応できるように準備しましょう。
下記が、各季節ごとの対策すべき事柄です。
各季節ごとに対策すべきこと
・12〜2月のレース:寒さ対策
・3〜4月のレース:寒さ対策、突風対策
・7〜8月のレース:暑さ対策
・9〜11月のレース:台風が多いので、強雨風対策
それぞれの対策については下記で解説しています。
天候・気温によるウェアの準備

上記のように、日頃の練習環境と異なるのがレースです。
更に、マラソン大会は気象条件に関係なく実施されるため、様々な条件に対応できるようウェアの準備は欠かせません。
そこで、「暑さ対策」「寒さ対策」「雨対策」「その他(全体)」の4つから、どんな対策をすればいいか見ていきます。
暑さ対策

春先〜夏にかけて行われるレースであれば、「半袖シャツ」と「ハーフパンツ」の組み合わせが最適です。
また、紫外線を浴びすぎると疲労を感じやすくなるため、「キャップ」や「サングラス」といったアクセサリがあると快適に走れるでしょう。
特に「キャップ」は、必須アイテムです。
日頃、30分〜1時間のランニングで気にならなかった日差しも3〜7時間(人による)も走り続けるフルマラソンではかなりダメージを受けます。
熱中症や脱水症といった可能性も高まりますので、ぜひ着用をおすすめします。
さらに、最近では冷感のある「アームカバー」も販売されているので、日焼け対策、かつ暑さ対策におすすめのグッズです。
- おすすめコーディネート
- ・半袖シャツ
・ハーフパンツ
・キャップ
・(サングラス)
・(冷感アームカバー)
下記に、実際のレース時の服装をご紹介します。
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汗で失われる塩分を補給できる「塩分タブレット」も持参すると安心です。
ランニング中の水分補給のタイミングは?【飲む量やおすすめのドリンク紹介】
寒さ対策

冬場のレースでは、肌の露出を出来る限り避け、「ネックウォーマー」や「アームカバー」、「手袋」を着用して寒さ対策をします。
「ロングTシャツ」と「半袖シャツ」の重ね着に、それでも寒ければ「ジャケット」を着用します。
ボトムスは、「ロングタイツ」と「ハーフパンツ」、もしくは、「ハーフパンツ」と「ロングソックス」の組み合わせで着用しているランナーが多いです。
- おすすめコーディネート
- ・ロングTシャツ+半袖シャツ
・ロングタイツ+ハーフパンツ
・(ジャケット)
・手袋
・アームカバー
・ネックウォーマー
下記に、実際のレース時の服装をご紹介します。
↓半袖Tシャツ+アームカバー、ハーフパンツ+ロングソックス
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↓ジャケット(中にロングTシャツ)、ハーフパンツ+ロングタイツ
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雨対策

雨の場合、撥水性能が高い「ジャケット」や「カッパ」、「レインウェア」を着用しましょう。
長時間、雨に打たれると体温が低下していき、低体温症になる恐れがあります。
特に、冬のレースは体温が下がりやすいので注意しましょう。
下記に、実際のレース時の服装をご紹介します。
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普段の練習から着用するなら別ですが、大会のために購入するには値段がが高い「ジャケット」。
レースのみで着用するなら、下記のポンチョがおすすめです。
値段は200円ちょっとで、透明なのでナンバーカードが見えておすすめです。
その他(全体)
長時間走り続けると、ウェアと皮膚(肩、脇、股、乳首)が擦れて痛みが伴う場合があります。
その場合は擦れやすい箇所に「ワセリン」を塗ると良いでしょう。
また、ワセリンは水を弾く作用があるので、雨の日に身体全体に塗ることで体温の低下を抑えてくれるスグレモノです。
前日はオフ、もしくはウォーキングでOK!

レース前日は、疲れを残さないためにも休息、もしくはウォーキングで良いでしょう。
人によっては、車、新幹線、飛行機で移動のため、移動中歩き続けます。
ただでさえ、移動で体力を削られているので、ストレッチして身体をほぐすだけでOKです。
また、前日移動する方は、階段ではなくエスカレーターやエレベーターを使うなど、なるべく筋肉を使わないようにしましょう。
前日の食事の注意点

レース当日の胃もたれや腹痛、二日酔いを避けるために「消化に悪いもの」を摂らないようにしましょう。
前泊して旅館やホテルに泊まる人は「ご当地グルメ」を食べたくなりますが、その場合はレースが終わってから満喫しましょう。
下記が、ダメな食事例です。
NGメニュー
・脂肪分の多いもの(揚げ物)
・食物繊維の多いもの(じゃがいも、きのこ類)
・生もの(刺し身など)
・辛いもの(麻婆豆腐)
・アルコール(ビールなど)
「では、前日は何を食べればいいのか。」
レース前日は消化によいもの、そして、糖質(炭水化物)を中心に取るようにしましょう。
▼糖質を摂る理由は下記で解説していますカーボローディングのやり方は?マラソン大会前にやるべきグリコーゲンを増やす食事方法
また、糖質は「ビタミンB1」と相性が良く、糖質をエネルギーに変えやすくする効果があるため、積極的に摂取しましょう。
レース前日におすすめの料理
・そぼろ卵丼
・豚の生姜焼き
・豚しゃぶ
・肉うどん
消化に悪いものを避け、糖質中心の食事を心がけましょう。
詳しくは、フルマラソン前日の食事は何を食べればいいの?食べていいもの・食べてはダメなもの【初心者向け】で解説しています。
【STEP8】レース前の過ごし方(当日)

それでは、レース当日の過ごし方を見ていきます。
起床はスタート4時間前、朝食は3時間前まで

レース当日は、スタート時刻から逆算して4時間前に起床し、スタート3時間前までに朝食を済ませます。
下記が、当日のスケジュール例です。
当日のスケジュール例
5:00 起床
5:15 朝食
5:30 準備
6:00 移動
7:00 会場到着・着替え
8:00 ウォーミングアップ・荷物預け
8:30 トイレ・整列
9:00 レーススタート
13:00 フィニッシュ
13:30 荷物預かり・着替え
14:30 帰宅
3時間前までに朝食を済ませる理由は、食べ物を食べてから消化されるまでに3時間程度かかるからです。
胃の中に食べ物が残っていると、腹痛や不快感が生じるため注意が必要です。
朝食は、糖質(ご飯・パン・うどん・餅)を中心に、あとはビタミンが摂れる果物(ジュースでも可)など、消化に良いものを食べましょう。
下記が例です。
- 朝食の例
- ・ご飯(おにぎり)
・味噌汁
・納豆
・たまご焼き
・梅干し
・果汁100%オレンジジュース

糖質の量を気持ち多めにし、エネルギーを蓄えましょう。
また、早朝の移動や緊張で食欲がわかず、朝食が摂れない場合もあると思います。
その場合は、レース開始1時間前までを目安に、糖質が多くて食べやすいものを口にするとよいでしょう。
下記が例です。
- レース開始1時間前までに摂るべきメニュー例
- ・バナナ1本
・カステラ2切れ
・ようかん1個
・エネルギーゼリー1個
・果汁100%オレンジジュース

上記の食べ物は、朝食をしっかり摂った場合でも用意しておくと、会場到着後に小腹が空いたときにも困りません。
お腹が空いた状態でスタートすると、途中で「ガス欠」になる恐れもあるため、念には念を入れて準備しましょう。
最後に、当日避けるべき食べ物です。
- 当日避けるべき食べ物
- ・食物繊維が多いもの(サラダ、きのこ類)
・生もの(刺し身、卵かけご飯)
・カフェイン入り飲み物(コーヒー、烏龍茶)

特に、日頃からコーヒーを飲むのが日課の方は、間違えて飲まないようにしましょう。
カフェインは利尿作用があるため、トイレの頻度が高くなります。
マラソン会場のトイレは大規模な大会になればなるほど混雑しており、20〜30分平気で並ぶため注意しましょう。
会場入りは2時間前が理想

会場入りはレース開始2時間前、遅くても1時間前までには到着しておきましょう。
当日電車で移動する方は「遅延」、車の方は「渋滞」することも視野に入れ、余裕を持つことが大事です。
改めて、当日のスケジュール例です。
当日のスケジュール例
5:00 起床
5:15 朝食
5:30 準備
6:00 移動
7:00 会場到着・着替え
8:00 ウォーミングアップ・荷物預け
8:30 トイレ・整列
9:00 レーススタート
13:00 フィニッシュ
13:30 荷物預かり・着替え
14:30 帰宅
会場到着後、着替えをしたり、荷物を預けたりと、やることはたくさんあります。
特に「荷物預け」はレース時刻が近づくにつれ混雑するため、早め早めの行動が大事です。
予定通り到着しないと焦りが出てしまい、レースに影響が出てしまいます。
レースに集中できるよう、早めの行動を心がけましょう。
会場到着後、こまめに水分補給を

会場に到着したら、こまめに水分補給することを忘れないようにしましょう。
レース当日は緊張で、普段よりのどが渇くかもしれません。
また、水分を一度に吸収できる量には限りがあり、一気に飲んでものどは潤いません。
なので、15〜30分ごとに150mlを目安に水分補給を行いましょう。
この、こまめな水分補給がレース中の脱水症状を防いでくれます。
ウェアの決定は当日の天候次第

会場に到着したら、ウェアに着替えます。
ここで、頭を悩ませるのがウェア選びでしょう。
1日の天候が確実に変わらないのであれば問題ありませんが、「曇り→晴れ」や「晴れ→雨」など、スタート時の気温から1時間後に天候が変わることで気温が大幅に変化することも考えられます。
多めに着ていれば途中で暑くなっても脱げば解決しますが、その逆であれば着ることができません。
特に雨が降ってくれば、体温がどんどん低下していき、低体温症で途中棄権ということも。
なので、着脱しやすい「アームカバー」や「手袋」などを用意しておくと安心です。
また、不安であればリュックに「ジャケット」や「レインウェア」、「長袖Tシャツ」等を入れておき、レース中に柔軟に対応しましょう。
荷物預けは最後まで忘れ物がないか確認しよう

着替えが終わったら、荷物を預けにいきます(大会によって荷物預けがない場合もある)。
荷物預けは、「指定された袋に入れる」場合と「指定なし」の2タイプあります。
後者なら問題ないですが、前者の場合、荷物が袋に入らないと預けることができません。
特に、冬はアウターなど荷物が多くなるので、事前に袋の大きさを確認しておきましょう。
また、一度預けると、フィニッシュ時まで荷物を受け取れないので、注意しましょう。
トイレは早めに済ませよう

レース開始時間に近づくほど、トイレは混雑する(20〜30分は平気で並びます)ため、早めに済ませましょう。
大規模大会ではそれなりにトイレも用意されていますが、それでも待つ時は待ちます。
この日だけは「トイレはいつでも空いている」という考えは消し去り、常に待たないといけないことを前提に行動しましょう。
また、スタート整列は早いもの順なので、ぎりぎりまでトイレに並んでいると、後方からのスタートになってしまいます。
特に、タイム更新を狙っているランナーにとって、後方からのスタートは大幅なタイムロスです。
なので、どうしても混雑している場合は、コース上に用意されているトイレを利用するという手もあります。
ただ、スタート直後(〜1km地点)のトイレは混雑しているので、我慢できるのなら比較的空いている5km以降のトイレを利用すると良いでしょう。
ウォーミングアップは何をやればいい?

エリートランナー(サブ2.5〜サブ3)はレース開始時からトップスピードで楽に走れるよう、ジョグや流しなどで身体を温めレースに臨んでいます。
しかし、サブ3.5〜サブ6目標のランナーがレース前に動きすぎると、かえってエネルギーを消耗してしまうので、やるなら「ストレッチ」程度で良いです。
ふくらはぎや太もも、股関節、肩周りのストレッチを行い、身体をほぐしましょう。
また、レース開始直後は、人が密集しているため、スピードに乗って走ることができません。
だからといって、人をかき分けるように走ると、かえって疲れてしまうのでスタート後の5〜10kmはウォーミングアップ代わりにジョグしながら身体を温めれば十分です。
整列は事前に決められた場所に並ぼう

当日のスケジュール例
5:00 起床
5:15 朝食
5:30 準備
6:00 移動
7:00 会場到着・着替え
8:00 ウォーミングアップ・荷物預け
8:30 トイレ・整列
9:00 レーススタート
13:00 フィニッシュ
13:30 荷物預かり・着替え
14:30 帰宅
整列は、大会申込み時に申告した「完走予想タイム」をもとにブロックが決められており、その指定されたブロックに整列します。
整列開始時刻ですが、例えば「東京マラソン2020」の場合、スタート開始時刻が9時10分に対し、整列開始時刻が7時45分です。
大会によって変わりますが、レース開始1時間前から整列することができます。
下記はブロックごとの整列の様子です。


下記は、参加者15,000人の「板橋Cityマラソン」の整列の様子です。

奥までずらっとランナーが整列しているのが分かります。
持ちタイムが遅いビギナーランナーであるほど整列場所は後方になるため、自分のブロックまでの移動に時間がかかることを想定して行動しましょう。
待機時間の過ごし方

大会によりますが、待機時間は10〜30分あります。
下記は、東京マラソン2020のスケジュールです。
7:45 スタートブロックへの整列
8:45 整列完了
9:10 マラソンスタート
※1部省略
ぎりぎり8:45に整列完了してもスタートまで25分間の待機時間があります。
また、Aブロックから順にスタートしていくので、最後のブロックであればスタートから10〜20分更に待機する可能性もあります。
なので、日差しの強い日は日陰になっている場所で涼んだり、寒い日は携帯用カイロで身体を温めたり、身体のコンディションを落とさないように工夫しましょう。
また、寒い日は、身体が冷えないようにカッパを着用して、寒さを凌いでいるランナーもいます。
ちなみに、カッパの代わりに「45Lのゴミ袋」を使用すれば、途中の給水所で捨てられるので、荷物の邪魔にならずおすすめです。
他には、イメージトレーニングやストレッチ、ランナー同士で談笑したりと様々ですので、この時間をどう過ごすか事前に決めておきましょう。
レース30分前にエネルギー補給する

朝食をしっかり摂れなかった方やレース前に万全を期すなら、レース開始30分前にエネルギー補給をしましょう。
このタイミングではゼリータイプや顆粒タイプで、身体にすぐ吸収されるものがおすすめです。
アミノ酸やBCAAを摂取することで、ランニング中の疲労軽減やパフォーマンス向上といった効果が得られます。
水なし、かつ個包装タイプであれば、整列中でも摂取できます。
詳しくは、フルマラソンのレース直前におすすめの補給食5選で解説しています。
最後の仕上げを行い、スタート開始を待ちましょう。
【STEP9】レース本番(当日)

それでは、レースの様子を見ていきます。
グロスタイムとネットタイムとは

完走した際の計測タイムは、グロスタイムとネットタイムの2種類あります。
- グロスタイムとは
- 号砲が鳴ってからフィニッシュするまでのタイムです。公式記録はグロスタイムとなるため、後方ブロックからのスタートほど、タイムロスとなります。
- ネットタイムとは
- 自分がスタートラインを通過してからフィニッシュするまでのタイムです。〇〇時間以内の完走タイムを持っている人しか出場できない大会(別府大分マラソン大会など)を狙っていなければ、ネットタイムを目標にすると良いです。
特にタイムを気にしないのであれば、ネットタイムを確認しましょう。
ペース配分はイーブンペースかネガティブスプリットがおすすめ

レース展開は、大きく3つのペースに分かれます。
- イーブンペース…終始同じペースで走る方法
- ネガティブスプリット…前半は抑え、後半にペースを上げる方法
- ポジティブスプリット…元気のある前半に貯金を作り、後半の失速を最小限に食い止める方法
おすすめの走り方は、イーブンペースとネガティブスプリットです。
ポジティブスプリットは、オーバーペースになりやすく、後半大きく失速して目標に届かない恐れがあるからです。
また、失速したタイミングで次々ランナーに抜かれると、メンタル的にもキツイものがあります。
一方、イーブンペースであれば、普段のトレーニングで培ったペースで淡々と走っていくので、大崩れしづらいメリットがあります。
ネガティブスプリットも前半抑えすぎて目標まで届かないことも起こりうりますが、徐々にペースを上げてゴールしたほうが気持ちの面でも次のレースに繋がります。
ペース配分は、普段の練習(ペース走など)で感覚を掴むしかないので、自分の最適のペースを見つけてみてください。
レース序盤はオーバーペースに注意

先程も伝えましたが、レース序盤はオーバーペースに注意しましょう。
レース本番は、大会特有の雰囲気や沿道の声援で気持ちが高ぶり、自然とペースが上がりやすくなりがちです。
特に、レース本番に合わせてコンディションを上げているので、身体はとても元気です。
下記は、やってはいけないことです。
NG!やってはいけないこと
・レースペース以上で走る
・スタート直後、人をかき分けるように抜いていく
1つ目は後半の失速に繋がるため、辞めましょう。
2つ目は、よくやっている人を見かけますがNGです。
スタート直後は混雑して思うように走れません。
レースペースで走ろうと、人をかき分けるように進んでいくと余計に体力を使ってしまいます。
スタートして5kmほどは混雑が続くので、ウォーミングアップだと思って淡々と走るようにしましょう。
目標タイムを狙うならペースメーカーを利用しよう

ペースメーカーとは、目標タイムに向け、先導してくれるランナーです。
▼下記がペースメーカー(風船やゼッケンにタイムが書いてある)
例えば、サブ4目標ならサブ4のペースメーカーについていけば、目標のタイムで完走できます。
ペースメーカーの良い点は、下記のとおりです。
- イーブンペースで走ってくれる
- 自分で逐一時計を確認しなくていい
- 「この先上り坂があります」など声掛けしてくれる
ただ、ペースメーカーはグロスタイム(号砲が鳴ってからフィニッシュするまでのタイム)の設定でゴールを目指すため、スタート直後の遅れを取り戻そうと前半ペースが速くなりがちです。
また、下記の点にも注意しましょう。
ペースメーカーを利用する際の注意点
・途中リタイヤするペースメーカーもいる
・経験不足のペースメーカーは、オーバーペースで突っ込んでいる場合も
2〜3人のペースメーカーがいればいいですが、1人のときは「ペース通り進んでいるかな?」と見極める必要があるでしょう。
集団を上手に利用しよう

プロのレースをテレビや沿道で見ていると、集団で走っている姿を多く見かけると思います。
集団で走ると様々なメリットがあるので、記録を狙うなら集団を利用するのも1つです。
下記が、集団で走るメリットです。
- 風除けできるため、体力の消耗を抑えられる
- 一定のペースなので、リズムを取りやすい
ペースメーカー同様、「1人で走れない」「前の人に引っ張ってもらいたい」人は集団を利用しましょう。
ただ、集団走にも注意点があります。
集団走の注意点
この集団は自分のペースに合っているのか確認しましょう。自分の目標がサブ4なのに、サブ3.5を目指している集団に入ると明らかにオーバーペースで後半失速してしまいます。
喉が乾いていないくても水分補給しよう

コース上には、エイドステーションと呼ばれる給水所があり、スポーツドリンクや水が用意されています。
初マラソンの場合、水分補給の勝手がわからないと思いますので、下記に記載します。
基本的に紙コップがテーブルに並んでおり、自由に手で取り、補給していきます。紙コップのゴミは、エイドステーションの先にゴミ箱が設置されているので、そこに捨てましょう。また、エイドステーションでは手前側のテーブルに人が殺到することが多いため、スムーズに受け取るなら手前をスルーし、奥側のものを受け取りましょう。
水分補給ですが、発汗する量に応じて、こまめに補給するのが鉄則です。
基本的には、30分に1回、200mlを目安に補給します。
補給するタイミングは「のどの乾き」が少しでもあれば水分補給すべきなので、自分の感覚で補給するようにしましょう。
エネルギー補給のタイミングは?

水分補給と同様に大事なのが、エネルギー補給です。
人は、「糖質」と「脂肪」をエネルギー源としていますが、体内に約1,500kcalしか貯めることができません。
フルマラソンに必要なエネルギー量は2,500kcalと言われており、朝食では到底賄えません。
そこで、完走するために重要なのが、レース中のエネルギー補給です。
エイドステーションには「おにぎり」「パン」「お菓子」など、糖質補給できる場所はありますが、自分のタイミングで摂取できません。
また、レース後半になると食欲がなくなる場合もあり、「おにぎり」や「パン」など固形物なんて食べる元気はありません。
そこで、おすすめなのが、手軽に携帯・摂取できる「ゼリーやジェルタイプの補給食」です。

非常にコンパクトで持ち運びしやすいため、ポケットに入れておき、タイミングごとに摂取していきます。
下記に、摂取するタイミングの目安を載せておきます。
- サブ3.5(3時間30分以内)目標
- ・10km地点(50分経過時)
・20km地点(1時間40分経過時)
・30km地点(2時間30分経過時)
※50分間隔で摂取 - サブ4(4時間00分以内)目標
- ・11km地点(1時間経過時)
・21km地点(2時間経過時)
・32km地点(3時間経過時)
※1時間間隔で摂取 - サブ4.5(4時間30分以内)目標
- ・8km地点(50分経過時)
・16km地点(1時間40分経過時)
・24km地点(2時間30分経過時)
・32km地点(3時間20分経過時)
※50分間隔で摂取 - サブ5(5時間00分以内)目標
- ・9km地点(1時間経過時)
・17km地点(2時間経過時)
・26km地点(3時間経過時)
・34km地点(4時間経過時)
※1時間間隔で摂取 - サブ5.5(5時間30分以内)目標
- ・7km地点(55分経過時)
・14km地点(1時間50分経過時)
・21km地点(2時間45分経過時)
・29km地点(3時間40分経過時)
・35km地点(4時間35分経過時)
※55分間隔で摂取 - サブ6(6時間00分以内)目標
- ・7km地点(1時間経過時)
・14km地点(2時間経過時)
・21km地点(3時間経過時)
・28km地点(4時間経過時)
・35km地点(5時間経過時)
※1時間間隔で摂取
走る時間が長いほど、補給回数は多くなります。
メーカーによって、「飲みやすさ」が変わるため、事前に飲み比べして、好みの補給食を探しましょう。
おすすめの補給食は、フルマラソンにおすすめの補給食15選【サブ3.5、サブ4、サブ5向け】で解説しています。
レース後半は「30kmの壁」との闘い

多くのランナーが口にする「30kmの壁」。
「30kmの壁」とは、前半は余裕で走れていたのに30kmを超えた途端、足が重くなりペースダウンしてしまうことを言います。
これは、下記のようなことが考えられます。
- エネルギー切れ
- 脱水症状や熱中症などの体調不良
- 足(膝、ふくらはぎ)の痛み
エネルギー切れや脱水症状などを起こすと、急に足が動かなくなり、ペースダウンの原因となります。
また、練習不足で筋力が十分に備わっていないと、足の痛みが出てくるでしょう。
ただ言えるのは、どのランナーもここが一番の「踏ん張りどころ」ということです。
残り12km。気持ちの面で負けずに1歩1歩前へ進む忍耐や根性が試される場所です。
フィニッシュは笑顔で

40kmを過ぎ、身体はボロボロです。
残り2km、残り1kmと、フィニッシュ地点に近づくに連れ、沿道からの声援も大きくなるので、自然と力が湧いてくるでしょう。
フィニッシュでは辛い顔は見せず、「これまで支えてきてくれた人への感謝」や「これまでの自分の頑張り」を称え、笑顔で締めくくりましょう。
キツければ勇気をもってリタイヤしよう

体調不良や足の痛みなど、これ以上継続するのが難しければ、勇気をもってリタイヤしましょう。
コース上に救護所や収容車が用意されているので、大会スタッフに申し出をするとレース終了となります。
また、関門の時刻に間に合わない場合も強制的に競技終了となります。
リタイヤするとフィニッシュ地点まで送迎してくれるので、大会スタッフの指示に従いましょう。
私も一度リタイヤした経験がありますが、恥ずかしいことではないので、キツければ無理せず決断しましょう。
レース中のトラブル対処法

レース中には、様々なトラブルが発生します。
今回は、よくあるトラブルをご紹介します。
脱水症状
汗で体内の水分が失われることで、脱水症状が起こります。
脱水が進むと、汗や尿が出なくなり、それにより体温が下がらず、パフォーマンスの低下に繋がります。
脱水を防ぐには、「普段からどのくらい汗をかくのか」把握しておく必要があります。
仮に、1時間のランニングで500g体重が減少していれば500mlの汗をかいているので、その分の水分が必要となります。
なので、各エイドステーションで不足した水分をスポーツドリンクで補うなど、積極的に補給しましょう。
熱中症
熱中症は、体内の水分や電解質のバランスが崩れることによって起こります。
対策は、水分をしっかり補給し、キャップを被り日差しを避け、体温の上昇を抑えることです。
また、エイドステーションで頭から水を被ったり、氷があれば身体を冷やしたりと、なるべく体温を上げない対応をしましょう。
水中毒
発汗量の多い時期に起こりやすいですが、汗で体内のナトリウムが不足することで起こります。
身体のダルさやめまいなどの症状があり、水のみを補給していると体内のナトリウム濃度が低下していきます。
なので、水を飲むときは「塩分サプリメント」を摂取したり、スポーツドリンクを飲むなど、塩分も一緒に補給しましょう。
足がつる・ケイレンする
体内の水分や電解質のバランスが崩れている中、筋肉に過度な負荷を与えていると足がつったり、ケイレンしたりします。
対策は、塩分を含むスポーツドリンクを摂取したり、マグネシウム系の補給食(マグオン エナジージェル)を摂取すると良いでしょう。
補給食は、フルマラソンにおすすめの補給食17選【サブ3.5、サブ4、サブ5向け】で解説しています。
脇腹が痛い
脇腹が痛くなるのは、肝臓が上下に揺れることで臓器が引っ張られたり、横隔膜の血流が悪くなることで起こります。
痛みを抑えるには、ペースを落としたり、一度立ち止まるなど対応しましょう。
マメや靴ずれ
新しいシューズやソックスを履いたことで起きたり、雨や給水中にシューズが濡れて皮膚が柔らかくなることで起こります。
対策としては、レース前にワセリンを塗ったり、靴ずれしやすい箇所に絆創膏を貼りましょう。
また、絆創膏を数枚持っておくと、いざというときに対応できます。
転倒による捻挫や出血
転倒して出血したり、捻挫してしまったら、無理せず救護所に立ち寄りましょう。
転倒の場合、靭帯が損傷していたり、骨折ということも考えられます。
痛みの中走り続ければ、後遺症が残る場合もあります。
救護所で手当てを受け、それでも難しければ無理せずリタイヤしましょう。
低体温症
寒い時期のレースで起こりやすいですが、深部体温が35℃を下回ると起こる症状です。
特に、雨の日は身体が濡れて、体温がなかなか上がらず、足が重かったり、寒さを感じる状態になります。
身体を冷やさないように厚手のウェアやカッパを着たり、温かい飲み物で体内から温めたりするなど、対策しましょう。
【STEP10】レース後の過ごし方(当日)

最後に、レース後の過ごし方を見ていきます。
フィニッシュ後は完走メダル・完走タオルの受け取り

フィニッシュ後の流れをご紹介します。
フィニッシュ後の流れ
フィニッシュ
↓
完走メダル、完走タオル、完走証の受け取り(大会による)
↓
預けた荷物の受け取り
↓
着替え
↓
帰宅
フィニッシュ後は、完走メダルや完走タオル等を受け取り、預けた荷物を受け取ります。
身体はボロボロな状態だと思いますが、最後の力を振り絞り、荷物を受け取り、着替えましょう。
また、次々とランナーが荷物の受け取りに来ますので、余韻に浸りたい気持ちを抑え、速やかに帰宅しましょう。
レース後の栄養補給

「疲労で食欲がない」場合がありますが、水分補給、栄養補給はしっかり行いましょう。
レース後は、エネルギーが枯渇しています。
食欲がないことを理由に、そのまま放置していると疲労回復が遅れます。
「おにぎり」や「パン」などの固形物が難しければ、ゼリータイプの補給食を摂るだけでも違います。
ゼリータイプのおすすめ補給食は、マラソン後の疲労回復におすすめのサプリメント(リカバリー補給食)5選で解説しています。
足に痛みがあるならアイシングを

太ももや膝、ふくらはぎ、足首など様々な箇所に痛みがあると思います。
そんなときは、氷を使って患部を冷やしましょう。
アイシングは炎症を抑える効果があり、疲労を長引かせないメリットがあります。
保冷剤や氷をビニール袋に入れて、10〜15分ほど患部を冷やすことをおすすめします。
まとめ

今回は、フルマラソンを完走するためのロードマップをご紹介しました。
正直、初めてのマラソンで満足いく結果になる人は少ないと思います。
「ツラすぎるからもう走りたくない」「あんなに練習したのに、全然だった」など、ネガティブな感情になり、これが最後のフルマラソン出場になるかもしれません。
また、「練習量の割には走れたな!」「途中でリタイヤしたからリベンジしたい!」と次のレースに意欲を示す方もいるでしょう。
個人的には、後者のほうが嬉しいですが、ただフルマラソンが過酷なのも納得です。
ぜひ、次回のレースに参加予定の方やこれから参加する方の参考になれば幸いです。
本日は以上です。