フルマラソンサブ4達成のペース・練習メニューは?月間走行距離はどれくらい?


フルマラソンでサブ4達成するためにはどれくらいのペースで走ればいいの?どんなトレーニングをすればいいの?
こんな疑問にお答えします。
サブ4は、フルマラソンを4時間以内に完走することを指します。
このサブ4は、多くの市民ランナーの一つの目標として設定されていますが、とても簡単なタイムではありません。
ですが、しっかりトレーニングをすれば達成できるタイムですので、今回は、サブ4達成するための目安として、ペースや練習メニュー、全体の達成割合などお伝えします。
ぜひ、サブ4を目標にされている方は参考にしてみてください。
サブ4達成するための基本情報
サブ4達成の割合

まずはじめに、サブ4は全体のどれくらいの割合のランナーが達成しているのでしょうか。
ランネット「全日本マラソンランニング」の集計では、以下の数値となります。


- 男性:29.1%(86,198人 / 29万6,547人)
- 女性:12.3%(9,763人 / 7万9,360人)
ランネット「全日本マラソンランニング」より引用
男性では全体の約30%、女性でも全体の約12%しかいないという、決して簡単なタイムではないことが分かります。
サブ4達成に必要なペースは?

下記が、サブ4を達成するためのペース表です。
1km | 5分41秒 |
5km | 28分26秒 |
10km | 56分52秒 |
15km | 1時間25分18秒 |
20km | 1時間53分44秒 |
ハーフ(21.0975km) | 1時間59分59秒 |
25km | 2時間22分11秒 |
30km | 2時間50分37秒 |
35km | 3時間19分03秒 |
40km | 3時間47分29秒 |
フル(42.195km) | 3時間59分59秒 |
イーブンペース(一定のペース)の場合、1km5分41秒で走り続ければ達成することができます。
ただ、現実的に同じペースで走り続けるのは難しく、給水所での水分補給やトイレ、足の痛みにより途中で止まる可能性があるので、前半は1km5分30秒で走り、後半へ貯金を作るなどの調整が必要です。
そのため、トレーニングでは5分30秒〜5分20秒のペースで走る練習をしておくなど、スピードを維持する力を養うことが大事になるでしょう。
サブ4達成のトレーニング方法
サブ4達成者の月間走行距離は?

続いて、サブ4を達成するために、月間どれくらいの距離を走ればいいのか。
ランニングマガジン・クリールが集計したデータを下記にまとめました。
上記のように、月間161〜200kmを走っているランナーが一番多いことが分かります。
また、100km未満の方でも全体の8%と、仕事などで全然走れなかったからといって、決して完走するのが難しい訳ではないということが分かります。
ただ、こちらはあくまで目安です。
性別や身長、これまでの運動歴など、自分と全く異なるランナーのデータであるため、参考程度に知っておきましょう。
トレーニングメニュー例

続いて、トレーニング例をご紹介します。
マラソンの練習は大きく3つの時期に分かれます。

- 走り込み期(4ヶ月間)…脚つくり、スタミナ向上
- 実践期(4週間)…スピード持久力向上
- 調整期(4週間)…本番に向けて体調を整える
初心者ランナーは、フルマラソンを走れるだけの基礎が出来上がっていないので、レース本番の半年前(6ヶ月前)からトレーニングを行います。
その場合、レース本番の6ヶ月前から4ヶ月間を「走り込み期」として、マラソン完走するための持久力(スタミナ)向上に力を入れます。
続いて、本番2ヶ月前の「実践期」では、目標のレースペースで走れるよう、スピードをつけていきます。
最後、本番1ヶ月前の「調整期」では、練習量を抑え(実践期の50%)、疲労を抜きながら、レース本番に向けて調整していきます。
では、それぞれの時期にやるべきトレーニング例をご紹介します。
走り込み期(4ヶ月間)

走り込み期は、とにかく距離を走って脚つくりをしていきます。
初心者の方は、完走できる筋力や持久力が備わっていないので、3〜4ヶ月使い、走り込みをしていきましょう。
また、この時期はスピードは気にせず、1回で長い距離、または長い時間走ることを目的にしていきましょう。
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 40〜60分ジョグ |
水曜日 | 40〜60分ジョグ |
木曜日 | 動きづくりドリル |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 90分ジョグ |
日曜日 | 120分ジョグ or 180分LSD |
月間走行距離 目安 | 200〜230km |
ペースは気にせず、とにかく長い時間、長い距離を走ろう!
ジョギング(持久力⤴)
ジョギングとは「人と会話が問題なくできる」くらい、楽なペースで走ることを言います。
更に、ジョギングを終了して「あと30分は走れるかな」と思えるくらい、余裕あるペースが理想です。
人によってペースは異なり、プロランナーでは1km4分ペースかもしれませんし、初心者の方は1km7分ペースかもしれません。
現在の走力でペースは変わってくるため、自分がラクに走れるペースを探すと良いでしょう。
関連記事:初心者向けジョギングの始め方と効果的なトレーニングメニュー
LSD(持久力⤴)
LSDとは、「Long Slow Distance」の頭文字を取ったトレーニング名称で、長い距離をゆっくり走るトレーニング方法です。
距離やペースに決まりはありませんが、ペースの目安は「人との会話がラクラクできる」くらいで、時間は20〜180分(3時間)を目安に取り入れてみてください。
特に、初心者の方は体力や筋力が少ないため、20〜30分から始めると良いでしょう。
効果の面では「有酸素能力を高める」「脂肪燃焼効果を高める」などが挙げられます。
マラソン完走に必要な、エネルギーを生み出す能力の上昇や筋力、スタミナアップなどが期待できるため、初心者の方には特におすすめのトレーニング方法となります。
関連記事:LSDトレーニングの効果とは!初心者ランナーでも始められる方法を解説
実践期(4週間)

実践期では、週末の距離走をレースペース、もしくはレースペースに近いペースで走ります。
走り込み期と違い、レース本番に近いペースで走るため、ケガには注意しましょう。
上記のメニューは目安となるため、疲労が溜まっていれば休養日を増やすなど、疲労を溜めないように心がけましょう。
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 6〜8kmジョグ (ペース自由) |
水曜日 | 1,000m × 3〜5本インターバル走 (4:45/km、レスト100秒) |
木曜日 | 6〜8kmジョグ (7:00/km) |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 15〜22km走 (6:00〜5:40/km) |
日曜日 | 8〜10kmジョグ (7:30〜7:00/km) |
強度の高い練習になるので、ストレッチやマッサージをするなど、ケガには注意しましょう
インターバル走(スピード持久力⤴)
インターバル走とは、「疾走(ダッシュ)」 ↔ 「緩走(ゆっくり走る)」を交互に繰り返すトレーニング方法です。
200m、400m、1,000mといった距離を、ややキツイペースで疾走し、休憩を兼ねた緩走で息を整え、再び疾走します。
そのため、より速く、より長い距離を走るために必要な最大酸素摂取量やLTの向上に期待できます。
詳しくは、下記で解説しています。
関連記事:インターバル走の効果と設定ペースは?サブ3〜サブ5まで
ペース走(スピード持久力⤴)
ペース走とは、あらかじめ自分で設定した一定の速度(ペース)で最後まで走り続けるトレーニング方法です。
例えば、「1km5分00秒ペースで10km走る」と設定した場合、1km目から10km目まで5分00秒/kmペースで走ることになります。
ペース走の目的は、レースで失速する要因のオーバーペースを防ぐことです。
レースはいつもと違う環境、そして独特な雰囲気の中行われるのでアドレナリンが出て、普段の練習より速いペースで走り、後半失速するってことはよくあります。
前半、調子が良いからと突っ込んでしまう、前半のオーバーペースを防ぐためのトレーニングになります。
関連記事:ペース走の設定ペースと効果は?マラソン完走に向けペース感覚を身に付けよう
ハーフマラソン〜30km走(持久力⤴)
現時点での走力を測るために、ハーフマラソン(21km)〜30km走れるか確認します。
ここでのポイントは2つ。
- レースペースで最後まで走りきれるか
- 残りの距離を走りきれる余裕があるか
まず、レースペースで21〜30km走りきれるか確認しましょう。
また、走りきれたとしても、同じペースでさらに10〜20km(30km走った場合、残り12km)走れる余裕があるか確認しましょう。
ここで、レースペースで走りきれなかった場合、同じペースでの完走は難しいかもしれません。
なので、目標タイムを下方修正するなど、実現可能な目標タイムに変更するのも一つの選択肢です。
関連記事:30km走のペース設定とは?30km走の効果やおすすめのコースなど
調整期(4週間)

大会まで残り1ヶ月。
調整期では、身体の調子を整える期間です。
疲労を抜きつつ、レース当日に標準を合わせる意味で、練習量を実践期の5割程度まで減らします。
練習量を一気に減らしたことで走力が落ちる心配をする方がいますが、短期間で走力は衰えません。
それより疲労を抜き、良いコンディションでレースに臨むほうが、よっぽど良い選択です。
なので、空いた時間を利用し、ストレッチや筋トレをして身体を整えましょう。
曜日 | メニュー |
月曜日 | オフ日 |
火曜日 | 3〜4kmジョグ (ペース自由) |
水曜日 | 1,000m × 2本インターバル走 (4:45/km、レスト100秒) |
木曜日 | 3〜4kmジョグ (7:00/km) |
金曜日 | オフ日 |
土曜日 | 7〜11kmジョグ (6:00〜5:40/km) |
日曜日 | 4〜5kmジョグ (7:30〜7:00/km) |
「量」より「質」を意識して、疲労を溜め込まないように行いましょう
トレーニングのポイント

サブ4のトレーニングのポイントは、週1回、20km走や2時間走を行うことです。
マラソンに必要な有酸素能力(毛細血管、ミトコンドリアの発達)が向上するタイミングは、2時間継続して運動し続けてからです。
例えば、2時間30分走る場合、最後の30分間で一気に発達していきます。
有酸素能力が高まれば、持久力の向上に繋がり、徐々に走れる時間も伸びていきます。
なので、まずは1km6分~6分30秒ペースで長い距離を走る癖をつけ、レース本番が近づくにつれレースペースまで上げていきましょう。
週1回、20km走や2時間走を行う
関連記事:ランニング初心者のための水分補給ガイド!おすすめの飲み物や水分補給のタイミングは?
関連記事:ランニング・ジョギング時におすすめの持ち物21選!荷物を持ち運ぶ方法は?
サブ4おすすめのランニングシューズ
最後に、サブ4おすすめのランニングシューズをご紹介します。
アディゼロ SL

アディダスが販売する、エリートランナーから初心者ランナーなど幅広いユーザー、そして、レースからトレーニングまで様々なランニングシーンで活躍する万能シューズ。
アッパーには「ライトウェイト サンドウィッチ メッシュ」を採用し、足全体をやさしく包み込む柔らかいフィット感を実現。
また、ミッドソールにはクッション性や反発性に優れた「ライトストライクプロ」と、耐久性に優れた「ライトストライク EVA」を組み合わせ、着地時のスムーズな重心移動から蹴り出し時の爆発的推進力を発揮しています。
さらに、アウトソールにはグリップ力に優れた凹凸のある「ハイ グリップ ラバー」を採用することで、しっかりと路面を噛み、力強い蹴り出しをサポートしています。
エリートランナーはペース走やジョグなどトレーニング時に、初心者ランナーは普段のトレーニングはもちろん、レース時も着用可能なアイテムです。
関連記事:【レビュー】アディダス アディゼロ SLの性能とは?ジョグ〜レースまで幅広いシーンで活躍するシューズです
S4

アシックスが販売する、サブ4を突破したいランナーのために開発されたシューズ。
S4はSpeed(スピード) / Stability(安定) / Safety(安全) / Sub4(フルマラソン4時間以内に完走)の4つの「S」の意味が込められています。
METASPEED+シリーズ同様の素材「FF BLAST TURBO」をミッドソール上層部に、下層には「FLYTEFOAM」を採用。
2種類の素材を組み合わせることで、サブ4を目指すランナーに適したライド感を提供しています。
また、カカト部から前足部にフルレングスでカーボンプレートを搭載することで、蹴り出しの動きを安定させ、力強い推進力を発揮しています。
さらに、アウトソールには「ASICSGRIP」を全面採用し、さまざまな路面コンディションでも優れたグリップ力を発揮しています。
サブ4を目指すランナーにおすすめのシューズです。
ウエーブライダー27

グローバルで累計販売数1,000万足を超える、ミズノを代表する「ウエーブライダー」シリーズの最新モデル。
27代目となる最新作ではアッパー部分を微調整し、通気性やフィット感の向上により、ランニング時の不快感を軽減。
また、アッパーの改良に加え、ヒールカウンターの形状をを従来より短くしたことで、カカト部分からくるぶしにかけてのフィット感が向上しています。
さらに、ミッドソールは前作(ウエーブライダー26)同様、「ミズノエナジー」と「ミズノウェーブ」を搭載。
「ミズノエナジー」はソール全面に搭載されており、柔軟性と反発性を向上させつつ、よりスムーズな走り心地でランナーをサポート。
「ミズノウェーブ」は内側だけでなく、外側も巻き上げることで安定性が向上し、スムーズな体重移動を促します。
前作より約5gの軽量化し、よりフィット感が向上した、初心者から中級者ランナーにおすすめのシューズです。
関連記事:【実費レビュー】ミズノ ウエーブライダー27の性能とは?価格据え置きの14,850円と、ランナーに嬉しい価格設定です
セーフラン 100X メン

ヨネックスが販売する、「3Dパワーカーボン」「パワークッションプラス」搭載の、推進力を重視したモデル。
カカト着地の安定性を高めた3Dカーボンプレートを搭載しており、走行中の安定性を高めると共に、独自のしなりで高い推進力を提供。
また、インソールとミッドソールの中間部分に搭載された、反発性に優れた「パワークッション」の暑さを(前作より)2mm増量。
各所に採用した高機能軽量素材との相乗効果により、より蹴り出し時の推進力の向上を実現しています。
さらに、最も摩耗が激しいヒール部分外側には、ヨネックスのテニスシューズでも採用されているエンデュランスラバーを採用することで、現行のラバーの配合よりも約20%耐久性がアップしています。
長距離でも疲れにくく、ペースを維持したいランナーにおすすめの1足です。
その他、サブ4におすすめのランニングシューズは下記をご覧ください。
関連記事:【2023年版】サブ4おすすめランニングシューズ15選
まとめ
今回は、サブ4達成するためのペースや練習メニューなどをご紹介しました。
改めて、サブ4の達成者の割合は、以下のようになります。
- 男性:29.1%(86,198人 / 29万6,547人)
- 女性:12.3%(9,763人 / 7万9,360人)
ランネット「全日本マラソンランニング」より引用
また、サブ4達成にはイーブンペースで1km5分41秒で走り続ければ達成することができます。
ぜひ、今後の目標のための参考になればと思います。
以上、フルマラソンサブ4達成のペース・練習メニューの紹介でした。
- 目標別ペース・練習メニュー
- ・サブ3.5の練習メニュー
・サブ5の練習メニュー
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また、タイムごとにもまとめていますので、目指しているタイムにあったシューズを探してみて下さい。
【要チェック】フルマラソン完走ロードマップ

フルマラソン出場までの流れをまとめました。
初めてフルマラソン出場する方を対象に、下記の内容が分かります。
マラソン大会の選び方
購入すべきランニンググッズ
完走するためのトレーニング方法
レース前日や当日の過ごし方
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