マラソンのリタイア(DNF)とは? DNFを乗り越えるための5つのステップ

yusuke saito

初めてフルマラソンを走るが、完走できるか不安な方、必見です。

この記事では、マラソンにおけるリタイア(以下、DNF)について解説します。

全国に”完走率100%”の大会は存在せず、各大会で「足の痛み」や「体調不良」により、最後まで走りれない方は一定数います。

なので、「もう、これ以上走るのができない」と判断した際は、勇気を持ってDNFしましょう。

この記事を読めば、DNFする方法やDNFを乗り越える方法が分かります。

棄権の方法「DNS」と「DNF」とは

マラソンにおける棄権の方法は、大きく2パターンあります。

「DNS(Did Not Start)」と「DNF(Did Not Finish)」です。

棄権の方法
  • DNS(Did Not Start)
  • DNF(Did Not Finish)

DNS(Did Not Start)

DNS(Did Not Start)は、エントリーしたものの、スタート地点に立てなかった場合の棄権方法(欠場扱い)です。

DNSの主な原因

・レース直前でのケガ

・体調不良(風邪やインフルエンザ発症)

・新型コロナウイルス感染、もしくは濃厚接触者

モチベーションの低下(完走できる自信がない)

・大雨により、急遽、欠場

レース直前でのケガ、風邪やインフルエンザ等による体調不良などが該当します。

最近では、自身が新型コロナウイルスに感染したり、家族が感染し(自身が)濃厚接触者扱いになり、DNSする事例も増えました。

また、仕事や家庭環境の変化で、気持ちが乗らず、レースを放棄してしまうこともあるでしょう。

さらに、大雨の中、3〜7時間も走りたくない方は当日の天候次第では、急遽、欠場することもありえます。

このように、(マラソンはエントリーするのは簡単ですが、)「完走する」のと同じくらい、「スタート地点に立つ」ことが難しい競技だと認識しています。

DNF(Did Not Finish)

DNF(Did Not Finish)は、レースを途中で放棄する棄権方法(途中棄権扱い)です。

DNFの主な原因

・コース上での事故(転倒、足首をひねった)によりケガをした

・もともとケガをしており、悪化してしまった

・体調不良(熱中症や脱水症、低体温症など)

・練習不足で関門を通過できなかった

無事、スタートできたものの、レース途中でのケガや体調不良により、これ以上の走行が困難な場合に該当します。

特に、レース本番は普段と違う環境、かつ天候で行われます。

「雨の日は絶対にトレーニングをしないと決めている」場合、仮に、レース当日が雨予報の場合、ウェアが濡れた状態で走ることに慣れていないため、低体温症など体調不良になる恐れがあります。

いわゆる、「準備不足」というやつです。

また、コース各所に設置された「関門(かんもん)」を通過できなかった場合も「DNF(途中棄権扱い)」となります。

レースは公道を規制して行われる事が多く、交通状況の関係で、コース各所に「関門」が設けられています。

関門には規定時間があり、時間内に通過できないと「失格」になるため、事前に大会HPにて確認しましょう。

下記のように、コースマップ上に関門の場所と閉鎖時刻が記載されています。

引用元:第8回水戸黄門漫遊マラソン公式サイト

途中棄権(DNF)の割合

参考までに、各主要大会のDNFの割合※を記載します。

大会名DNF率
北海道マラソン2022約10.4%
東京マラソン2021約4.1%
第7回水戸黄門漫遊マラソン約12.3%
第17回湘南国際マラソン約6.5%
横浜マラソン2022約7.9%
富山マラソン2022約4.4%
金沢マラソン2022約3.5%
京都マラソン2020約6.1%
第9回大阪マラソン約4.2%
神戸マラソン2022約3.9%
おかやまマラソン2022約8.4%
高知龍馬マラソン2020約7.6%
福岡マラソン2022約4.2%
鹿児島マラソン2019約5.4%
第36回NAHAマラソン約32.3%

※レース当日の天候(天気、風)、そして各ランナーのコンディションによって、例年、多少の変更(DNF率)はあります

ご覧のように、完走率100%の大会は存在せず、最後まで走りれない方は一定数います。

なので、「リタイアするのが怖い」とは思わず、レースに臨んでください。

途中棄権(DNF)する方法

1. ケガや体調不良の場合

ケガや体調不良など、自身のコンディションの低下により競技が続けられない場合は、コース外に出て、競技終了となります。

運営スタッフに「棄権する」旨を伝えなくても、競技を止めることはできます。

あとは、大会が用意した「収容バス」や「収容車」に乗り込む、または「徒歩」で、フィニッシュ地点に戻る形になります。

収容バスや収容車は、(下記の図のように)「関門」や「リタイアポイント」に用意されています。

引用元:第8回水戸黄門漫遊マラソン公式サイト

そのため、(フィニッシュ地点まで”徒歩”で帰れない距離で)棄権する場合は、頑張って「関門」や「リタイアポイント」まで向かうことをおすすめします。

また、棄権した位置がフィニッシュ地点に近ければ、車に乗り込まず、徒歩で向かうこともできます。

メモ

私が「さいたま国際マラソン」でDNFしたときは、バスに乗り込む際、500mlの水とひざ掛け(寒さ対策)が配られました。バス横には簡易トイレも完備されていたので、トイレが近い方も安心です

収容バスや収容車に乗り込む際の注意点

収容バスや収容車でフィニッシュ地点まで移動することを選択した場合、「関門」の規定時間が過ぎるまで、車は出発しないので注意しましょう。

当然、「関門」の規定時間まで他のランナーが走っているため、公道は閉鎖されています。

(規定時間が過ぎてから、)関門を封鎖後、関門を通過できなかったランナーをコース外に移動させ、ようやく車が出発します。

人によっては30分〜1時間ほど車で待機することになるため、”暇つぶし”として、スマートフォンを持っておくと安心です。

2. 関門を通過できなかった場合

関門が閉鎖されると、ランナーは競技を続けることはできませんので、自動的にDNFとなります。

関門にいる運営スタッフの指示に従い、収容バスや収容車に乗り込み、フィニッシュ地点まで移動となります。

また、競技終了時間に合わせ、最後尾を走行するリタイア者回収バスが運行している場合があります。

リタイア者回収バスに追いつかれた場合は、関門時刻前でもDNFとなり、競技を続行できません。

DNFを乗り越えるための5つのステップ

それでは、実際にDNFしたあと、落ち込んだ気持ちを持ち直すための方法を紹介します。

  1. DNFを受け入れる
  2. レースを分析する
  3. 焦らず、まずは身体を回復させる
  4. 次の目標を決める
  5. トレーニングを開始する

1. DNFを受け入れる

数ヶ月にわたりトレーニングを行い、1週間前から当日に向けて調整したにも関わらず、「目標のタイムで完走する」どころか、「完走すらできなかった」自分に”腹が立つ”かもしれません。

家族や友達、同僚に「フルマラソンを走る」ことを伝えたが、結果が結果なだけに伝えづらいかもしれません。

少し時間がかかっても良いので、今回の結果を受け入れましょう。

フラストレーションを溜め込むのではなく、(他の人に迷惑をかけなければ、)感情的になっても良いので、吐き出してください。

DNFしたランナーは自分だけではありません

先述の通り、各大会のDNF率は低くて3%、中には10%を超えています。

それだけ、あなただけでなく、他のランナーもDNFしています。

どれだけ速いランナーも、あなたと同じくらいの頃、DNFを経験し、今のレベルまでステップアップしているかもしれません。

「失敗は成功のもと」という言葉があるように、「たった3〜10%のランナーしか経験できない」今回の体験を活かし、次へと繋げましょう。

2. レースを分析する

自分の走りを分析して、何が悪かったのか”原因”を突き止めましょう。

下記が、一例です。

・途中で下痢気味な症状でお腹が痛くなってしまった
→ 前日から当日のご飯が原因?

・目標を達成するため、前半飛ばしすぎて、後半バテてしまった
→ 自分の実力以上の目標を設定したのが原因?

・時間内に関門を突破できなかった
→ 練習不足が原因?

・脱水状態になってしまった
→ しっかり水分補給ができなかったのが原因?

・もともと足に痛みがあったのが、悪化してしまった
サポーターやテーピングで固定しなかったのが原因?

・エネルギー切れで、走る気力が湧かなかった
→ 手持ちの補給食の数が少なかったのが原因?

・気分が悪くなってしまった
→ 練習時に試食せず、ぶっつけ本番でジェルを食べたことが原因?

・靴擦れを起こしてしまった
→ 練習時に履かずに、レース本番で初めて履いたシューズで走ったことが原因?

・レース後半、身体が冷えてしまった
ホットクリームワセリンを塗ったり、防風性や撥水性のあるウェアを着用しなかったのが原因?

・大雨による身体の冷えで、低体温症になってしまった
→ 防水性能の高いジャケットポンチョを着用しなかったのが原因?

このように、人それぞれ、思い当たる節があると思うので、忘れないうち(レース当日、もしくは翌日まで)にノートやパソコンに書き出しましょう。

身近にランナーがいるなら、話し合うと良いでしょう。

3. 焦らず、まずは身体を回復させる

次のレースに向け、「練習をしなければ」と焦る気持ちは分かります。

ですが、肉体的にも、精神的にも疲労しているため、まずは身体を回復させましょう。

足を痛めていたり、体調不良でリタイアしたのなら、なおさらです。

数日〜数週間休み、身体が完全に回復した状態で、再び走り始めましょう。

休んでいる間は、「マラソン」のことを一切忘れることで、よりリフレッシュできます。

4. 次の目標を決める

  • 「再び、レースに出場してリベンジする!」
  • 「もうマラソンは走らない!」

と、それぞれの考えがあると思いますが、リベンジを選択したなら、次の目標を決めましょう。

「5時間以内に完走する」と以前より速いタイムを設定するのもよし、以前と同じ「5時間30分以内に完走する」でも良いでしょう。

目標を設定しないと、途中でダラケてしまい、再びリタイアとなり兼ねません。

次は笑顔で終えられるよう、しっかり準備しましょう。

5. トレーニングを開始する

目標を決めたら、トレーニングを開始しましょう。

「2.レースを分析する」で分析した内容をもとに、自分に足りない”点”を補いましょう。

トレーニングの考え方をまとめたので、気になる記事をご覧ください。

また、各目標タイムごとの練習方法をまとめています。

目標タイム別 練習方法

まとめ

今回は、リタイア(DNF)について解説しました。

DNFした方はDNFしたことを受け入れ、次のレースに向け、リベンジしましょう。

ぜひ、次こそは”笑顔”で終えられるように、応援しています。

本日は以上です。

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初めてフルマラソン出場する方を対象に、下記の内容が分かります。

マラソン大会の選び方

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Yusuke Saito
Yusuke Saito
マラソンランナー
初心者のためのマラソンブログ「31らん(さいらん)」運営者。2018年6月にランニングを始め、年間2,500km走ってます。これまでの記録は、【フルマラソン】 4:06:27(第32回ぐんまマラソン) 【ハーフマラソン】 1:46:18(第39回フロストバイトロードレース)【10キロ】42:47 【5キロ】19:08 【1キロ】3:17 マラソン大会に向けた流れやトレーニング方法、ランニンググッズを紹介していきます。
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