マラソン当日の過ごし方!起床・朝食・会場到着のベストタイミング完全ガイド
 
	
初めてのフルマラソン、当日の過ごし方が不安
そんな疑問にお答えします。
初めてフルマラソンに出場する場合、1日の流れが見えず緊張してしまいますよね。
- 何時間前に起きればいい?
- 朝食は何を食べればいい?
- 会場に着いたらまず何をする?
私も最初の大会は緊張でバタバタし、細かいことをあまり覚えていません。
ただ、経験者と一緒だったおかげで大きな失敗は防げました。ひとり参加だと不安も大きいと思います。
そこで、フルマラソンを10回以上完走してきた筆者の経験から、当日の流れをまとめました。
大会前日の最終チェックにも使ってください。
これから大会を迎える方や前日に最終確認したい方は、上記のタイムラインを目安に自分のスタート時間へ置き換えて調整してみてください。
関連記事:フルマラソン1週間前の過ごし方!食事や練習メニュー紹介
関連記事:フルマラソン前日の過ごし方!やってはいけない4つのこと
起床・朝食(レース開始4時間30分前)

起床はスタート4時間以上前

(後述しますが)朝食を摂るタイミングを考えると、レース開始の4時間以上前に起床するのが理想的です。
たとえば、スタートが9:00の場合は、5:00に起きることになります。
普段から5時台に起きている人であれば問題ありませんが、日頃7〜8時に起きている人は要注意です。
マラソン当日だけ急に早起きしようとしても、身体が目覚めず、朝食がうまく食べられなかったり、体調が整わないままスタートを迎えてしまうことがあります。
そのため、レースの1週間前から「当日と同じ時間」に起きる習慣をつけておくことが大切です。
徐々に早起きリズムを作っておくことで、体内時計が整い、当日も自然にスッキリと目を覚ますことができます。
関連記事:マラソン当日の起床時間の目安と決め方!スタート3〜4時間前が目安【タイプ別例あり】
朝食はスタート3時間前まで

朝食はレース開始の3時間前までに済ませるのが基本です。
もし胃の中に食べ物が残ったままスタートすると、腹痛や胃の不快感を引き起こしやすく、思うように走れません。
3時間ほど経つと胃が空になり、消化も終わってエネルギーがしっかり血中に行き渡っています。
この状態が、まさに「走るのに最適なコンディション」です。
朝食は、糖質(ご飯・パン・うどん・餅)を中心に、あとはビタミンが摂れる果物(ジュースでも可)など、消化に良いものを食べましょう。
- 主食(糖質)を中心に:ご飯・パン・うどん・餅など
- ビタミン補給に果物や果汁100%ジュースをプラス
- 消化に良いものを選ぶ(脂っこいもの・食物繊維が多いものは避ける)
- 量は腹八分目が目安。食べ過ぎるとスタート時に胃が重く感じます。
下記が例です。
- おにぎり1〜2個、餅1〜2個など
- バナナ1本
- 果汁100%オレンジジュース
糖質(白米・うどん・餅など)はやや多めにして、体にエネルギーをしっかり蓄えておきましょう。
また、トップ選手のレース当日の食事例が本で紹介されていましたので、こちらも併せてご覧ください。
| 選手名 | 所属 | レース4時間前の朝食内容 | 
|---|---|---|
| 相澤晃 | 旭化成 | おにぎり2個、サンドイッチ、フルーツジュース、バナナ(必要に応じて) | 
| 吉田祐也 | GMOインターネットグループ | おしるこ、おにぎり2個、みそ汁 | 
朝は準備で慌ただしくなるため、前日に作り置きしておくか、コンビニであらかじめ購入しておくのがおすすめです。
関連記事:フルマラソン当日の朝食のポイント!おすすめの食事メニューや補給の流れは?
朝食は「消化に悪いもの」を避ける

マラソン当日の朝食では、消化に悪い食べ物や飲み物を避けることがとても大切です。
せっかく調子が良くても、胃腸トラブルやトイレによるタイムロスで本来の力を発揮できないことがあります。
下記の食べ物は、レース当日は避けましょう。
| 種類 | 具体例 | 理由 | 
|---|---|---|
| 食物繊維が多いもの | サラダ、きのこ類 | 消化が遅く、便意を催す原因になる | 
| 脂質が多いもの | 揚げ物、ベーコン、ソーセージ | 胃もたれや腹痛の原因になる | 
| 生もの | 刺身、卵かけご飯 | 食あたり・腹痛のリスクがある | 
| カフェイン入り飲み物 | コーヒー、烏龍茶、エナジードリンク | 利尿作用が強く、トイレの回数が増える | 
関連記事:フルマラソン前日の食事のポイント解説!コンビニでおすすめメニューは?
準備(レース開始3時間前)

事前にレースウェアを着用して出発しよう


できる限り、ソックスやハーフパンツなど当日着用するウェアを身につけて出発しましょう。
その理由は、会場に更衣室がない場合や、更衣室があっても混雑している可能性が高いためです。
とくに大規模大会では、更衣スペースがすぐ満員になります。
そのため、自宅や宿泊先で着替えを済ませてから会場入りするのが基本。
実際に多くの大会でも、「自宅または宿泊先で着替えてから来場してください」と案内されています。
大通公園内にテントを用意しますが、広さに限りがありますので、できるだけ着替えの少ない服装でお越しください。
なお、長時間の利用は避け、着替えが終わったらすみやかに更衣テントの外に出てください。
着替えの場所として、スタート地点、フィニッシュ地点周辺に男女別の更衣スペースを設置します。ただし、スペースに限りがありますので、できるだけスタート会場に来る前に更衣を済ませてください。
荷物を預ける場所、着替える場所いずれもご用意がありません。あらかじめ動きやすい服装で、荷物も常に身に着けられる程度にまとめてお越しください。
天候に合わせて、現地での着替えを最小限にできる装いで出発しましょう。
暑い日(汗対策を優先)
- 出発時:ソックス・ハーフパンツを着用
- 上は:移動中に汗で濡れやすいので、半袖ウェアは会場で着替える
寒い日(防寒と手早さを両立)
- 出発時:ソックス+ハーフパンツ or ロングタイツを着用し、その上に普段着(防寒着)を重ねる
- 上は:アンダーウェアを事前に着用し、半袖シャツは会場で着替える
 → 現地では“上だけサッと替える”形にするとスムーズ
天候が不安定な日
- 会場到着後に最新の天気予報を確認してから最終の着替えをするのもOK
- ウィンドブレーカーや薄手レインウェアを畳んで携帯しておくと安心
アスリートビブス・計測チップは出発前に装着!
自宅や宿泊先を出る前に、以下を確実に済ませましょう。
- アスリートビブス:当日着るウェアの前面に装着
- 計測チップ:当日履くシューズに装着(靴紐で固定・指定方法に従う)




会場で装着しても問題はありませんが、到着後は荷物預け・トイレ・整列などやることが多く、「家で付けておけばよかった…」となりがちです。
交通遅延や渋滞で到着が遅れると、装着忘れのリスクも増大します。
42.195kmを走り切るには、心に余裕を持ってスタートラインに立つことが大切です。事前にできる作業は、必ず前倒しで済ませましょう。
関連記事:【実費レビュー】アシックス ゼッケンスナップとは?ウェアに穴開けたくない人必見
日焼け止めクリームを塗ろう

夏〜秋の時期はもちろん、冬のレースでも「日焼け止めクリーム」は必須です。
冬でも紫外線量は意外と多く、3〜7時間も屋外で走り続けるフルマラソンでは一気に日焼けしてしまいます。
キャップやサングラス、長袖シャツを着用しても、すべての箇所をカバーするのは難しいものです。
そのため、少しでも肌へのダメージを減らすために、「顔」「首」「腕」など、日焼けしやすい箇所にしっかり日焼け止めを塗っておきましょう。
特に以下のポイントを意識すると効果的です。
汗や水分で落ちやすいので、ウォータープルーフタイプを選ぶのがおすすめです。
また、スタート前にもう一度塗り直すと、レース中の紫外線対策がより万全になります。
擦れ対策は「ワセリン」+「ニップシール」が鉄板

フルマラソンのように長時間走ると、乳首・股・脇・肩などがウェアと擦れて痛み、ひどいと出血することも。
レースに集中できなくなる前に、事前の予防を徹底しましょう。
乳首/脇/股(内もも・股ずれしやすい箇所)/肩(ザックやウェアの縫い目が当たる所)
→ ワセリンを薄く広く塗って、肌に油膜を作る。摩擦を大きく減らせます。
乳首はワセリン+ニップシール(またはキネシオ・紙テープ)で“二重バリア”にすると安心。
| 種類 | 特徴 | 
|---|---|
|  ワセリン | 無香料・大容量タイプでOK(小分け容器に移して携帯) | 
|  スティック型の皮膚保護バーム | 手が汚れにくく便利 | 
関連記事:【実費レビュー】ボディグライド Bodyの性能とは?ランニング中の擦れ対策に最適な皮膚保護バーム
関連記事:ランニング中の擦れ対策!摩擦による擦れが起こる原因と擦れを防ぐ方法
事前に「筋肉痛対策」をしておこう


フルマラソンを完走すると、日常のトレーニング以上の負荷が体にかかり、特に肩まわり・太もも・ふくらはぎ・もも裏・お尻などに強い筋肉痛が現れます。
そんな筋肉痛の軽減に役立つのが、ファイテン パワーテープです。
「チタン(炭化チタン)」や「アクアチタン」がコーティングされたテープ
貼るだけで筋肉のこわばりをやわらげ、疲労を軽減する効果が期待できます。
マラソン前に「筋肉痛になりやすい箇所」に貼っておくことで、翌日の痛みを軽減し、レース後の回復も早くなります。
レース後に貼っても効果はありますが、レース前から貼っておくのがよりおすすめです。
部位によっては、「首まわり → 呼吸がスムーズに」「腕 → 腕振りがしやすくなる」といったパフォーマンス面のサポートも期待できます。
関連記事:フルマラソンにおすすめファイテン パワーテープ!ランナーに最適な貼る場所は?
移動・会場到着(レース開始2.5時間前)

会場入りは「開始1.5時間前」が理想(遅くとも1時間前)

レース開始1.5時間前(遅くても1時間前まで)には、会場に到着しておきましょう。
電車は遅延、車は渋滞や交通規制が起きやすく、余裕を見て行動するのが安全です。
- 遅延情報を事前確認(人身事故・地震等に注意)
- 乗換えルートを事前登録(アプリで代替ルートも用意)
- 会場までの道中で食料を買うなら、寄れるコンビニの場所を把握
- 大会当日は混雑で、予定の電車に乗れないこともある
- 渋滞・交通規制(通行止め)の有無を確認
- 休憩や買い物は、駐車可のコンビニを事前にメモ
- 会場付近の駐車場を複数候補で把握(満車対策)
会場に着いたら、やることは意外と多いです。
着替え・荷物預け・補給・トイレ・整列…と、すべてこなすには早めの行動が鉄則。
なかでも荷物預けはスタート時刻が近づくほど混雑するため、最優先で済ませましょう。
当日に食べ物を買う際の注意点

朝に時間がない/食欲がない場合は、移動中や会場到着後に食べるのもOKです。
コンビニは品揃え豊富で、レース前の補給に最適な「おにぎり」「バナナ」「カステラ」「エネルギーゼリー」「飲み物」など、何でも売っています。
ですが、会場周辺のコンビニは多くのランナーが立ち寄るため、混雑している可能性が高い点に注意が必要です。
- 会場周辺のコンビニはランナーで在庫が枯れやすい(棚が空になることも)。
- 自宅近くで購入して持参、もしくは前日までに買っておくのが安心。
※前泊の人は、会場から離れた店舗での購入がおすすめ。
当日購入する方は、自宅近くのコンビニで購入(もしくは、事前購入)しておく※と安心です。
関連記事:【ランナー必見】コンビニで購入できる補給食|フルマラソン時のエネルギー補給におすすめ
会場到着後の準備(レース開始1.5時間前)


準備するために場所を確保する


多くのランナーは手荷物を預けるため、「手荷物預かり所」周辺でスタート前の準備を行います。
着替え、エネルギー補給、ストレッチ、音楽を聴いて気持ちを落ち着けるなど、レースまでの時間を上手に使いましょう。
このとき便利なのがレジャーシートです。
荷物を地面に置く際、直接置くと汚れや砂が付きやすいため、レジャーシートを1枚敷くだけで快適に準備ができます。
靴を脱いで着替えるときにも重宝します。
関連記事:マラソン当日の着替え場所ガイド!公式更衣室・屋外・車・近隣施設の使い分け
会場で決める、当日のウェア

自宅(または宿泊先)では、ソックスやハーフパンツまで着用し、Tシャツ(上着)は会場で判断するのが安全です。
理由はシンプルで、“今の気温”と“この後の天候”を現地で確認してから決めたほうが失敗しにくいから。
- 天候は「曇り→晴れ」「晴れ→雨」など、スタートまでに変わることがあります。
- 厚着は脱げば調整できますが、薄着は足せません。
- 雨や風で体温が奪われると、低体温症のリスクが高まります(夏〜秋でも要注意)。
関連記事:暑い日(夏)のマラソン大会の服装は?おすすめアイテムやコーディネート解説
関連記事:冬のマラソン大会の服装は?おすすめアイテムやコーディネート解説
関連記事:雨の日のフルマラソンの服装|悪天候時ゴールにたどり着く19のヒント
更衣スペースで着替え


会場には更衣室が用意されていることが多いものの、空間には限りがあり混雑しやすいのが実情です(大会によっては更衣室自体がない場合もあります)。
そのため運営からは、「できるだけ自宅や宿泊先で着替えを済ませてから来場を」と案内されることがほとんどです。
可能であれば、ソックスやタイツ、ハーフパンツなどは事前に身につけておき、上だけ会場で決めると準備がスムーズに進みます。
男性であれば、半袖Tシャツは当日その場で着替える人も多く見られます。
外での着替えが気にならない場合は、周囲の迷惑にならない場所を選び、マナーに配慮して行いましょう。
エネルギー補給は「1時間前〜30分前」に整える


スタート前の最後の仕上げは、エネルギー補給です。
目安はレース開始の1時間前〜30分前。固形物は早めに、液体やゼリーは直前寄りにすると胃に優しく入ります。
- バナナ 1本
- カステラ 2切れ
- ようかん 1個
- エネルギーゼリー 1個
- 果汁100%オレンジジュース
※ すべて摂る必要はない
たとえば、バナナやカステラ、ようかんといった消化の良い固形物は1時間前までに。
仕上げとして、エネルギーゼリーやサプリメントを30分前までに摂るイメージです。
量は無理に増やさず、食べ慣れたものを必要な分だけ。初めての補給食は本番で試さないほうが安全です。
関連記事:フルマラソンにおすすめの補給食15選【サブ3.5、サブ4、サブ5向け】
荷物を預ける前に、仕上げの最終チェック



日焼け止めやワセリン、パワーテープ(テーピング)は、自宅や宿で済ませていればそのままで大丈夫です。
まだなら、荷物預けの前に必ず塗布・貼付を。
ワセリンは脇・首周り・太ももの付け根・足指など、擦れやすい部位に薄く広げると効果的です。
気温対策もこのタイミングで整えます。
暑い日は冷感クリームを首筋や前腕、ふくらはぎなどに薄く塗ってクールダウンを。
↓ 冷感クリーム


寒い日は温感クリームを太ももやふくらはぎ、腰回りに軽く伸ばして、スタート待機中の冷えを和らげましょう。
↓ 温感クリーム


どちらも塗りすぎはベタつきや刺激の原因になるので“うすく”が基本です。
仕上げに、手のひらや指先のクリームをしっかり拭き取り、シューズの結び直し・ビブスと計測チップの装着・補給食のポケット位置を確認。
ここまで終わったら、迷いなく荷物を預けに行きましょう。
関連記事:【実費レビュー】ファイテン EXTREME クールジェルの性能とは?肌に塗る暑さ対策グッズ
関連記事:【実費レビュー】クリオ パフォーマンス ホットジェルの性能とは?寒い時期のランニング・マラソン時に活躍する温感クリーム
会場到着後、こまめに水分補給を

会場に着いたら移動中も含めて意識してこまめに水分を取りましょう。
レース当日は緊張で喉の渇きに気づきにくく、気づいたときにはすでに不足していることがよくあります。
体が一度に吸収できる量には限界があるため、一気飲みは逆効果。
15〜30分ごとに、コップ1杯の半分ほど(目安150ml)を静かに口に運ぶくらいがちょうどいいペースです。
こうした“刻み飲み”が、レース中の脱水を確実に防いでくれます。
飲むものは水でも構いませんが、経口補水液がより実用的です。
水分と電解質を同時に補えるため、体内に水分をとどめやすく、結果的に喉の渇きに振り回されにくくなります。
人によっては、むやみに水だけをがぶ飲みするよりトイレに駆け込む回数を抑えやすいと感じるはず。
スタートまでの待機時間は長くなりがちです。
並んでいる間も、少しずつを意識して、走り出す前から適正な“うるおい”を保っておきましょう。
関連記事:ランニング初心者のための水分補給ガイド!おすすめの飲み物や水分補給のタイミングは?
フルマラソンで「ゆっくり走る/歩きも想定」する人の持ち物

タイムを気にせず、ゆっくり走る(歩きも含む)予定の方は、リュックやウエストポーチを用意しておきましょう。
その中に、次のアイテムを入れておくと安心です。
- スマホ
 連絡・写真・音楽用。大会によっては携帯が義務の場合あり。携帯方法を事前に決めておく。
- お金/交通系IC
 基本は使わないが、リタイア・緊急時の移動に安心。
- 補給食(ジェル/ゼリー)
 数個は自前で。大会補給は数に限りがあり、食欲が落ちてもゼリーなら入れやすい。
- 塩タブレット/塩飴
 後半の塩分不足対策。前半から少量ずつがコツ。
- ポケットティッシュ
 鼻水・手の汚れ・トイレ紙切れ対策。
- モバイルバッテリー
 音楽・撮影で電池消耗が早い人は必携。
- ばんそうこう
 転倒・靴ずれ対策。かかと用もあるとベター。
- 冷却スプレー
 足の痛み軽減。救護所に行くまでの応急処置に。
- 薬(頭痛薬・整腸薬など)
 体質に合わせて最小限。
- ジップロック
 スマホ・紙幣・カードの防水。雨天は特に有効。
- 目薬
 乾きやすい人・コンタクト使用者に。強風日は助かる。
- アームカバー/手袋
 歩くと汗冷えで体温が下がりやすい。着脱しやすさ重視。
- 使い捨てカイロ
 寒冷時のスタート待機や歩行時に。低温やけどに注意。
- ホットクリーム
 温感で冷え対策。足・腹・首などに薄く。
- イヤホン
 大会規定で着用可の場合のみ。安全最優先で音量は控えめ。
「長丁場になる前提」で、体温維持・エネルギー補給・緊急対応の3点セットを準備しましょう。
自分の体質と当日の天候に合わせて取捨選択しましょう。
関連記事:フルマラソンレース中に歩く予定の方は必見!準備しておきたい持ち物を紹介
レース中に音楽は聴ける?

結論、大会ごとにルールが異なるため、必ず各大会の「競技規約」を確認しましょう。
多くの大会は「日本陸上競技連盟(JAAF)の競技規則に準ずる」としており、原則は以下の考え方です。
エリートランナーやその他のカテゴリーで出場する競技者が完全閉鎖されたコースで走っている時にはヘッドまたはイヤホンを使用することを許可するにしても、交通規制が解除された後は、走るスピードが遅いランナーに対しては使用を禁止する(少なくとも推奨しない)。
- 完全に交通を遮断したコースでは、ヘッドホン・イヤホン使用を認める場合がある。
- 交通規制が解除された区間や、歩行を含む低速帯では、使用を禁止(少なくとも推奨しない)。
多くの都市型マラソンでは区間ごとに交通規制が入るため、一律に「禁止」とは限りません。
ただ、大会HPで「イヤホン禁止」と明記されていれば従う必要があります。
判断に迷う場合は、各大会の「競技規約」や「よくある質問」を確認しましょう。
参考までに、イヤホンの記載のあった大会を紹介します。
- 東京マラソン:イヤホンやヘッドホンの使用は周囲の音が聞こえなくなるため大変危険です。使用する場合は、周囲の音が聞こえる音量もしくは片耳をあけるなど対策をお願いします。
- 富山マラソン:レース中、コース内を緊急車両が走行したり、視聴覚に障がいのあるランナーが走路確保を呼びかけたりする場合があるため、イヤホンは片耳での装着をお願いいたします。
- 金沢マラソン:審判やスタッフの指示が聞こえない状態でのイヤホン(ヘッドホン)の使用はご遠慮ください。
- 新潟マラソン:主催者のアナウンスや緊急車両のサイレンがイヤホン等で聞こえない状態での出走。
- 長野マラソン:イヤホンで音楽などを聞きながらの走行は危険ですのでご遠慮ください。ぜひイヤホンをはずして、沿道の声援を浴びながら走ってください。
- 京都マラソン:緊急時にランナーストップとなる場合があります。スタッフの指示が聞こえるようにご協力ください。
- 岡山マラソン:他の参加ランナーや応援者を不快にさせたり、危険な行為であると審判員が判断した場合、競技中止を指示することがあります。また、両耳をふさぐイヤホンを付けての走行は危険ですので、ご遠慮ください。
- 高知龍馬マラソン:イヤホンでの音楽を聴きながらの走行は、周囲の音が聞こえず危険です(救護車両や緊急車両等が通ります)ので、お控えください。
- 青島太平洋マラソン:イヤホンの装着はOKです。但し、2018年大会で心肺停止事例が発生した際、イヤホン装着ランナーが後方から駆け付ける救護班の声に気付きにくいという状況がありました。そこで青島太平洋マラソンは「イヤホン片側装着」をお願いすることとしました。
- さが桜マラソン:イヤホン利用は片側装着など周囲の音が聞こえるようにし、救護活動等を妨げないようご協力をお願いします。
イヤホンに関する記載がある大会の多くは、「片耳のみ」や「周囲の音が聞こえる音量」での使用であれば可としています。
イヤホン着用に関する記載がない大会の場合は、大会の運営事務局に直接問い合わせて確認しましょう。
関連記事:マラソン中に音楽を聴く(イヤホン着用)のはOK?大会ルールとメリット・注意点まとめ
忘れ物をしてしまっても、会場で販売されている場合も




忘れ物をしてしまっても、会場内の物販ブースで購入できる場合があります。
ランニングウェアやソックス、エネルギージェル・ゼリーなどが販売されることがあります(※大会によって異なるため、公式サイトで事前にご確認ください)。
万一忘れた場合は、会場の物販ブースを活用しましょう。
ウォーミングアップは何をすればいい?

エリートランナー(サブ2.5〜サブ3)は、スタート直後からトップスピードで走るために、ジョギングや流しでしっかり体を温めてからスタートラインに立ちます。
一方で、サブ3.5〜サブ6を目指す一般ランナーの場合、レース前に動きすぎるとスタート前に余分なエネルギーを消耗してしまうことがあります。
そのため、軽めのストレッチ程度で十分です。
- ふくらはぎ:長時間走ると最も負担がかかる部分。軽く伸ばしておきましょう。
- 太もも(前後):大きな筋肉をゆるめると動きがスムーズになります。
- 股関節:可動域を広げてフォームの安定につなげましょう。
- 肩まわり:力みを取って腕振りをスムーズに。
関連記事:レース前のウォーミングアップ方法!フルマラソン前にジョグをする必要がないワケ
荷物預け(レース開始45分前)

最後まで忘れ物がないか確認しよう


準備が終わったら荷物預けに向かいましょう。
大会によっては荷物預け自体がない場合もあるため、事前確認が必要です。
預け方は「指定された袋に入れる」か「指定なし」の2タイプがあり、前者は袋に収まらない荷物は預けられません。
特に冬はアウターなどでかさばりやすいので、袋のサイズを事前に確認しておくと安心です。
なお、一度預けた荷物はフィニッシュまで受け取れないため、スタートからゴールまで必要なものは身につけるかポーチに入れて携行しましょう。
☐ ウェアにアスリートビブスは付いている
☐ 計測チップをシューズ(またはビブス指定位置)に装着済み
☐ 補給食(ジェル/ゼリー)を携帯
☐ スマートフォンを携帯(防水対策やICカードも)
☐ キャップ/サングラス/GPSウォッチ/イヤホン(大会規約の範囲で)
☐ 日焼け止めを塗布
☐ 擦れ対策(ワセリン等を脇・太もも内側・足指などに)
☐ 水分・エネルギー補給をスタート前に適量済み(飲み過ぎ注意)
貴重品はどうすればいい?
貴重品(スマホ・お金・カード類・家の鍵など)の管理は原則自己責任です。
荷物預けがある大会なら他の荷物と一緒に預けても構いませんし、ウエストポーチ等で携帯して走るのも一つの方法です。
いずれにせよ、当日になって迷わないよう事前に方針を決めておきましょう。
車に置いていく(車で来場する場合)
盗難防止のため、見える場所に置かない・ドアロック厳守。
最寄り駅のコインロッカーに預ける(電車で来場)
終了時刻までの利用可能時間を確認。
宿泊施設に預ける(宿泊利用)
フロントの預かり可否を事前確認。
知人に預ける(応援者がいる場合)
受け渡し場所・時間を決めておく。
すべて携帯する(ウエストポーチ/ランポーチ)
揺れにくいものを選び、防水対策(ジップ袋等)も。
大会の荷物預けに入れる
指定袋のサイズに収まるか事前チェック。フィニッシュまで取り出せません。
最近はキャッシュレス決済が普及しているため、会場では現金・クレカを持たない選択も有効です。
その場合は、「スマホ」「交通系ICカード」「家(車)の鍵」のみ携帯すればOK。紛失リスクと荷物量を減らせます。
レース直前にもう一度、貴重品の所在を確認してからスタートしましょう。
指定された場所に預けよう




手荷物は、アスリートビブス番号の下一桁の数字に対応するエリアに預けます。
例えば、番号が「12345」の場合は「5番エリア」に預けるといった形です。
レース開始が近づくと、荷物預け所は混雑して列ができやすくなります。
そのため、準備がすべて整った段階で早めに荷物を預けておくのがおすすめです。
慌てずスタートを迎えられるよう、スタート時刻から逆算して行動しましょう。
関連記事:マラソンの荷物預け完全ガイド!当日の動線と失敗回避チェック
トイレ(レース開始35分前)

レース開始が近づくほどトイレは混雑し、10〜20分待ちは珍しくありません。
大規模大会でも個室は足りず、「いつでも空いている」は通用しないと心得て、待つ前提で早めに行動しましょう。
また、スタート整列は先着順のため、ギリギリまでトイレに並んでいると後方スタートになり、記録狙いの人は大きなタイムロスにつながります。
コース上にもトイレはあります。我慢できるなら、比較的空きやすい「5km以降」を目安に利用するのが得策です(1〜2km付近は混雑しがち)。
当日は、スタート時刻から逆算して行動し、アップや補給の合間に余裕をもって済ませることを意識しましょう。
関連記事:マラソンのトイレ問題を完全対策|レース前・レース中に失敗しない方法とは
整列(レース開始20分前)

整列は事前に決められた場所に並ぼう

整列は、エントリー時に申告した予想タイムをもとに割り当てられたブロックで行います。
アスリートビブスに記載の「S/A/B/C…」を確認し、同じ記号のブロックへ並びましょう。

大会ごとに異なりますが、レース開始の約1時間前から整列できるケースが一般的です。
下記はブロックごとの整列の様子です。



待機時間の過ごし方

(大会にもよりますが)整列完了からスタートまで約10〜30分の待機が発生します。
例として北海道マラソン2023では、第1ウェーブが8:10整列完了 → 8:30スタートのため、約20分待機。
さらにA→B→C…の順にウェーブスタートするため、後方ブロックほど+10〜20分ほど余分に待つ可能性があります。
そのため、待機中の過ごし方を考えておきましょう。
- 暑さ対策:直射日光を避け、日陰で待機。こまめに水分を一口ずつ(飲み過ぎはNG)。
- 寒さ対策:携帯カイロやポンチョで体温をキープ。風が強い日は特に首・腰まわりを温める。
- 簡易カッパの裏ワザ:45Lのゴミ袋に首・腕用の穴を開ければ即席ポンチョに。スタート直前に外して給水所のゴミ箱へ捨てられ、荷物になりません。
- 軽い可動域づくり:その場でできる肩回し・股関節回し・足首回しなどの静的~軽い動的ストレッチで“冷え固まり”を防ぐ。
- 気持ちの準備:スタート直後のペースや補給のタイミングを再確認。スマホでコース図や関門時間をチェック。
- 行動の段取り:最終トイレ→整列→待機の順を意識。ギリギリのトイレは後方スタートの原因になりがち。


スタート待機の防寒には、45Lのゴミ袋を即席カッパとして使うのがおすすめです。
わざわざ雨具を買わなくても済み、スタート直前に外して給水所のゴミ箱に捨てられるので荷物になりません。
そのほか、スマホでコースや関門の最終確認、軽いストレッチ、周囲のランナーとの談笑など、過ごし方はいろいろ。
当日迷わないよう、事前に“待機時間のプラン”を決めておきましょう。
関連記事:雨の日のフルマラソンの服装|悪天候時ゴールにたどり着く19のヒント
レース開始

それでは、レースの様子を見ていきます。
グロスタイムとネットタイムとは

完走タイムにはグロスタイムとネットタイムの2種類があります。
- グロスタイム:号砲が鳴ってからフィニッシュするまでの時間。多くの大会で公式記録として扱われます。後方ブロックからのスタートほど、スタートライン到達までのロスが大きくなります。
- ネットタイム:自分がスタートラインを通過してからフィニッシュするまでの時間。資格記録(例:別府大分などの資格審査)を狙わないなら、目標はネットタイム基準でもOKです。
近年、スタート時の密集や転倒リスクを減らす目的で、ウェーブスタート(グループごとの時間差スタート)を採用する大会が増えています。
私が完走したちばアクアラインマラソン2024でもウェーブスタートが採用され、3つのグループに分かれ、5分間隔で時差スタートでした。
- 第1ウェーブ(A・B):9:50スタート
- 第2ウェーブ(C・D):9:55スタート
- 第3ウェーブ(E・F):10:00スタート
通常のスタート方式より混雑は緩和されていたため、スムーズにスタートを切ることができます。
ペース配分はイーブンペースかネガティブスプリットがおすすめ

レース展開は、大きく3つのペースに分かれます。
- イーブンペース: 終始同じペースで走る方法
- ネガティブスプリット: 前半は抑え、後半にペースを上げる方法
- ポジティブスプリット: 元気のある前半に貯金を作り、後半の失速を最小限に食い止める方法
結論から言うと、イーブンペースかネガティブスプリットが失敗しにくいです。
ポジティブは前半オーバーペースになりやすく、後半の大失速→目標未達になりがち。
抜かれ続ける展開はメンタル的にも辛いです。
一方でイーブンは練習で身についたリズムを再現しやすく、ネガティブは後半に余力が残りやすく「気持ちよく終われる」メリットがあります(抑えすぎは要注意)。
ペース配分は、普段の練習(ペース走など)で感覚を掴むしかないので、自分の最適のペースを見つけてみてください。
関連記事:マラソンのペース配分の目安!最高のレースを実現するためのレース戦略とは
レース序盤はオーバーペースに注意

レース本番は雰囲気や声援で気持ちが高ぶり、無意識にペースが上がりがちです。
コンディションも仕上がっているため、序盤ほどオーバーペースに陥りやすいことを忘れないでください。
序盤で“貯金”を作るより、余裕を残して中盤以降にじわ上げ。これが結果的に最短ルートです。
目標タイムを狙うならペースメーカーを利用しよう

ペースメーカー(ペーサー)は、目標タイムに合わせて集団を先導してくれるランナーです。
コースのアップダウンや当日の気温・風、スタート直後の混雑などを考慮しつつ、安定したペースで引っ張ってくれます。
「サブ4/サブ3.5/サブ5.5など明確な目標タイムがある」「序盤の上げ過ぎを防ぎたい」「ラップの確認に追われず、走りに集中したい」などの考えがある方におすすめです。
関連記事:マラソンのペースメーカーとは!ペーサーを利用するメリットと注意点
集団を上手に利用しよう

テレビや沿道で見るプロと同じく、一般ランナーでも集団走は大きな武器になります。
記録を狙うなら、状況に応じて活用しましょう。
ペースメーカー同様、「1人で走れない」「前の人に引っ張ってもらいたい」人は集団を利用しましょう。
レース中の水分補給について


コース上には数キロごとに給水所があり、水やスポーツドリンクが用意されています。
大量に汗をかくため、計画的な給水は必須です。
「のどが渇いた」と感じた時点で、すでに軽い脱水に傾いています。
基本は“すべての給水所でひと口以上”を目安にしましょう。
初マラソンの場合、「給水所」での水分補給のやり方が分からないと思うので、下記に記載します。
- (ドリンク入り)紙コップがテーブルに並んでいるので、好きなものを手に取る
- (紙コップの)ゴミは、給水所の先にゴミ箱が設置されているので、そこに捨てる


水分補給の目安は、15分に1回、150mlを目安に補給します。
「のどの乾き」がなくても、次の給水所まで距離が離れている場合があるので、必ず、コップ1杯飲むようにしましょう。
また、水を飲みすぎると「水中毒※」になる恐れがあるため、スポーツドリンクも一緒に補給しましょう。
※身体のダルさやめまいなどの症状があり、水のみを補給していると体内のナトリウム濃度が低下して起こる
関連記事:マラソンの給水はどうする?給水所の間隔や水分補給のコツを徹底解説
エイドステーションにはどんな食べ物あるの?

エイドステーションは、走行中に失われたエネルギーや水分を補給できる場所です。
- おにぎり/パン:主食系で手早くカロリー補給。
- バナナ:消化しやすく、糖質・カリウムを補える。
- 塩・梅干し:汗で失った塩分(ナトリウム)の補給に。
- スポーツドリンク・水:水分と電解質を同時に。
大会によっては、ご当地グルメが振る舞われることも。
旅ラン気分で楽しめますが、食べ慣れないものは少量からにしましょう。
なぜエネルギー補給が必要?
人は主に糖質と脂肪を燃料に走ります。
- 糖質:すばやくエネルギーに変換される
- 脂肪:エネルギー化に時間がかかる
体内に蓄えられる糖質は約1,500kcal程度。
一方、フルマラソン完走には約2,500kcalが必要とされ、約1,000kcalが不足します。
この「不足分+走行中に消耗する分」を、エイドや携行補給で埋めるイメージです。
詳しくは、マラソンのエイドステーションとは?初心者向けに補給内容・使い方を徹底解説で解説しています。
各自で補給食の用意をしておこう

エイドステーションでも補給はできますが、数に限りがあり、食べられないこともあります。
また、おにぎり・バナナ・ご当地グルメなど固形の補給が用意されない大会もあるため、自分で持つ補給食は必須です。
おすすめは、ゼリー/ジェルタイプの補給食。
小さく・軽く・飲みやすいのでポケットに入れておき、自分のタイミングで少量ずつ摂りましょう。
メーカーによって甘さ・粘度・飲み口が違うため、事前に飲み比べて相性の良いものを見つけておくのがコツです。
おすすめの補給食は、フルマラソンにおすすめの補給食15選【サブ3.5、サブ4、サブ5向け】で解説しています。
エネルギー補給のタイミングは?

ゼリー/ジェルは摂取してからエネルギーになるまで約30分かかります。
そのため、「のどが渇いた・力が落ちた“後”では遅い」前提で、目標タイムから逆算して計画的に摂りましょう。
給水所の少し手前でジェル → 給水で流すのが基本です。
下記は、摂取するタイミングの目安(経過時間ベース/距離はあくまで目安)です。
| 目標タイム | 摂取タイミング(経過時間) | およその地点 | 間隔 | 
|---|---|---|---|
| サブ3.5 | 0:50 / 1:40 / 2:30 | 10km/20km/30km | 50分 | 
| サブ4 | 1:00 / 2:00 / 3:00 | 11km/21km/32km | 60分 | 
| サブ4.5 | 0:50 / 1:40 / 2:30 / 3:20 | 8km/16km/24km/32km | 50分 | 
| サブ5 | 1:00 / 2:00 / 3:00 / 4:00 | 9km/17km/26km/34km | 60分 | 
| サブ5.5 | 0:55 / 1:50 / 2:45 / 3:40 / 4:35 | 7km/14km/21km/29km/35km | 55分 | 
| サブ6 | 1:00 / 2:00 / 3:00 / 4:00 / 5:00 | 7km/14km/21km/28km/35km | 60分 | 
コース(坂・気温・混雑)で前後します。「時間」を基準にし、距離は給水所の位置に合わせて微調整しましょう。
レース後半は「30kmの壁」との闘い

多くのランナーが口にする30kmの壁。
前半は余裕でも、30kmを越えたあたりから急に足が重くなり、ペースが落ちる現象を指します。
それぞれのポイントをまとめました。
- エネルギー切れ(糖質枯渇)
- 脱水・電解質不足(熱中症手前の不調含む)
- 筋持久力不足(20〜30km走が不足、フォームの乱れ)
- 痛み(膝・ふくらはぎ・足裏など)
- 補給は前倒し:ジェルは30〜40分ごと、給水所手前で摂って給水で流す。
- 水+スポドリ:水だけに偏らず電解質も。塩タブ/梅干しも活用。
- 序盤は抑える:目標ペースより+10〜15秒/kmで入り、中盤で整える。
- フォームの省エネ:腕振りは小さめ・接地は身体の真下・姿勢はやや前傾を維持。
- 1kmだけ“整える”:呼吸を落ち着かせ、ピッチ(歩幅ではなく回転)を少し上げる。
- ミニ補給:ジェル半分+数口のスポドリ。むせ防止で小口。
- クールダウン:暑い日は首筋・こめかみを水で冷却。
- 痛み対処:安全な場所で10〜20秒のストレッチや患部に冷却スプレー。無理は禁物。
- 歩きを“戦略化”:給水テーブル区間だけ30〜60秒歩いて確実に飲む→再開。ダラダラ歩きにしない。
後半、歩く予定の方は防寒対策を


後半に歩く可能性がある人は、リュックに防寒アイテム(ジャケット/長袖シャツ/アームカバー など)を入れておきましょう。
- ジャケット(ウインド/レイン)
- 長袖シャツ(速乾)
- アームカバー
- 使い捨てカイロ(低温やけどに注意)
汗で濡れたまま風に当たると汗冷えで体温が下がり、パフォーマンス低下につながります。
冬(12〜3月)の大会は気温が低く、薄着のまま長時間歩くと低体温症のリスクも。
必要に応じてトイレで速乾インナーに着替えるなど、早めに対処しましょう。
レース中のトラブル対処法

レース中は、様々なトラブルが発生します。
今回は、よくあるトラブルをご紹介します。
脱水症状
汗で体内の水分が失われることで、脱水症状が起こります。
脱水が進むと、汗や尿が出なくなり、それにより体温が下がらず、パフォーマンスが低下していきます。
脱水を防ぐには、「普段からどのくらい汗をかくのか」把握しておく必要があります。
仮に、1時間のランニングで500g体重が減少していれば500mlの汗をかいているので、その分の水分が必要となります。
なので、各エイドステーションで不足した水分をスポーツドリンクで補うなど、積極的に補給しましょう。
熱中症
熱中症は、体内の水分や電解質のバランスが崩れることによって起こります。
対策は、水分をしっかり補給し、キャップを被り日差しを避け、体温の上昇を抑えることです。
また、エイドステーションで頭から水を被ったり、氷があれば身体を冷やしたりと、なるべく体温を上げない対応をしましょう。
水中毒
発汗量の多い時期に起こりやすいですが、汗で体内のナトリウムが不足することで起こります。
身体のダルさやめまいなどの症状があり、水のみを補給していると体内のナトリウム濃度が低下していきます。
なので、水を飲むときは「塩分サプリメント」を摂取したり、スポーツドリンクを飲むなど、塩分も一緒に補給しましょう。
足がつる・ケイレンする
体内の水分や電解質のバランスが崩れている中、筋肉に過度な負荷を与えていると足がつったり、ケイレンしたりします。
対策は、塩分を含むスポーツドリンクを摂取したり、マグネシウム系の補給食(マグオン エナジージェル)を摂取すると良いでしょう。
補給食は、フルマラソンにおすすめの補給食16選【サブ3.5、サブ4、サブ5向け】で解説しています。
脇腹が痛い
脇腹が痛くなるのは、肝臓が上下に揺れることで臓器が引っ張られたり、横隔膜の血流が悪くなることで起こります。
痛みを抑えるには、ペースを落としたり、一度立ち止まるなど対応しましょう。
マメや靴ずれ
新しいシューズやソックスを履いたことで起きたり、雨や給水中にシューズが濡れて皮膚が柔らかくなることで起こります。
対策としては、レース前にワセリンを塗ったり、靴ずれしやすい箇所に絆創膏を貼りましょう。
また、絆創膏を数枚持っておくと、いざというときに対応できます。
転倒による捻挫や出血
転倒して出血したり、捻挫してしまったら、無理せず救護所に立ち寄りましょう。
転倒の場合、靭帯が損傷していたり、骨折ということも考えられます。
痛みの中走り続ければ、後遺症が残る場合もあります。
救護所で手当てを受け、それでも難しければ無理せずリタイアしましょう。
低体温症
寒い時期のレースで起こりやすいですが、深部体温が35℃を下回ると起こる症状です。
特に、雨の日は身体が濡れて、体温がなかなか上がらず、足が重かったり、寒さを感じる状態になります。
身体を冷やさないように厚手のウェアやカッパを着たり、温かい飲み物で体内から温めたりするなど、対策しましょう。
フィニッシュは笑顔で

40kmを越えると、体は限界に近づきます。
それでも、残り2km、1kmとフィニッシュが近づくほど沿道の声援は大きくなり、きっと最後の一歩を後押ししてくれます。
フィニッシュでは、苦しさよりも感謝と自分への称賛を。
ここまで支えてくれた人たち、そして積み重ねてきた自分の努力に思いを向け、笑顔でゴールを切りましょう。
キツければ、勇気をもってリタイアしよう

体調不良や強い痛みなど、これ以上は危険だと感じたら、勇気をもってリタイアしましょう。
大会スタッフに「リタイアします」と伝えれば競技終了となり、フィニッシュ地点までの送迎(車・バス)が案内されます。
以後はスタッフの指示に従って安全を最優先に行動してください。
また、関門時刻に間に合わない場合は強制終了となります。これは選手の安全を守るためのルールです。
リタイアは恥ではありません。私も経験がありますが、無理をして故障や体調悪化を招く方がよほど問題。次につなげるための賢い判断として、堂々と決断しましょう。
関連記事:マラソン途中棄権(DNF)とは?リタイアの原因と立ち直るための5つのステップ
フィニッシュ後の流れ

フィニッシュ後は完走メダル・完走タオルの受け取り



フィニッシュしたら、まず完走メダルや完走タオルを受け取り、そのまま荷物受け取りエリアへ向かいましょう。
体は消耗しきっているはずなので、最後のひと踏ん張りで荷物を受け取り→着替えまで一気に済ませるのがコツです。
荷物受け取りは混雑します。余韻に浸りたい気持ちはひとまず胸にしまい、速やかに帰り支度を。
体を冷やさないよう、濡れたウェアは早めに脱ぎ、乾いた衣類に着替えると回復が早まります。
着替えはパーカーやジャージが最適

レース後は全身、とくに下半身の疲労が強いため、着替えやすさ重視が基本。
パーカー/スウェットパンツ/ジャージなど、ゆとりのある服装が最適です。
また、会場にシャワールーム等、汗を流せる場所がなければ、「汗拭きシート」を持っていきましょう。
ベタついた身体で帰宅するのは、むず痒いですからね。
さらに、濡れたウェアをしまう「ゴミ袋」を用意しておくと、他の持ち物が汚れずに済みます。
- パーカー・スウェットパンツ(ジャージ):体を冷やさず、動作もラク。
- 汗拭きシート:会場にシャワーがない場合の必需品。ベタつきをオフ。
- 替えの下着・靴下:濡れ・汗冷え対策。
- 大きめのゴミ袋(45Lなど):濡れたウェアを分けて収納。
- 軽食とスポドリ:回復を早める“最初の一本&一口”。
レース後、しっかり栄養補給しましょう

「疲労で食欲がない」場合がありますが、水分補給、栄養補給はしっかり行いましょう。
レース後は、エネルギーが枯渇しています。
食欲がないことを理由に、そのまま放置していると回復が遅れます。
「おにぎり」や「パン」などの固形物を食べるのが難しければ、ゼリータイプのリカバリー補給食を準備しておき、レース後、補給しましょう。
おすすめのリカバリー補給食は、マラソン後の疲労回復におすすめのサプリメント(リカバリー補給食)5選で解説しています。
また、レース後、水分も不足しており、脱水気味な症状になっている場合もあるため、「経口補水液」や「スポーツドリンク」、「水」などを準備しておくと良いでしょう。
レース後、近くにコンビニや自動販売機がないケースが多いため、すぐに補給できるよう500ml〜2Lを目安に用意しておきましょう。
リカバリーサンダルがあると、帰宅しやすい

リカバリーサンダルとは、疲労回復や足の負担を軽減する効果のあるサンダルです。
フルマラソンを走ると、足をあげるのも辛いくらい疲労しています。
なので、会場から家に帰るまでの徒歩移動をラクにしてくれるアイテムです。
通常のサンダルより着地による衝撃を吸収し、足の負担を減らすため、フルマラソン後のような疲労時に着用することで効果を発揮します。
電車など移動距離が長い方は、あると便利でしょう。
詳しくは、リカバリーサンダルおすすめ5選!ランニング・マラソン後に着用する効果とは?で解説しています。
足に痛みがあるならアイシングを

太ももや膝、ふくらはぎ、足首など様々な箇所に痛みがあると思います。
そんなときは、氷を使って患部を冷やしましょう。
アイシングは炎症を抑える効果があり、疲労を長引かせないメリットがあります。
保冷剤や氷をビニール袋に入れて、10〜15分ほど患部を冷やすことをおすすめします。
まとめ
今回は、フルマラソン当日の過ごし方について、まとめました。
レース当日は、レース開始4時間前に起床し、朝食を食べ、移動するなど、慌ただしい1日となります。
ですので、事前に頭の中で1日のスケジュールを組んでおくと良いでしょう。
ぜひ、本番で力を発揮できるように、しっかり準備しましょう。
以上、フルマラソン当日の過ごし方についてでした。
【要チェック】フルマラソン完走ロードマップ

フルマラソン出場までの流れをまとめました。
初めてフルマラソン出場する方を対象に、下記の内容が分かります。
マラソン大会の選び方
購入すべきランニンググッズ
完走するためのトレーニング方法
レース前日や当日の過ごし方
▼詳しくはこちら
【完全版】初心者がフルマラソン完走するためのロードマップ


