30km走のペース設定とは?30km走の効果やおすすめのコースなど
30km走の設定ペースは?30kmを行うやり方を教えて下さい
そんな疑問にお答えします。
フルマラソンを走ったことのあるランナーの皆が口を揃える「30kmの壁」。
「30kmの壁」とは、今まで余裕を持って走れていたのに30kmを超えてから足をつったり、急にペースが落ちることを言います。
なので、フルマラソンを走る前に、1度は30km走を行い、身体に30kmを覚えさせるトレーニングが30km走になります。
この記事では、30km走を行う際の方法をご紹介します。
この記事を読めば、ペース設定やコースの選び方が分かります。
結論、初心者の方は怪我のリスクもあるため、必ず30km走を行うのではなく、20km〜25km走などできる範囲で走りましょう。
30km走の効果
30km走は、フルマラソンを完走する上で必要なトレーニングだと言われています。
では、30kmはどんな効果があるのでしょうか。
- 持久力をつける
- 脚つくり
- フルマラソン完走へモチベーションUP
[効果①] 持久力をつける
持久力とは、一定強度の運動を維持できる能力のことを言います。
そのため、レース後半にペースダウンをしてしまう人は持久力が低いということになります。
持久力をつけるには、「脂肪を使う能力を上げる」ことが重要です。
というのも、主なエネルギー源は「糖」と「脂肪」の2種類あり、速く走るときは「糖」、ゆっくり走るときは「脂肪」をエネルギーに変えて走ります。
ただ、「脂肪」をエネルギーに変えるには酸素を必要とするため、また、エネルギー変換までに時間がかかるため、「糖」の消費が優先されます。
「糖」が枯渇すればエネルギー切れとなり走れなくなるので、「脂肪を使う能力」が重要となるのです。
なので、日頃から「脂肪」を使う練習をするために、LSDや30km走を行うことで持久力を身につけることができます。
[効果②] 脚つくり
30km走は、長時間走るための「脚つくり」の効果があります。
アキレス腱、膝、太もも、股関節、ハムストリングなど、肉体的のトラブルを防ぐトレーニングになります。
ランニング当初は、10km走った次の日、太ももやお尻周りが筋肉痛になったり、ふくらはぎがつったりしていた人も数ヶ月走っていれば次の日筋肉痛になることが少なくなったと思います。
それは、筋力がついてきた証拠なので、15km、20km走っても故障せず、ランニングが続けられます。
30kmという距離を初めて走る場合、筋肉痛になると思いますが、30km走を繰り返すことでフルマラソンを完走できる筋力が養われます。
[効果③] フルマラソン完走へモチベーションUP
30km走を無事完走できれば、残りは12km(フルマラソンは42km)です。
残り1/4と考えれば、モチベーションが上がり、今後のトレーニングも充実するはずです。
30kmを行う際の注意点
初心者の方は、「いきなり30km走を行うのは辞めましょう。」
普段10〜15kmしか走っていない人がいきなり30kmに挑戦すると、怪我のリスクが高まります。
「15kmは余裕を持って走れた」からといって、倍の30kmも余裕かといったらそうではありません。
エネルギー切れや足をつるなどして、途中で走れなくなることはあるでしょう。
そのためにも、10km、15km、20km、25kmと段階を踏み、30km走に挑戦しましょう。
30km走のやり方
それでは、30km走のやり方をご紹介します。
下記を順に解説していきます。
- 設定ペース
- どんなコースがおすすめ
- 給水や給食は?
設定ペース
トレーニングの目的によって変わります。
あなたに必要なものから選んで下さい。
- 脚つくり
- 持久力をつける
- 本番に向けたペース走
- 初めて30km走を行う
脚つくり
脚つくりであれば、目標のレースペースより「1分遅く」設定します。
目標 | 設定ペース | レースペース |
サブ3.5 | 5分58秒/km | 4分58秒/km |
サブ4 | 6分41秒/km | 5分41秒/km |
サブ4.5 | 7分23秒/km | 6分23秒/km |
サブ5 | 8分06秒/km | 7分06秒/km |
サブ5.5 | 8分49秒/km | 7分49秒/km |
サブ6 | 9分31秒/km | 8分31秒/km |
持久力をつける
持久力をつけるのであれば、目標のレースペースより「30〜40秒遅く」設定します。
目標 | 設定ペース | レースペース |
サブ3.5 | 5分28秒〜5分38秒/km | 4分58秒/km |
サブ4 | 6分11秒〜6分21秒/km | 5分41秒/km |
サブ4.5 | 6分53秒〜7分3秒/km | 6分23秒/km |
サブ5 | 7分36秒〜7分46秒/km | 7分06秒/km |
サブ5.5 | 8分29秒〜8分39秒/km | 7分49秒/km |
サブ6 | 9分1秒〜9分11秒/km | 8分31秒/km |
本番に向けたペース走
本番に向けたペース走であれば、目標のレースペースより「5〜10秒遅く」設定します。
目標 | 設定ペース | レースペース |
サブ3.5 | 5分3秒〜5分8秒/km | 4分58秒/km |
サブ4 | 5分46秒〜5分51秒/km | 5分41秒/km |
サブ4.5 | 6分28秒〜6分33秒/km | 6分23秒/km |
サブ5 | 7分11秒〜7分16秒/km | 7分06秒/km |
サブ5.5 | 7分54秒〜7分59秒/km | 7分49秒/km |
サブ6 | 8分36秒〜8分41秒/km | 8分31秒/km |
初めて30km走を行う
設定ペースは決めず、完走できるペースで行います。
初めて行う場合、「30kmという距離を知ること」+「完走すること」が目的なので、自分のペースで行いましょう。
また、ペースを測るなら、ランニングウォッチがあると便利です。
おすすめのアイテムは、下記で解説しています。
関連記事:【2024年】初心者におすすめランニングウォッチ15選!人気ブランドと選び方をご紹介
どんなコースがおすすめ
30km走を行う場合、2つのコースがあります。
- 周回コース
- 往復コース
周回コース
周回コースは、主にランニングコースのある公園が挙げられ、ケガや体調不良などのトラブルに対応しやすいコースです。
また、毎周ごとに「ペースが上がっている」「ペースが下がっている」と確認しやすいので、ペース感覚を養うのに最適です。
ただ、「景色が変わらない」「毎周ごとにスタート地点に戻ってくるので途中で辞めやすい」といったデメリットもあります。
往復コース
途中で辞めるのを防ぐなら往復コースです。
15km先まで行き、折り返してくれば最後まで辞めずに走ることができます。
ただ、信号がなく、30kmノンストップで走れる箇所が「河川敷」などと限られるのがデメリットです。
レース本番はノンストップで進むため、なるべく信号で止まらないコースを選びましょう。
給水や給食は?
水分補給であれば、水やスポーツドリンク、経口補水液を摂取し、エネルギー食であれば、ジェルなど摂取すると良いでしょう。
レース本番ではないので、立ち止まって給水やエネルギー食を摂りましょう。
おすすめの補給食は下記で解説しています。
関連記事:フルマラソンにおすすめの補給食15選【サブ3.5、サブ4、サブ5向け】
下記は、周回コース、往復コースそれぞれの摂取するタイミングです。
- 周回コース
- 事前に購入し、スタート地点に置いておく。スタート地点に戻ってきたタイミングで摂取する。
- 往復コース
- 喉が乾く前にコンビニや自動販売機で購入し、補給しましょう。また、飲み物を携帯できる、ウエストポーチやリュックがあると便利です。
水分補給については、ランニング初心者のための水分補給ガイド!おすすめの飲み物や水分補給のタイミングは?で解説しています。
30km走は余裕を持って完走することが大事
30km走を行う際のポイントは、「余裕を持って完走する」ことです。
30km走ってもフルマラソンであれば、まだ12km残っています。
「残り12km走れる余力がある」状況まで持っていきましょう。
そのために、1度でなく、レース前までに3〜4回行い、「余裕を持って完走できる」状態まで持っていきましょう。
30km走のダメージを次の日に残さないためには?
30km走を初めて行った方は、筋肉含め、身体の消耗が激しいと思います。
次の日にダメージを残さないためにも、走り終わったら「アイシング」や「ストレッチ」は必ず行いましょう。
また、疲労回復に効果のあるリカバリー食の摂取も有効です。
- おすすめのリカバリー食
- ・アミノバイタルゴールドゼリードリンク
・ザバス リカバリープロテインゼリー
・メダリスト
・ボディメンテゼリー
詳しくは、マラソン後の疲労回復におすすめのサプリメント(リカバリー補給食)5選で解説しています。
また、筋肉痛を予防するなら、「ファイテン パワーテープ」がおすすめです。
筋肉痛になりやすい「太もも」「ふくらはぎ」「お尻」「肩」に(ファイテン)テープを貼るだけで筋肉痛を軽減することができます。
このアイテムはビックリするほど効果が実感できるので、30km走に限らず、レース本番にもおすすめです。
詳しくは、フルマラソンにおすすめファイテン パワーテープ!ランナーに最適な貼る場所は?で解説しています。
Q&A
- 朝ごはんは食べたほうがいい?
-
これはどちらでも良いです。
というのも、起床後、食事を摂らずに走ると、レース終盤に向けたトレーニングとしての効果があるからです。
ただ、これはある程度、食事を摂らずに何度も走っている人向けなので、初心者の方は「おにぎり」や「バナナ」などのエネルギー摂取をしてから走ることをおすすめします。
また、食欲がなければ、ゼリータイプのエネルギー食でも良いでしょう。
詳しくは、フルマラソンのレース直前におすすめの補給食5選で解説しています。
- 30km走は絶対やったほうがいいの?
-
脚つくりができている人はやったほうが完走へ近づきます。
ただ、初心者のように、まだ長距離を走れる持久力や脚つくりができていない人が無理に行うとケガしてしまうリスクもあります。
30km完走できたはいいものの、レース直前でケガをしてしまい、レース本番スタート地点に立てなければ意味がありません。
なので、20km〜25kmを余裕を持って走れない人は、ケガを防ぐために30km走はやらなくて良いでしょう。
膝に違和感がある方は、膝サポーターを着用して走ることで、負担を軽減できます。
レース前にケガを防ぐ際におすすめです。
詳しくは、ランニング用膝サポーターおすすめ7選|着用する効果と選ぶ際のポイントは?で解説しています。
- 30km走の代用はありますか?
-
仕事や子育てで30km走る時間が取れない方は、
- 1日目:1km×5〜10本インターバル
- 2日目:20〜25km走
と2日間に分けて行うトレーニングが良いでしょう。
1日目に負荷をかけることで、2日目の20〜25km走はレース後半、足に疲労が貯まっている状況を作り出すことができるので、30kmの代用になります。
詳しくは、セット練習の効果とおすすめメニューとは?【フルマラソン完走へ】で解説しています。
- 30kmで着用するウェア・シューズは?
-
レースを想定したウェア・シューズで走ることをおすすめします。
詳しくは、おすすめランニングウェア17選【フルマラソンに出場する方必見】で解説しています。
シューズは、いつも履いているシューズで走りましょう。
また、初心者の方はクッション性の高いシューズを履くことで、膝への衝撃を緩和してくれるのでおすすめです。
下記に、ペースごとにシューズをまとめているので、ご自身の目標ごとに探してみてください。
ぜひ、参考にしてみて下さい。
本日は以上です。
【要チェック】フルマラソン完走ロードマップ
フルマラソン出場までの流れをまとめました。
初めてフルマラソン出場する方を対象に、下記の内容が分かります。
マラソン大会の選び方
購入すべきランニンググッズ
完走するためのトレーニング方法
レース前日や当日の過ごし方
▼詳しくはこちら
【完全版】初心者がフルマラソン完走するためのロードマップ