ビルドアップ走の効果と設定ペースは?サブ3〜サブ6まで


ビルドアップ走の効果ってなに?また、どのくらいのペースで行えばいいの?
そんな疑問にお答えします。
ビルドアップ走とは、徐々にペースを上げていくトレーニング方法です。
時間や距離に応じてペースを変えることで、持久力やスピードなど、様々な箇所が鍛えられます。
また、マラソンに必要な体力をつけることもできる、効率の良いトレーニングとなっています。
そんな今回は、ビルドアップ走のトレーニング方法についてご紹介します。
ビルドアップ走とは?

ビルドアップ走とは、目標のレースペースより遅いペースで走り始め、距離または時間を追うごとにスピードを上げていき、最終的にはレースペースより速いペースで走るトレーニング方法です。
- ビルドアップ走のやり方
- レースペースより遅く
↓
レースペース
↓
レースペースより速く
例えば、下記のように3段階に分けて、ペースを上げていくトレーニングがビルドアップ走になります。
6:00/km(レースペースより遅く)
↓
5:40/km(レースペース)
↓
5:20〜30/km(レースペースより速く)
そして、ビルドアップ走には、「時間」で区切る場合、そして「距離」で区切る場合の2つがあります。
例)「時間」で区切る場合
時間 | 15分(レースペースより遅く) | 15分(レースペース) | 15分(レースペースより速く) |
ペース | 6分00秒/km | 5分40秒/km | 5分20〜30秒/km |
例えば、合計45分を15分ごとに区切り、1kmあたりのペースを徐々に上げていく方法です。
時間で区切る場合は、時間に余裕がない方やトレーニング時間をあらかじめ決めておきたい方に向いているやり方です。
例)「距離」で区切る場合
時間 | 3km(レースペースより遅く) | 3km(レースペース) | 2km(レースペースより速く) |
ペース | 6分00秒/km | 5分40秒/km | 5分20〜30秒/km |
例えば、合計8kmの距離を設定した距離ごと(3+3+2km)に区切り、1kmあたりのペースを徐々に上げていく方法です。
距離で区切る場合は、時間に余裕がある方やしっかり距離を積みたい方におすすめのやり方です。
また、ペースの決め方は今後目指している目標タイム(サブ3.5、サブ4など)を元に設定していきます(詳細は後述する)。
このように、時間や距離に応じてトレーニングメニューを変えられるため、徐々に強度を上げていけば、とても効率の良いトレーニングメニューとなるのがビルドアップ走になります。
ビルドアップ走で得られる3つの効果

ビルドアップ走では、3つの効果が得られます。
- ビルドアップ走の効果
- ・持久力の強化
・スピード持久力の強化
・スピードの強化
持久力の強化
まず、 1つ目が持久力の強化です。
持久力(スタミナ)とは、ゆっくり長い時間を走り続ける能力のことです。
レースペースより遅いペースから入るため、有酸素能力や脂肪燃焼効果を促進し、持久力を養うことができます。
- 持久力の強化
- ・有酸素能力を高める
・脂肪燃焼効果がある
そもそも、人は走り続けるために、「糖」と「脂肪」この2つをエネルギーに変えていきます。
「糖」はスピード練習のように、息が上がるようなトレーニングの際に良く使用され、「脂肪」は運動強度の低い(LSD)ときによく利用されます。
遅いペースで走ることで、「脂肪」がたくさん使われ、脂質代謝が促進されます。
また、「脂肪」を使用するには酸素が必要となりますが、遅いペースで走ることで筋肉の毛細血管を発達させることができ、筋肉の隅々まで酸素を運搬する能力が向上します。
なので、ビルドアップの1段階目は持久力を養うトレーニングも兼ねているのです。
スピード持久力の強化
続いて、2つ目はスピード持久力の強化です。
スピード持久力とは、より速いペースを、より長く持続させる能力のことを言います。
レースペースで走る2段階目では、有酸素能力や脂肪燃焼効果、乳酸除去能力を養うことができます。
- スピード持久力の強化
- ・有酸素能力を高める
・脂肪燃焼効果がある
・乳酸除去能力
ゆっくりのペースでは10kmラクラク走れるけど、ペースを上げた途端、5kmしか走れなかったことはよくあります。
その速いペースを維持し続ける能力がマラソンでは重要です。
また、体内に溜まった「乳酸」をエネルギーに再利用する能力が身に付くため、より長い時間ペースを維持できます。
スピードの強化
最後、3つ目は、スピードの強化です。
スピードとは、短い距離を速く走る能力です。
レースペースより速いペースで走る3段階目では、心肺機能の向上や筋肉の速筋が鍛えられます。
- スピードの強化
- ・心肺機能の向上
・筋肉の速筋が鍛えられる
筋肉の速筋は、ジョグのようなゆっくりペースでは鍛えられないため、大事なトレーニングとなります。
ビルドアップ走の設定ペース

続いて、設定ペースを決めていきますが、先程ご覧いただいた通り、3段階に分けていきます。
設定ペース
レースペース + 20〜30秒
↓
レースペース
↓
レースペース − 10秒
サブ3を目標にしているなら
サブ3(3時間以内に完走)の場合、レースペースは4分15秒となるので、ペースは下記の通りです。
レースペース+20〜30秒 | レースペース | レースペース-10秒 | |
ペース | 4分35〜45秒/km | 4分15秒/km | 4分5秒/km |
ビルドアップ走を行う際の設定距離や時間は、その日の気分や調子で設定してみてください。
サブ3.5を目標にしているなら
サブ3.5(3時間30分以内に完走)の場合、レースペースは4分58秒となるので、ペースは下記の通りです。
レースペース+20〜30秒 | レースペース | レースペース-10秒 | |
ペース | 5分18〜28秒/km | 4分58秒/km | 4分48秒/km |
ビルドアップ走を行う際の設定距離や時間は、その日の気分や調子で設定してみてください。
サブ4を目標にしているなら
サブ4(4時間以内に完走)の場合、レースペースは5分41秒となるので、ペースは下記の通りです。
レースペース+20〜30秒 | レースペース | レースペース-10秒 | |
ペース | 6分01〜11秒/km | 5分41秒/km | 5分31秒/km |
ビルドアップ走を行う際の設定距離や時間は、その日の気分や調子で設定してみてください。
サブ4.5を目標にしているなら
サブ4.5(4時間30分以内に完走)の場合、レースペースは6分23秒となるので、ペースは下記の通りです。
レースペース+20〜30秒 | レースペース | レースペース-10秒 | |
ペース | 6分43〜53秒/km | 6分23秒/km | 6分13秒/km |
ビルドアップ走を行う際の設定距離や時間は、その日の気分や調子で設定してみてください。
サブ5を目標にしているなら
サブ5(5時間以内に完走)の場合、レースペースは7分06秒となるので、ペースは下記の通りです。
レースペース+20〜30秒 | レースペース | レースペース-10秒 | |
ペース | 7分26〜36秒/km | 7分06秒/km | 6分56秒/km |
ビルドアップ走を行う際の設定距離や時間は、その日の気分や調子で設定してみてください。
サブ5.5を目標にしているなら
サブ5.5(5時間30分以内に完走)の場合、レースペースは7分49秒となるので、ペースは下記の通りです。
レースペース+20〜30秒 | レースペース | レースペース-10秒 | |
ペース | 8分09〜19秒/km | 7分49秒/km | 7分39秒/km |
ビルドアップ走を行う際の設定距離や時間は、その日の気分や調子で設定してみてください。
サブ6を目標にしているなら
サブ6(6時間以内に完走)の場合、レースペースは8分31秒となるので、ペースは下記の通りです。
レースペース+20〜30秒 | レースペース | レースペース-10秒 | |
ペース | 8分51秒〜9分01秒/km | 8分31秒/km | 8分21秒/km |
ビルドアップ走を行う際の設定距離や時間は、その日の気分や調子で設定してみてください。
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まとめ
今回は、ビルドアップ走について解説しました。
ビルドアップ走とは、目標のレースペースより遅いペースで走り始め、距離または時間を追うごとにスピードを上げていき、最終的にはレースペースより速いペースで走るトレーニング方法です。
ビルドアップ走は、マラソンに必要な3つの能力を同時に鍛えられるトレーニングとして、レース本番の走りに活かされるものとなりますので、ぜひトライしてみてください。
- ビルドアップ走の効果
- ・持久力の強化
・スピード持久力の強化
・スピードの強化
本日は以上です。
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