流し(ウインドスプリント)の効果とは?流しを行う目的と取り組み方を解説
流し(ウインドスプリント)ってなに?どんな効果があるの?
そんな疑問にお答えします。
流し(ウインドスプリント)とは、全力疾走の70〜80%の力で走るトレーニング方法です。
スピード練習の一種で、最大酸素摂取量の向上や身体を速いスピードに慣れさせるなど、スピードアップを目的とした大事なトレーニングとなります。
そんな今回は、流しのトレーニング方法についてご紹介します。
トレーニング前後の心肺機能への刺激入れにもおすすめですので、ぜひ取り入れてみましょう。
流しとは
流し※とは、全力疾走の70〜80%の力で走るトレーニング方法です。
※ウインドスプリントとも呼ぶ
スピード練習の一種で、最大酸素摂取量の向上や身体を速いスピードに慣れさせるなど、スピードアップを目的とした大事なトレーニングとなります。
流しの目的
[目的①] 手軽にスピード練習ができる
スピード練習の代表メニューは「インターバル走」や「レペティショントレーニング」が挙げられます。
- インターバル走・・・「疾走(8割くらいの力)」 ↔ 「緩走(ゆっくり走る)」を交互に繰り返すトレーニング方法
- レペティショントレーニング・・・「全力走(10割の力)」と「完全休養」を交互に繰り返すトレーニング方法
インターバル走は200m、400m、1,000mといった距離をダッシュするため、運動強度がとても高いメニューです。
そのため、初心者ランナーが行うと、ケガをする可能性があります。
ですが、流しは「30分ジョグ → 流し(50m × 3本)」といったように強度の低いメニューとセットで行うことが一般的です。
距離も50〜100mなので、インターバル走ほどキツくなく、手軽にスピード力が鍛えられます。
[目的②] レースペースに余裕を感じられるようになる
流しはレースペース以上のスピードで走るため、次第に、レースペースに余裕を感じられるようになります。
フルマラソンに出場する場合、目標タイムを設定すると思います。
下記は、イーブンペース※で進んだときの目標別レースペースです。
※ほぼ一定ペースで走ること
目標 | レースペース |
サブ3 | 4分15秒/km |
サブ3.5 | 4分58秒/km |
サブ4 | 5分41秒/km |
サブ4.5 | 6分23秒/km |
サブ5 | 7分06秒/km |
サブ5.5 | 7分49秒/km |
サブ6 | 8分31秒/km |
サブ4のレースペースは5分41秒/kmですが、例えば、6分20秒/kmで20kmしか走れなければ、レースペースのスピードで42km走ることは難しいです。
そのため、50〜100mという短い距離ですが、例えば、5分20秒/kmでダッシュすることで、次第に、レースペース(5分41秒/km)で走れる身体に仕上がります。
流しは自分の(現在の)上限値を上げ、よりスピードを生み出すのに最適なトレーニングメニューです。
[目的③] 身体に刺激を入れる
(後述しますが、)流しはメインのトレーニング前後に行うものです。
例えば、「流し → インターバル走」や「ジョグ → 流し」といった形です。
メイントレーニング前に行うことで、心肺に刺激を入れることができるため、身体への負担を軽減できます。
急にダッシュすることで、心拍数は安静時の50〜60拍/分から120〜150拍/分まで、短時間で上昇します。
数字を見ても大きな差があることが分かるように、急激な負荷が身体にかかることになります。
また、ジョグだけしか行わないと、ストライドが小さいまま身体が慣れてしまい、スピードが出しづらくなります。
そのため、ジョグの後に流しを行うことでストライドが広がり、ストライドが狭まっていくことを防ぐことができます。
流しの効果
[効果①] 最大酸素摂取量の向上
最大酸素摂取量(以下、VO2max)とは、1分間に体内に取り込むことができる酸素量のことです。
最大酸素摂取量が大きい(たくさんの酸素を体内に取り込む能力が優れている)ほど、多くのエネルギーを作り出せるということです。
要は、「最大酸素摂取量が大きい = 長時間走る能力がある」という指標になります。
最大酸素摂取量を向上させるには、高い強度の運動で心肺機能に負荷をかける必要があり、ゼーゼーハーハー言うほどのペースで走る「流し」は効果的なトレーニングです。
より、効率よく鍛えたいのであれば、「流し」より強度の高い「インターバル走」や「レペティショントレーニング」のほうがおすすめです。
ですが、強度が高い分、ケガのリスクも高まるため、初心者ランナーは「インターバル走」より強度が低い「流し」を行い、最大酸素摂取量を向上させましょう。
[効果②] スピード・速筋の強化
腕の振りやストライド(歩幅が大きい)を大きくして走るため、速いスピードでの身体の使い方を身につけることができます。
「ジョグ」や「LSDトレーニング」などゆったりしたペースとは違った身体の使い方をするので、初めは戸惑うかもしれません。
ただ、速いスピードに身体が慣れてくれば、自然とスピードも上がり、結果、タイム向上にも繋がります。
また、スピード練習でしか鍛えられない筋肉を鍛えることができるので効果大です。
流しの取り組み方
設定ペース
全力疾走の70〜80%の速さです。
「このくらいのスピードが全力の80%くらいかな?」といったように、自身の感覚で構いません。
あくまでダッシュする(スピードを出して走る)ことが目的なので、「100mを13秒で走る」など細かく設定せずに行いましょう。
トレーニング例
流しは、メイントレーニング前後に行います。
メイントレーニング前
メイントレーニング前の場合は、身体がまだ温まっていないので、心肺に刺激を入れる目的で行います。
(前述の通り、)心拍数が短時間で急激に上昇することを防ぐことが目的です。
主に、強度が高いスピード練習の前に取り入れると良いでしょう。
50m流し(2〜3本)→ 400mインターバル走(10〜12本)
メイントレーニング後
メイントレーニング後の場合は、ジョグやLSDトレーニングなどとセットで行う場合が多いです。
ゆっくり走ったあとに、数本ダッシュし、スピードを強化しましょう。
- 30〜60分ジョグ → 100m流し(2〜3本)
- 60〜120分LSDトレーニング → 50m流し(2〜3本)
普段のジョグのあとに2〜3本走ることを習慣化させることで、身体が覚えていき、スピード力が身に付きます。
特に、インターバル走など高い強度のメニューをこなせるほどの走力がない方でも手軽に取り入れられるため、おすすめです。
まとめ
今回は流しの効果について解説しました。
流しとは、全力疾走の70〜80%の力で走るトレーニング方法です。
50m〜150mの距離で3〜5本を目安に、ジョグなどとセットで行うと良いでしょう。
ぜひ、同じペースでのジョグしか行なっていない方は、身体に負荷をかける目的で行なってみてはいかがでしょうか。
本日は以上です。
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