【初心者向け】夏のランニング服装ガイド!ウェアの選び方や快適に走るためのポイント
暑い夏の日でも、心地よくランニングを楽しみたい方は必見です。
夏の炎天下でのランニングを快適に過ごすための服装選びのポイントを紹介します。
適切なウェアを着用することで、熱中症や脱水症、日焼けなどのトラブルを防ぎ、パフォーマンスを維持することが可能です。
この記事では、ランニングウェアの選び方やおすすめのアイテム、コーディネートまで、夏のランニングで考慮すべき服装のポイントを詳しく解説します。
夏場に適したランニングウェアの選び方
まず、ランニングウェアの選び方を見ていきます。
下記の機能が搭載されているものを選ぶと、快適にランニングできます。
- 吸汗速乾性
- 通気性
- UVカット
- リフレクター
- 防臭・抗菌
- 接触冷感・持続冷感
- カラー
吸汗速乾性
吸汗速乾機能があるものは汗をすばやく吸収・放出してくれるので、熱中症対策の効果があります。
「汗をかく」という行為は、身体の熱を逃がしてくれるため、体温を下げる働きがあります。
ウェアが汗を吸収・放出することで体温を下げることに貢献し、結果、熱中症を予防します。
また、衣類が汗を吸収・放出しないと、身体や衣類内が汗でびちょびちょになり、不快なため、(吸汗速乾は)必要な機能です。
素材は、ポリエステル100%(100%に近いもの)のものを選びましょう。
通気性
長時間走ると身体に熱が溜まるため、熱が逃げやすい通気性の良いものがおすすめです。
通気性がないと、熱気が衣服の中に閉じ込められて、体温が上昇し、熱中症に繋がります。
そのため、メッシュ加工されているウェアを選びましょう。
↓ 小さい穴が無数に開いており、空気の通り道を確保しています。
また、コンプレッションウェアのようにピタッとした服は風が衣類内を通らず、熱が逃げにくいため、ゆったりとしたサイズ・アイテムを着用することをおすすめします。
UVカット
紫外線を防ぎたい方は、UVカット機能が搭載されたものがおすすめです。
紫外線の強さは時刻や季節、天候によって変わり、1日のうちで正午ごろ、季節では6〜8月が最も紫外線が強くなります。
下記が、つくばで観測した、紫外線の強さを表すグラフです。
ご覧のように、6〜8月は11〜12時で「紫外線が非常に強い」、9〜10時でも「紫外線が強い」を指しています。
紫外線を浴び続けると肌が黒くなったり、シミやしわ、皮膚の腫瘍(皮膚がん)などといった傷害に発展します。
そのため、UVカット機能が搭載されたものの中でも、より紫外線を遮断するものを選びましょう。
UVカット率は100%が最大で、数値が高いほど紫外線を防ぐ効果が高いです。
下記の表記であれば、UVカット99.9%以上の機能を搭載していることになります。
- 紫外線透過率0.1%以下
- UVカット99.9%以上
- UV400
なるべく、100%に近い数値のアイテムを選びましょう。
↓ 下記のように表記されているものを選びましょう。
関連記事:【レビュー】ザムスト アームスリーブ COOL EDITIONの性能とは?夏の暑さ・日焼け対策におすすめのアイテムです
リフレクター
1日の中で最も気温が高い時間帯は13〜15時ごろです。
下記は、気象庁による、東京 2022年7月20日の1時間ごとの気温の推移ですが、この日は15時が最も気温が高いです。
逆に、早朝(5〜6時)や夜間(21時以降)といった時間帯は、比較的、涼しい時間帯です。
そのため、夏場は早朝や夜間の気温が低い時間帯にランニングする人も多いでしょう。
早朝や夜間にランニングする方は、リフレクター(再帰反射)が搭載されたものを選びましょう。
暗闇の中では視界が悪く、自転車や自動車と接触事故を起こす可能性があります。
(リフレクターが搭載されていれば、)走っているときに身体が動くので、街灯や車のライトに反射し、ドライバーに自分の居場所を伝えることができます。
防臭・抗菌
夏場は大量の汗をかくため、臭いが気になる方もいるでしょう。
ウェアの中には、防臭・抗菌機能を搭載しているモノがあります。
臭いの原因となる細菌の増殖を抑制し、防臭効果を発揮します。
接触冷感・持続冷感
「接触冷感」「持続冷感」は、それぞれ下記の特徴があります。
- 接触冷感・・・肌が生地に触れたときに、冷たく感じる
- 持続冷感・・・生地が水分(汗)を吸収して、生地に水分がある間、冷たく感じる
着用することで、「ひんやりと涼しさ」を感じるため、体温の上昇を抑え、暑い時期でも快適な着心地を実現してくれます。
熱中症は、体温が上昇し、その熱をうまく体外に逃がすことができずに生じる症状のことを言います。
接触冷感や持続冷感が搭載されていれば、体温の上昇を抑えることができるため、熱中症を予防できます。
オールシーズン使えない欠点はありますが、暑い時期にランニングする方はあると便利な機能です。
カラー
夏場はランニングウェアの色選びも重要です。
一般的に、暗い色は日光を吸収しやすく、明るい色は日光を反射しやすいという物理的特性があります。
これは、暗い色のウェアを着用することで、体温を上昇させる可能性があることを意味します。
逆に、明るい色のウェアを着用することで、体温の上昇を抑えることができます。
実際、一ノ瀬 俊明氏の「最小スケール気候変動適応策としての被服色彩選択効果について」という、色の異なる同素材のポロシャツ9枚を屋外に並べ、表面温度の変化を比較する実験結果がありました。
色彩による温度差は明瞭であり、白、黄がとりわけ低く、灰、赤がほぼ同じレベルで、紫、青がさらに高めで拮抗し、緑、濃緑、黒が最も高温のグループを形成した
「緑色」や「黒色」が最も温度が上がりやすく、「白色」と「黄色」が最も温度が上がりにくい結果となりました。
そのため、夏場は「白色」と「黄色」のウェアを選び、暑さを和らげると良いでしょう。
おすすめのアイテム
続いて、おすすめのアイテムを紹介します。
- 半袖シャツ
- タンクトップ
- ベースレイヤー
- ハーフパンツ
- ハーフタイツ
- キャップ
- ソックス
- サングラス
- アームカバー
- カーフスリーブ
半袖シャツ
年間を通じて、着用可能な半袖シャツ。
トレーニングはもちろん、大会でも使用できるため、複数所持しても良いアイテムです。
ただ、30℃を超える真夏日や猛暑日は、袖があることで肩周りの熱が逃げづらいので、暑苦しく感じる場合があるのが欠点です。
関連記事:フルマラソンにおすすめのランニング用半袖Tシャツ5選
タンクトップ
オールシーズン着用できる、もう一つのアイテムが肩口が露出しているタンクトップです。
腕振りを繰り返すランニングにおいて、袖がない分、腕振りがしやすいです。
また、肩周りが露出しているため、涼しさを感じられます。
「半袖シャツ」同様、トレーニングはもちろん、大会でも使用できるため、複数所持しても良いアイテムでしょう。
ベースレイヤー
ベースレイヤーは肌に直接触れる部分に着用(一枚目に着用)するウェアのことです。
ランニング中にかいた汗を素早く吸収し、重ね着しているランニングシャツにかいた汗を移動させる役割があります。
そのため、ベースレイヤー自身が汗で濡れることがありません。
”汗冷え”を防げるため、長時間走る際(20〜30km走、フルマラソン)に活躍します。
関連記事:ランニングにおすすめのベースレイヤー12選!汗冷えや汗による不快感を軽減するアイテムです
ハーフパンツ
半袖Tシャツ同様、1年中使用可能なハーフパンツ。
購入する際は、「丈の長さ」「収納力」を見ましょう。
丈の長さは、「ハーフ丈(股下15cm〜)」と「ショート丈(股下〜14.9cm)」の2タイプあります。
ハーフ丈は、太ももがほとんど隠れる丈感で、肌の露出(太もも周辺)をなるべく抑えたい方におすすめです。
ショート丈は太ももが半分以上露出している丈感で、スピードを出して走る方、レース時に着用するパンツを探している方におすすめです。
また、ウエストポーチやバックパックを持って走りたくない方はポケットの数が多い(収納力がある)ものを選びましょう。
最近のハーフパンツは収納力があるアイテムも多く、身軽な格好で走れるので便利な機能です。
関連記事:ランニング用ハーフパンツ(ショーツ)おすすめ10選!フルマラソン時に着用したいアイテムの選び方は?
ハーフタイツ
ハーフタイツは、「ハーフパンツ」と見た目は似ていますが、身体にぴったりフィットする伸縮性のあるパンツのことです。
履くだけでエリートランナーのようにみえる見た目から、初心者は敬遠しがちな見た目です。
下半身(太もも、お尻まわり、もも裏など)の筋肉に適度な圧力をかけることで、ムダな筋肉の揺れを抑えることができ、パフォーマンスアップ効果が期待できます。
また、身体に密着するため、風の抵抗を最小限に抑えることができます。
関連記事:ランニングにおすすめのハーフタイツ6選|着用する効果と選ぶ際のポイントを解説
キャップ
日差しや雨を防げるキャップは、夏だけでなく1年を通じて活躍するアイテムです。
キャップを被ることで日差しを防ぎ、眩しさを軽減したり、日焼け対策としての効果があります。
また、雨が顔に当たったり、風によって砂ぼこりが舞い上がったときに目や口に入るのを防いでくれます。
吸汗速乾機能を搭載していれば、頭部の汗を吸収・発散してくれるため、体温調節に重要な役割を果たします。
関連記事:ランニングにおすすめのキャップ12選|着用する効果や選び方は?
ソックス
ソックスはシューズ内の足のズレを防いだり、土踏まずの落ち込みを防ぐなど、パフォーマンスを向上させる効果があります。
特に、長時間のランニング時に効果を発揮します。
また、夏場は汗で足元がムレやすいため、通気性や吸水性の高い素材を使用した、不快なベタつきやムレを軽減するアイテムがおすすめです。
関連記事:ランニングソックスおすすめ10選|フルマラソン時に着用する効果と選ぶ際のポイントを解説
サングラス
サングラスは、日差しの強い日に活躍するアイテムです。
長時間、目に紫外線を浴び続けると疲労を感じやすくなるため、疲労軽減効果があります。
また、風によって運ばれるほこりやゴミ、虫の侵入を防ぐため、強風の際に活躍します。
強い日差しは眼に悪影響を及ぼし、「紫外線角膜炎」「翼状片」「白内障」といった視覚障害のリスクを高めます。
- 紫外線角膜炎・・・結膜(白目)の充血、異物感、流涙がみられ、ひどくなると強い眼痛を生じる
- 翼状片・・・眼球結膜(白目)が翼状に角膜(黒目)に侵入する線維性の増殖組織で、瞳孔近くまで進展すると視力障害をきたす
- 白内障・・・水晶体が濁るため、網膜まで光が届かなくなり見え方の質が低下する
引用元:紫外線環境保健マニュアル2020
サングラスには、UVカット機能が搭載されているため、紫外線から目を守り、夏のランニングをより安全で快適なものにできます。
関連記事:ランニングにおすすめのサングラス10選|着用するメリットと選ぶ際のポイント
アームカバー
アームカバーは、腕に着用するアイテムです。
伸縮性のある生地で作られており、身体に密着するような、ぴったりフィットする着心地が味わえます。
着用することで、腕振りを安定させ、疲れを軽減する効果があります。
「半袖シャツ」とセットで着用することで、”半袖焼け”(色がくっきり分かれてしまうこと)を防げます。
関連記事:ランニングにおすすめのアームカバー10選|着用する効果や選び方は?
カーフスリーブ(ふくらはぎサポーター)
カーフスリーブ(ゲイター、ふくらはぎサポーターとも呼ぶ)とは、ふくらはぎ部分に着用するアイテムです。
伸縮性のある生地で作られており、身体に密着するような、ぴったりフィットする着心地が味わえます。
着用することで、ふくらはぎのムダな筋肉の揺れを抑えたり、(足の露出を抑え)寒さを軽減するなど、より快適に走るための機能が搭載されています。
「ハーフパンツ」や「ハーフタイツ」とセットで着用するのが一般的です。
ロングタイツと違い、膝がウェアで覆われていないため、足を動かしやすいメリットがあります。
関連記事:ランニングにおすすめのカーフスリーブ(ゲイター)6選|着用する効果や選び方は?
おすすめのコーディネート例
続いて、夏の時期に最適なコーディネート例を紹介します。
コーディネート例①
定番のスタイルです。
「半袖シャツ」、「ハーフパンツ」は1年中活躍するため、何着あっても困りません。
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コーディネート例②
- (上)タンクトップ
- (下)ハーフパンツ
両肩が露出しているので、30℃を超える夏日に大活躍します。
速いランナーが着用しているイメージがあり、少し難易度は上がりますが、オシャレなコーディネートです。
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プラスで、暑さに応じて、アクセサリーを着用すると良いでしょう。
まとめ
今回は夏の炎天下でのランニングを快適に過ごすための服装選びのポイントを紹介しました。
適切なウェアを着用することで、熱中症や脱水症、日焼けなどのトラブルを防ぎ、快適なランニングができるため、ぜひ取り入れてみてください。
本日は以上です。
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