暑い日(夏)のマラソン大会の服装は?おすすめアイテムやコーディネート解説
暑い時期のマラソン大会では、どんな服を着ればいいですか?
そんな疑問にお答えします。
夏に開催される大会、もしくは、秋〜冬で気温が高い日に大会がある場合、どんな服を着ればいいか迷いますよね。
照りつける太陽のもと、長時間走ることになるので、熱中症対策や紫外線対策は必須です。
そこで、今回は、暑い日(夏)のマラソン大会の服装について解説します。
事前に対策をしておけば快適に走れるので、ぜひこの機会に知っておきましょう。
夏のレースにおすすめのウェア
それでは、夏のレースにおすすめのウェアをご紹介します。
半袖シャツ | 1年中使用できる定番のアイテム。吸汗速乾性に優れていると快適に着用できます。 | |
タンクトップ | 肩口がないので熱がこもりづらく、また、腕振りしやすいのでスピードを出す方におすすめです。 | |
ハーフパンツ | 定番のアイテム。小物をたくさん収納できるよう、ポケットが多いものがおすすめです。 | |
ハーフタイツ | ハーフパンツと違い、身体にぴったりフィットする履き心地が味わえます。着用するだけで「太もも」や「お尻まわり」に圧力をかけることができ、パフォーマンスアップ効果が期待できます。 | |
ソックス | 疲労によって下がってくる「土踏まず」を支えたり、シューズ内のズレを抑える「滑り止めグリップ」など、フルマラソンを走る際に欠かせないアイテムです。 | |
キャップ | 熱中症や日焼け予防できるアイテム。長時間、直射日光を浴びると身体に熱が溜まり、熱中症になる可能性があるので、あると便利です。 | |
サングラス | 紫外線から目を守るアイテム。目に紫外線を浴び続けると、疲労を感じやすくなるので、あると便利です。 | |
アームカバー | 半袖シャツ、もしくはシングレットと組み合わせて着用するアイテム。途中で暑くなれば、簡単に脱ぐことができるので、体温調節に便利です。 | |
カーフスリーブ | ハーフパンツと組み合わせて着用するアイテム。着圧設計により、(ふくらはぎの)筋肉のブレを抑制することができるので、エリートランナーに人気のアイテムです。 |
おすすめのコーディネート
続いて、おすすめのコーディネートをご紹介します。
ぜひ、レース当日のウェア選びの参考にしてみてください。
サブ3〜3.5向けのコーディネート
ある程度、スピードを出して走る方は、必要最低限のウェアで良いでしょう。
トップスは、「タンクトップ(シングレット)」を着ている方が多いです。
これは、タンクトップは肩口がないので、腕振りしやすい点で、スピードを出す方に多い印象です。
ボトムスは「ハーフパンツ or ハーフタイツ」を着用します。
ゆったり着たい方は「ハーフパンツ」、締め付けが欲しい方は「ハーフタイツ」を着用しましょう。
↓ タンクトップ、ハーフパンツ コーデ
あとは必要に応じて、キャップやサングラスを着用し、日差し対策をしましょう。
- (上)タンクトップ or 半袖シャツ
- (下)ハーフパンツ or ハーフタイツ
- (アクセサリー)ソックス・キャップ・サングラス
お好きな組み合わせでコーディネートしてみてください。
参考までに、SNSに投稿されていた、ランナーの服装をご紹介します。
サブ4〜6向けのコーディネート
ゆっくり走る方はレース後半、歩いたり、立ち止まったりする関係で、(汗冷えにより)身体が冷えやすいです。
そのため、着脱しやすいアイテムを携帯することをおすすめします。
トップスは「半袖シャツ」、もしくは「タンクトップ」を着用し、身体が冷えたときに備え、「アームカバー」をリュックやウエストポーチに携帯します。
「アームカバー」は腕の露出を防ぐことができるため、日焼け対策としても有効です。
ボトムスは「ハーフパンツ or ハーフタイツ」単体、もしくは「ハーフパンツ + ロングソックス」、もしくは「ハーフパンツ + カーフスリーブ」、の組み合わせがおすすめです。
「ロングソックス」や「カーフスリーブ」は肌の露出部分を覆うだけでなく、(ふくらはぎの)筋肉のブレを抑制することができ、運動効率をアップさせることができます。
↓ 半袖シャツ、ハーフパンツ コーデ
↓ 半袖シャツ+アームカバー、ハーフパンツ+カーフスリーブ コーデ
あとは必要に応じて、キャップやサングラスを着用し、日差し対策をしましょう。
- (上)タンクトップ or 半袖シャツ + アームカバー
- (下)ハーフパンツ or ハーフタイツ + カーフスリーブ
- (アクセサリー)ソックス・キャップ・サングラス
お好きな組み合わせでコーディネートしてみてください。
参考までに、SNSに投稿されていた、ランナーの服装をご紹介します。
夏のレース対策・ポイント
続いて、夏のレースに出場される方がするべき対策とポイントを「レース前」「レース中」「レース後」の観点から解説します。
レース前のポイント
吸汗速乾性、通気性の良いウェアを選ぶ
たくさん汗をかくので、吸汗速乾性、通気性に優れたウェアを選びましょう。
吸汗速乾性に優れていると、汗をすばやく吸収し、外に放出してくれるので、さらりとした肌触りを実現。
また、メッシュ素材を使用したウェアは通気性がよく、身体に熱がこもりづらいので、衣服内を快適に保ってくれます。
衣服内温度を上手に下げてくれる機能を搭載したウェアが、この暑い時期におすすめです。
接触冷感素材を使用しているウェアを選ぶ
接触冷感素材や、涼感加工を採用しているウェアは、暑い日でもひんやりと、快適な着心地を実現してくれます。
- 接触冷感素材とは、肌が生地に触れたときに冷たくなる生地のこと
- 涼感加工とは、生地に水分があるかぎり、冷感が持続する加工が施された生地のこと
これらの機能により、気温30℃を超える暑さの中でも、涼しさが味わえるため、夏場のレース(やトレーニング)時におすすめです。
UVカット機能が搭載されていれば、同時に紫外線対策もできるため、長時間走るフルマラソン時に使用する方は、UVカット機能があるのかもチェックしましょう。
関連記事:【実費レビュー】ザムスト アームスリーブ COOL EDITIONの性能とは?夏の暑さ・日焼け対策におすすめのアイテムです
キャップで紫外線対策
夏の時期は日差しが強いため、紫外線対策は必須です。
フルマラソンのスタート時刻は9:00〜10:00と、涼しい時間帯に始まりますが、人によっては1日の中で気温が一番高い時間帯(13:00〜14:00)まで走り続けます。
夏の正午の気温は最も高く、一番日差しも強いため、キャップは”必須”と言って良いアイテムです。
下記は、気象庁による、東京 2022年7月20日の1時間ごとの気温の推移ですが、この日は15時が最も気温が高いです。
キャップを被ることで、(つばが)日差しを防いでくれるので紫外線対策に効果があります。
通気性が良く、ムレにくいものを選ぶと、快適に着用できます。
おすすめのアイテムは、ランニングにおすすめのキャップ12選|着用する効果や選び方は?で解説しています。
サングラスで紫外線対策
キャップとセットで着用すると、より紫外線対策できます。
長時間、目に紫外線を浴び続けると脳にストレスが溜まり、疲労を感じやすくなります。
太陽の角度次第では、キャップのつばでは日差しをカットできないため、サングラスを着用し、紫外線から目を守りましょう。
そのほか、(サングラスは)紫外線以外に、風によって運ばれるゴミや虫の侵入、雨粒を防ぐため、1年中活躍するアイテムです。
詳しくは、ランニングにおすすめのサングラス10選|着用するメリットと選ぶ際のポイントで解説しています。
日焼け止めクリームを塗ろう
フルマラソンは3〜7時間(人によって変わる)と、長時間にわたり、行われるスポーツです。
夏の時期は1時間、外にいただけでも日焼けしてしまうのに、仮に、5時間走り続けたとすると、かなり日焼けすることが考えられます。
また、冬と違い、肌の露出面積が広いため、日焼け止めクリームを塗って対策しましょう。
走行中、かなり汗をかくので、汗や水で落ちない日焼け止めクリームがおすすめです。
レース中のポイント
冷感タオルで熱中症対策を
「冷感タオル」は水に濡らすことで、ひんやり冷たくなるアイテムです。
接触冷感素材を採用しており、肌に触れた箇所がヒンヤリと感じるため、暑さが緩和されます。
走行中は体温が上昇しやすいため、常に、体温を下げてあげることが重要です。
また、細長いタオルなので、首に巻くことで固定されるため、走行の邪魔にならない点もGOODです。
「冷感タオル」が乾いてきたら、再び、タオルを濡らしてあげることで、冷感効果を発揮するため、レース中も繰り返し使用可能です。
コース上には「給水所」があるので、その都度、(冷感タオルを)水で濡らし、身体を冷やしましょう。
関連記事:【実費レビュー】ミズノ ネッククーラーの性能とは?水に濡らすだけでひんやり冷たいタオル
全ての給水所で水分補給する
レース中の水分補給の目安は、「15分に1回、150ml※」摂取することです。
※150mlは、紙コップ半分以上の水分
1km6分ペースで走る場合、15分で2kmちょっと進むため、ちょうど次の給水所※がやってきます。
※各給水所まで(距離)は1〜3kmの間隔のため
なので、基本的には、全ての給水所で水分補給するようにしましょう。
特に、気温が高い日は大量の汗をかき、脱水状態になりやすいです。
脱水状態のまま、走り続けると体温が上昇し、パフォーマンスの低下を引き起こします。
「のどが渇いている」と感じたときには、すでに脱水の初期段階なので、喉の渇きがなくても水分補給しましょう。
塩分タブレットを携帯しよう
レース中に注意したいのが、「低ナトリウム血症(水中毒)」です。
大量の汗をかくと、水分と同時にナトリウムが失われます。
体内のナトリウム濃度が低下している状態で大量の水を摂取すると、さらに、体内のナトリウム濃度が薄まり、「低ナトリウム血症」を引き起こす可能性が高まります。
低ナトリウム血症が進行すると、「頭痛」「吐き気」「脱力」などの症状を引き起こし、最悪の場合、競技が続けられないことに。
対策は、「塩飴」や「塩分タブレット」など、”塩分”も同時に摂取することです。
スポーツドリンクでも良いですが、(スポーツドリンクは)汗の塩分濃度より薄いため、できれば、濃度の濃い経口補水液がおすすめです。
経口補水液パウダーであれば、持ち運びしやすいので、給水所で水に溶かして飲むことができます。
「塩飴」や「塩分タブレット」、「経口補水液パウダー」をハーフパンツのポケットやウエストポーチに入れて、レースに臨みましょう。
関連記事:【実費レビュー】塩熱サプリの効果は?味や飲むタイミング解説
気温が高い日は給水所の水をかぶろう
気温が高い日のレースで注意したいのが、「熱中症」です。
脱水状態になると発汗量が減少、その影響で体温が上昇しやすくなり、熱中症に陥ります。
熱中症は体温を下げることで防げるため、たくさん水分を摂取して、体温の上昇を抑えましょう。
また、首もとや腕、顔などに水をかけ、皮膚の表面から身体を冷やすことで、体温の上昇を抑えられます。
給水所には、水を含んだスポンジが置いてある大会もあるため、積極的に活用しましょう。
無理して、記録更新を狙うのは避けよう!
気温が高い日は低い日に比べ、運動パフォーマンスが低下することが分かっています。
2012年「環境パラメータがマラソンのランニングパフォーマンスに与える影響」というテーマで論文が発表されました。
内容は、2001〜2010年までの10年間、パリ、ロンドン、ベルリン、ボストン、シカゴ、ニューヨークの計6大会に出場した、約180万人の参加者を対象に、高いパフォーマンスを発揮できる”環境要因”を調査したものです。
環境要因は「温度」「湿度」「露点温度」「気圧」などの項目で、結果は”温度”がもっとも影響の大きい環境要因であったと結論づけました。
具体的には、「マラソンに最適な温度は6-8℃で、この気温の日は高いパフォーマンスを発揮できる※」いう結果となりました。
※もっとも記録が出やすい
逆に、温度が上がるごとに、どんどんパフォーマンスが低下する(タイムが遅くなる)という結果も出ています。
実際、現在の日本記録は”2時間04分56秒”で、2月28日(日)に滋賀県で行われた「第76回びわ湖毎日マラソン」で鈴木健吾(富士通)が叩き出した記録ですが、スタート時の気温は6〜7℃で、フィニッシュ時点でも9℃でした。
また、記憶にも新しい、札幌で行われた「東京オリンピック 男子マラソン」ではスタート時の気温26℃、湿度80%という気象条件で、2時間01分39秒の世界記録を持つエリウド・キプチョゲが2時間08分38秒でフィニッシュしています。
このとき、日本代表の服部勇馬(トヨタ自動車)※は2時間30分08秒でフィニッシュしましたが、のちに深部体温が40℃以上となる重度の熱中症に陥っていたことが明らかとなりました。
※自己ベスト:2時間7分27秒
最終的には、途中棄権者が出場106名中30名と、国の代表に選ばれるほどのトップ選手であっても、約28%にも達するほど、気温が高いとパフォーマンスが低下することが、数字を見ても分かりますね。
参考記事:【東京オリンピック】最終種目男子マラソン、大迫傑が6位入賞!~10日目ハイライト~:東京2020オリンピック
そのため、気温が高い日は無理せず、記録更新は気温が低い日に挑戦するようにしましょう。
レース後のポイント
レース後は、しっかり水分補給・栄養補給しよう
「疲労で食欲がない」場合がありますが、水分補給、栄養補給はしっかり行いましょう。
レース後は、エネルギーが枯渇しています。
食欲がないことを理由に、そのまま放置していると回復が遅れます。
「おにぎり」や「パン」などの固形物を食べるのが難しければ、ゼリータイプのリカバリー補給食を準備しておき、レース後、補給しましょう。
おすすめのリカバリー補給食は、マラソン後の疲労回復におすすめのサプリメント(リカバリー補給食)5選で解説しています。
また、レース後、水分も不足しており、脱水気味な症状になっている場合もあるため、「経口補水液」や「スポーツドリンク」、「水」などを準備しておくと良いでしょう。
レース後、近くにコンビニや自動販売機がないケースが多いため、すぐに補給できるよう500ml〜2Lを目安に用意しておきましょう。
まとめ
今回は、夏のマラソン大会の服装について解説しました。
最後に、服装は各々、自分に合ったものを選びましょう。
痩せている人より太っている人のほうが、体温の低下が低いと言われているので、その分、薄着になりやすいです。
なので、トレーニング時から、自分に必要なアイテムを見つけておきましょう。
ぜひ、暑い時期も快適に走れるよう、準備しましょう。
本日は以上です。
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【要チェック】フルマラソン完走ロードマップ
フルマラソン出場までの流れをまとめました。
初めてフルマラソン出場する方を対象に、下記の内容が分かります。
マラソン大会の選び方
購入すべきランニンググッズ
完走するためのトレーニング方法
レース前日や当日の過ごし方
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【完全版】初心者がフルマラソン完走するためのロードマップ