レース前のウォーミングアップ方法!フルマラソン前にジョグをする必要がないワケ
レースでベストを尽くすには、スタート前のウォーミングアップ(以下、ウォームアップ)が重要です。
体温を上げ、心肺機能に刺激を入れることで、スタート直後から高いパフォーマンスを発揮できます。
しかし、これは5kmや10kmなど短いレース時の話であり、フルマラソンは異なります。
フルマラソンは42.195kmという長い距離を走るわけなので、レース中にウォームアップをする認識で臨みましょう。
そこで、今回はフルマラソン前のウォームアップ方法を紹介します。
この記事を読めば、ウォームアップの効果、フルマラソン時におけるウォームアップのポイントが分かります。
ウォームアップの効果
ウォームアップは、「ジョグ」「流し」「ウォーキング」「動的ストレッチ※1」などが該当します。
※1 伸ばしたい箇所を反動動作を使って、通常の可動域以上動かして行うもの
まず、ウォームアップを行うことの効果です。
ケガを防ぐ
ウォームアップすると、ケガをする可能性が大幅に減少します。
ジョグやストレッチを行うことで、”関節周りの可動域”と”筋肉の柔軟性”が向上し、スタート時からスムーズに足を動かせます。
股関節周りや足関節(足首)など身体が凝り固まっている状態でレースに臨むと、関節や筋肉を傷める恐れがあります。
なので、ジョグやストレッチで刺激を入れ、身体をほぐしてあげましょう。
パフォーマンスが向上する
体温や筋温の上昇
ウォームアップを行うことで体温や筋温が上がり、酸素濃度の高い血液が全身に送られる※ようになります。
※運動を開始すると、酸素を運搬する赤血球内のヘモグロビンの数が増加し、酸素濃度の高い血液が全身に送られるようになる。
その結果、心臓の負担が減り、走り出しがラクになります。
呼吸しやすくなる
ウォームアップしていない場合、レース開始前は低かった心拍数(60~70拍/分)が、スタートと同時に、一気に、心拍数が上がる(140~160拍/分)ことになります。
このように、レース前とレース直後の心拍数にギャップがありすぎると、心臓への負担が大きく、身体が思うように動きません。
そのため、ウォームアップで適度に心拍数を上げておくと、呼吸がラクになります。
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レース前のウォームアップのポイント
【ポイント①】レース開始直後にウォームアップを開始する
5km、10km、ハーフマラソンのような、スタートから速いペースで走るレースであれば、ウォームアップは必要です。
ですが、フルマラソンにおいては、レース前の数十分にわたるジョグや流しは不要です。
42.195kmという長い距離を走るため、ウォームアップからエネルギーを消費してしまうと、レース後半の失速に繋がります。
また、トップ選手のように、スタートから速いペースで走るわけではないため、準備万端でスタートラインに立つ必要はありません。
スタート直後は、多くのランナーが一斉にスタートする関係で、道(コース上)が渋滞しています。
そのため、この渋滞(スタート直後〜2km)を利用して、ウォームアップ(ジョグ)しましょう。
具体的には、スタートしてから5~10分を目安に、ペースは気にせず、ゆっくり走ります。
徐々に身体が温まり、足が動き、呼吸も落ち着いたら、レーススタートです。
その頃には、渋滞も緩和されているので、設定ペースまで上げ、残りの距離を楽しみましょう。
【ポイント②】整列時に動的ストレッチを行う
(前述の)スタート直後にウォームアップを行う理由は「エネルギーの消費を抑える」こと、そして、もう1つ理由があります。
それは、レーススタートまでの「待機時間が長い」ことです。
(大会にもよりますが、)整列完了からレース開始までの待機時間は10〜30分あります。
下記は、「北海道マラソン2022」のスケジュールです。
7:00 スタートブロックへ整列開始
8:10 整列完了
・
・(待機時間20分)
・
8:30 マラソンスタート
※一部省略
ぎりぎり8:10に整列完了しても、スタートまで20分間の待機時間があります。
せっかく、ジョグを行い、身体を温めても、この待機時間の間に身体が冷えてしまいます。
そのため、(先述の通り、)レース前にジョグを行わず、この待機時間を利用して、ストレッチを行いましょう。
まずは、腕振りに必要な肩甲骨のストレッチです。
長時間、腕を振り続けると、上半身に疲労が溜まるため、ほぐしておきましょう。
ストレッチによって可動域を広げることで、腕振りがラクになります。
↓ 肩甲骨のストレッチ(上下)
↓ 肩甲骨のストレッチ(前後)
↓ 肩甲骨のストレッチ(腕振り[交互])
続いて、足をスムーズに動かすために必要な股関節のストレッチです。
42.195km走るために、股関節周りを柔らかくし、レースに備えましょう。
↓ 股関節のストレッチ(足振り[前後(下画像)]と[左右])
↓ 股関節のストレッチ(もも上げ)
↓ 股関節のストレッチ(内回し・外回し)
↓ ふくらはぎのストレッチ
↓ 太もものストレッチ
ストレッチを行うと、身体がほぐれるだけでなく、身体が温まります。
ふくらはぎや太もも、股関節、肩周りをほぐし、スタートを待ちましょう。
まとめ
今回は、フルマラソン前のウォームアップ方法を紹介しました。
整列時に動的ストレッチを行い、本格的に身体を動かすのは、レースがスタートしてからで良いでしょう。
レース前に走るのは、”余計なエネルギーを使う”だけなので、エリートランナー以外はやらなくてOKです。
それより、(レース前は)「ゼリー飲料などを補給する」「天候(気温、天気)に合ったウェアを着用する」「どのように走るのかイメトレする」ほうが大事です。
ぜひ、今回紹介したウォームアップを取り入れ、レースに臨んでみてください。
本日は以上です。
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