フルマラソンにはエナジージェルは何個必要ですか?【初心者ランナー必見】
フルマラソンにはジェルは何個(何本)必要ですか?
そんな疑問にお答えします。
エネルギー切れになると、動きや集中力の低下、疲労感を感じやすくなるなどパフォーマンスを維持するのが難しくなります。
そこで、ランナーの多くはレース中のエネルギー切れを抑えるために、エナジージェル(以下、ジェル)を携帯します。
ジェルは糖質補給ができる食品で、レース中に都度、摂取することでエネルギー切れを防ぎ、最後まで走り切ることができます。
ですが、初めてフルマラソンに出場する場合、どのくらい用意すればいいのか分からないと思います。
そこで、この記事では、マラソン中に必要なジェルの個数を紹介します。
私は医者でも研究者でもないので、松本恵の論文『「スポーツと栄養」─コンディショニングと栄養摂取』、鈴木志保子 著『理論と実践 スポーツ栄養学』の専門家の意見や科学的な研究結果を参考に解説しています。
糖質を摂取するタイミング
まず、レース当日に糖質を摂取するタイミングは3つあります。
- レース前(1~2時間前)
- レース中
- レース後
今回はジェル・ゼリーの個数についての解説です。
糖質補給はレース当日の朝食も該当しますが、この記事では触れません。
レース当日の朝食については、フルマラソン当日の朝食のポイント!おすすめの食事メニューや補給の流れは?をご覧ください。
以降、”糖質”という表現をしますが、”炭水化物”という認識でOKです。
レース前(1時間前)
レース当日は起床後、朝食を摂り糖質補給を行います。
その後、自宅、もしくはホテルを出発し、会場まで移動(電車や車、徒歩など)しますが、その移動中にもエネルギーを消費してしまいます。
フルマラソン前は、なるべくエネルギーを満タンにしておく必要があるため、レース直前に最後の仕上げとして食べ物やゼリー、ジェルなどを用いて糖質補給を行います。
このフルマラソン前(開始60分、それ以上前)の糖質摂取の目安量は、「体重1kgあたり1~4g」です。
例えば、体重60kgの場合、60~240gになります。
このタイミングでは消化に良い「ゼリー」や「バナナ」、「カステラ」などを摂ると良いでしょう。
- ゼリー1個(40g)
- バナナ1本(25g)
- カステラ1切れ(30g)
- 豆大福1個(50g)
()内は糖質の量
糖質が「1~4g/kg」と差があるのは、糖質を50g摂っただけで力がみなぎる方もいれば、200g必要な方もいる(個人差がある)ためです。
人によって、必要なエネルギー量は変わってくるので、その日の体調に合わせて摂取すると良いでしょう。
本題であるジェルは、1個あたり25~30gほどの糖質が含まれています。
ゼリーに比べると量が少ない、かつジェルは1個300円ほどかかるため、レース前には摂らなくても良いでしょう。
先ほどのゼリーや大福などは1個200円ほどなので、こちらのほうが安く済みます。
- レース直前の糖質摂取の目安量は、体重1kgあたり1~4g
- ゼリー1個 + バナナ1本を目安に摂取すると良い
- ジェルはこのタイミングでは摂らなくても良い
↓ コンビニで購入できる糖質補給食
関連記事:【ランナー必見】コンビニで購入できる補給食|フルマラソン時のエネルギー補給におすすめ
↓ レース前におすすめのゼリー
参考
ランニング雑誌「ランニングマガジン クリール」に旭化成所属の相澤晃選手のレース前の糖質補給について紹介されていました。
相澤選手はレース2時間前に『カステラ1~4切れ』、レース直前に『「アミノバイタル®パーフェクトエネルギー®」ゼリードリンク』を摂取しているそうです。
- レース2時間前:カステラ1~4切れ(箱根駅伝:3~4切れ、10000m:1~2切れ)
- レース直前:エネルギーゼリー
カステラ1切れは糖質30gなので、20kmちょっとの箱根駅伝時でも90~120g(3~4切れ)の糖質を摂取していたことになります。
プラスで、約40gの糖質を含んだゼリーを摂取し、レース前に130~160gの糖質摂取となります。
関連記事:【実費レビュー】アミノバイタル パーフェクトエネルギー ゼリードリンクの効果は?味や飲むタイミング解説
レース中
米国スポーツ医学会 (ACSM) によるガイドラインでは、フルマラソンのように2.5時間以上続けて運動する場合の糖質摂取の目安量は、「1時間あたり30~60g」と記載されています。
ジェル1個に付き糖質は30g配合されているので、30~60gはジェル1~2個分に相当します。
また、論文によると、糖質の摂取量が多いほど、パフォーマンス(持久力)向上効果があることが分かっています。
12人の被験者が、ブドウ糖(15g、30g、60g/h)のそれぞれを摂取。
2時間サイクリング、その後20kmのタイムトライアルを行い、長時間の運動による持久力のパフォーマンス向上とブドウ糖の摂取量との関係があるのかを調査した。
結果は、ブドウ糖の摂取量が多いほど、運動パフォーマンスが向上したことが分かった。
引用元:A Step Towards Personalized Sports Nutrition: Carbohydrate Intake During Exercise
1時間あたり10~120gの炭水化物の範囲で、12種類の異なる炭水化物を参加者に提供。
参加者は一定の負荷をかけて走行した直後、20kmのタイムトライアルを実施し、炭水化物の摂取量との関係があるのかを調査した。
結果は、1時間あたり60~80gの炭水化物の摂取した参加者が、最もパフォーマンスの向上が見られたと結論付けました。
引用元:A Step Towards Personalized Sports Nutrition: Carbohydrate Intake During Exercise
これらの研究結果から、1時間あたり60g(最低でも30g)の糖質を摂ることで、高いパフォーマンスで走れることが分かりました。
例えば、フルマラソン4時間を目指す場合、
- 1時間あたり60g摂る場合は、6個のジェル(レース開始1時間後、1.5時間後、2時間後、2.5時間後、3時間後、3.5時間後)
- 1時間あたり30g摂る場合は、3個のジェル(レース開始1時間後、2時間後、3時間後)
3~6個ジェルを携帯することになります。
ただ、一般的にはジェルは1時間に1個で、1時間に2個摂るのは胃腸トラブルの恐れもあるため、避ける方が多い印象です。
下記が、1時間に1個摂取する場合の、フルマラソン3時間30分(サブ3.5)から5時間(サブ5)までの摂取個数例です。
- サブ3.5:3個
- サブ4:3個
- サブ4.5:4個
- サブ5:4個
上記はあくまで目安なので、練習で実際に摂取してみて、自分に合った数を用意すると良いでしょう。
- レース中の糖質摂取の目安量は、1時間あたり30~60g(ジェル1~2個分)
- 糖質を多く摂取するほど、パフォーマンスが向上する
レース後
フルマラソン後の糖質摂取の目安量は、「最初の4時間で、体重1kg1時間あたり1~1.2g」です。
例えば、体重60kgの場合、1時間間隔で「60~72g」、「60~72g」、「60~72g」、「60~72g」と計4回摂取することになります。
仮にレースが14時に終了した場合、
14:00~14:59:60~72g
15:00~15:59:60~72g
16:00~16:59:60~72g
17:00~17:59:60~72g
となります。
60~72gの場合、「エネルギーゼリー2個分(30g)」や「カステラ3切れ(78.3g)」、「豆大福(61g)」相当です。
なので、レース直後はゼリーやカステラ、ようかん、豆大福などを食べ、帰宅の途中でごはん屋さんに寄ったり、自宅でご飯を食べると良いでしょう。
レース後はジェルよりリカバリー用のゼリーを摂るようにしましょう。
↓ おすすめのリカバリー用ゼリー
関連記事:マラソン後の疲労回復におすすめのサプリメント(リカバリー補給食)5選
まとめ
今回はマラソンに必要なエナジージェルの個数を紹介しました。
改めて、マラソンに必要な個数は下記のとおりです。
- レース前:0個
- レース中:3~4個※
- レース後:0個
※サブ3.5~5の場合
レース前後はゼリーや固形物で補うため、ジェルは使用しません。
レース中にのみ使うため、目標タイムに応じて用意しましょう。
ぜひ、参考にしてみてください。
本日は以上です。
関連記事:フルマラソンにおすすめの補給食15選【サブ3.5、サブ4、サブ5向け】
関連記事:マラソン後の疲労回復におすすめのサプリメント(リカバリー補給食)5選
【要チェック】フルマラソン完走ロードマップ
フルマラソン出場までの流れをまとめました。
初めてフルマラソン出場する方を対象に、下記の内容が分かります。
マラソン大会の選び方
購入すべきランニンググッズ
完走するためのトレーニング方法
レース前日や当日の過ごし方
▼詳しくはこちら
【完全版】初心者がフルマラソン完走するためのロードマップ