【実費レビュー】ガーミン「Forerunner 265」の性能とは!AMOLEDディスプレイ搭載のランニングウォッチ
Forerunner 265ってどんなランニングウォッチなの?
そんな疑問にお答えします。
「Forerunner 265」の購入を検討している方必見です。
この記事では、GARMIN(以下、ガーミン)が販売する「Forerunner 265(以下、本製品)」について紹介します。
本製品を”ひと言”で伝えると、過去フルマラソンを複数回走ったことあるランニング中級者〜上級者におすすめのランニングウォッチです。
「Forerunner 255」の上位モデルにあたる本製品は、新たに、AMOLEDディスプレイを搭載し、屋外でも画面が明るく、快適性が向上しています。
「GPS機能」や「心拍測定機能」はもちろん、「睡眠データのモニタリング」や「トレーニングプランの作成」など、基本的な機能は搭載されているモデルとなるため、初めてランニングウォッチを購入される方も満足するウォッチです。
そこで、今回は「Forerunner 265」の特徴、使用してみて感じた点を紹介します。
GARMIN(ガーミン)とは
1989年にアメリカで創業され、航空、船舶、自動車、ランニングなど幅広い分野でのGPSを用いたデバイスを開発・販売している、GPSに特化した会社です。
ランニングに特化した”ForeAthlete”シリーズを2004年に発売して以来、多くのランナーに絶大な支持を得ています。
また、2020年にスポーツ・健康・フィットネス分野の生理学分析を行うFirstbeat(ファーストビート)を買収。
(Firstbeatで)20年間蓄積した10万人を超える心拍データからデータベースを開発し、睡眠やストレス、消費カロリーなどの分析データをもとに、ランナーへ最適なサポートができる機能を搭載したウォッチを開発できるようになりました。
2022年、”ForeAthlete”は”Forerunner”へと名前を変え、さらにランナーにとって使い勝手の良いウォッチを開発・販売しています。
Forerunner 265の概要
Forerunner 265とは
本製品は2023年3月2日に発売された、GPS機能搭載のランニングウォッチです。
先進のトレーニング機能を搭載したGPSウォッチで、日常生活から日々のトレーニング、そしてレース本番までランナーをサポートします。
下記がガーミンが販売している中で、ランニングにおすすめのモデル一覧です。
- 【初心者】エントリーランナー向け
- ・ForeAthlete 55
- 【中級者】チャレンジランナー向け
- ・Forerunner 255 シリーズ
・Forerunner 265 シリーズ - 【上級者】シリアスランナー向け
- ・Forerunner 955 シリーズ
・Forerunner 965 シリーズ
「Forerunner 265」の立ち位置は、フルマラソン完走を目指しトレーニングする、より高みを目指すランナー向けのモデルとなっています。
Forerunner 265シリーズ
Forerunner 265シリーズは「265(レギュラーサイズ)」と「265S(コンパクトサイズ)」の2種類あります。
下記は「265」と「265S」の違う点のみを記載した表です。
商品名 | 265 | 265S |
ディスプレイサイズ | 直径1.3インチ (32.5 mm) | 直径1.1インチ (28.1 mm) |
重量 | 47 g | 39 g |
稼働時間 (スマートウォッチモード) | 約 13 日間 | 約 15 日間 |
稼働時間 (GPSモード) | 約 20 時間 | 約 24 時間 |
価格 (税込) | 62,800円 | 60,800円 |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る |
どちらのモデルを選んでも、”GPSの精度”や”心拍計”、”トレーニング分析機能”は同じものが搭載されています。
違いは、「ディスプレイサイズ」「重量」「稼働時間」「価格」の4項目です。
ディスプレイサイズが大きいほうが良い方は「265」、稼働時間が長いほうが良い方は「265S」を選びましょう。
Forerunner 265の外観
本体
↓ ディスプレイサイズは「1.3インチ」です。
↓ 側面右側には、操作のためのボタンが2個、配置されています。
↓ 左側には、ボタンが3個、配置されています。
↓ バンドはシリコンタイプです。
↓ 裏面には、”心拍数”や”血中酸素レベル”、”ストレスレベル”のデータを収集するため、「光学式心拍計」が搭載されています。
充電方法
専用の充電ケーブルです。
↓ 充電端子にケーブルを繋げば充電できます。
ボタンレイアウト
- LIGHT キー:●長押し:電源オン、●押す:ディスプレイ点灯、●長押し:コントロールメニューを表示
- UP キー:●押す:ウィジェット/ページ/オプション/設定をスクロール、●長押し:メニューページを表示、●長押し:スポーツを変更(アクティビティ実行中)
- DOWN キー:●押す:ウィジェット/ページ/オプション/設定をスクロール、●長押し:ミュージックコントロールを表示
- START・STOP キー:●押す:アクティビティ&アプリの表示、●押す:アクティビティのタイマーを開始/停止、●押す:選択項目を決定/メッセージを確認
- BACK キー:●押す:前の画面に戻る、●押す:ラップ取得、休息に移行、トランジション切り替え(マルチスポーツアクティビティ実行中)
タッチパネル搭載モデルなので、上記のボタンに加え、”タッチ操作”※もできます。
※設定で、タッチ操作できないようにもできる
ランニング時の画面
データを一目で確認できる、見やすい画面です。
画面に表示されるデータは下記の通りです。
- 上:走行時間
- 中央(左):走行距離
- 中央(右):ペース
- 下:心拍数
他にも、[DOWN キー]を押すことで、「ラップタイム」「ラップ距離」「ラップペース」「現在の時刻」が確認できます。
ランニング時の計測の流れは下記の通りです。
ウォッチフェイスページ(待ち受け画面)で[START キー]を押します。
これから行なうアクティビティを選択します。
ここでは、「ラン」を選択します。
「ラン」を選択し、[START キー]を押します。
ランニング開始前にGPSの捕捉を開始(赤色のゲージ)※します。
※捕捉中(赤色)の状態でランニングを開始すると、正しく距離やペースが計測できません。
自動で捕捉開始するため、特に操作は不要です
捕捉が完了すると、緑色のゲージに変わります。
場所にもよりますが、10秒ほどで補足完了します。
緑色のゲージに変われば、いつでもランニングを開始できます。
GPS捕捉完了後、[START キー]を押すと、タイムの計測が開始します。
あとは、自由に走るだけです。
走行中は(上記画像のように)、「心拍数」「ペース」「走行距離」「走行時間」などのデータがリアルタイムに表示され、瞬時に確認することができます。
”信号待ち”や”お店に寄った”際など計測を一時中断させたいときは、[START キー]を押すと、計測が止まります(一時停止状態)。
再び、計測を開始したいときは、「再開」を選択した状態で、[START キー]を押すと、計測が再開します。
ランニングを終了する際は、一時停止中のページから「保存」を選択した状態で、[START キー]を押すと、計測が終了します。
一時停止中のページから「保存」を選択する際は、[UP キー] や[DOWN キー]を押すと、各項目へ移動できます。
ランニングを終了すると、ワークアウトの詳細ページが表示されます。
これらのデータをもとに、自分の走りを振り返ることができます。
このように、非常に簡単な操作性なので、初めてランニングウォッチを使う方でも、安心して使用可能です。
Forerunner 265の機能
続いて、本製品に搭載されている、主な機能・特徴を見ていきます。
「Forerunner 255」の上位モデルという位置づけなので、「Forerunner 265」から新たに追加された機能は”印(しるし)”を付けて記載します。
1.3インチのAMOLEDディスプレイ
AMOLEDディスプレイ搭載により、日光が照りつける屋外でも画面が見やすいです。
下記はAMOLEDディスプレイ”非”搭載の「Forerunner 255」との比較ですが、(本製品のほうが)画面が明るく、文字が見えやすいことが分かります。
画面が”明るい”ほうが、より短時間で、ディスプレイの情報を入手できるため、あると便利な機能です。
タッチスクリーン
本製品はタッチパネル搭載で、”ボタン操作”に加え、”タッチ操作”の両方で操作ができます。
今や、スマートフォンの普及で”タッチ操作”が当たり前となっているため、より自然な操作を希望する方にとっては嬉しい機能でしょう。
重量
本製品はバンド込みで47gです。
30g台だと着用していることを忘れるくらいの”軽さ”なので、やや重量はありますが、それでも50gには達してないため、そこまで重さは感じないでしょう。
防水性能
防水等級は「5 ATM」です。
これは、水深50mに相当する圧力に対応することを意味します。
主に、下記の状態で使用する分には、壊れません。
- 水しぶき
- 雨または雪
- シャワー
- スイミング
- 水中への飛び込み
- シュノーケリング
- トライアスロン
雨に対応しているので、シャワーランやマラソン大会当日が雨の日でも使用可能です。
また、トライアスロンにも対応しているため、海水※での使用でも故障しにくい作りとなっています。
ただ、水深50m以上の圧力(水圧)には対応していないので、「スキューバダイビング」での使用はNGです。
GPS(衛星測位システム)
GPSを搭載しているため、”自動”で走っている場所を追跡し、距離、ペースなどの正確な統計データを得ることができます。
本製品は、下記の衛星測位システムを用い、位置情報を取得します。
- GPS(アメリカ)
- GLONASS(ロシア)
- Galileo(ヨーロッパ)
- みちびき(日本)
本製品は「GPS」単体だけでなく、「GPS + GLONASS」や「GPS + Galileo」といったように、複数の衛星測位システムを用いて位置情報を取得するため、より精度の高い、正確な統計データを得ることができます。
下記が対応しているGPS受信モードです。
- GPS:「GPS」と「みちびき」の衛星システムから信号を受信した設定
- マルチGNSS:「GPS」と「みちびき」と「GLONASS」と「Galileo」の全システムの信号を受信した設定
- マルチGNSSマルチバンド:「GPS」と「みちびき」と「GLONASS」と「Galileo」の全システムの信号に加え、「L1信号」と「L5信号」の2周波数帯の信号を受信した設定
- 自動選択(SatIQ™):SatIQ技術により、環境に応じて(上記の中から)最適なモードを自動的に選択する設定
各衛星から複数の信号を追跡できる「マルチGNSSマルチバンド」は複数の周波数帯を受信できるため、遮へい物の多いビルや山間部(森林)での計測に最適です。
また、「SatIQ™(衛星自動選択モード)」は環境に基づいて、最適な「衛星モード」に自動で切り替えてくれるので、毎回ランニングするエリアごとにGPSの切り替えが面倒な方に便利な機能です。
稼働時間
一度の充電(100%まで)で、日常使用※1で約13日間、GPSモード※2では最大20時間稼働します。
※1 日常使い・・・GPSを起動していないとき
※2 GPSモード・・・GPSを起動し続けているとき
本製品の稼働時間は、下記の通りです。
- スマートウォッチモード: 約 13 日間
- GPSモード: 約 20 時間
- マルチGNSSマルチバンドモード: 約 14 時間
GPSモードでもGPSの捕捉精度が高いモードほど、バッテリーを消耗するため、稼働時間は少なくなります。
ただ、一番、GPSの捕捉精度が高い「マルチGNSSマルチバンド」でも14時間バッテリーが持つため、フルマラソンも問題なくデータが計測できます。
心拍数のトラッキング(健康モニタリング)
手首ベースの心拍数測定(常時、毎秒)
センサーが6つ搭載された光学式心拍計で、心拍数を測定します。
センサーが多いため、精度が高く、より正確な心拍数の変動を測定できます。
ウォッチ内では現在の心拍数はもちろん、過去4時間の心拍数、過去7日間の平均安静時心拍数が確認できます。
呼吸数
1分間の呼吸数を表示します。
血中酸素トラッキング
血液中に取り込まれた酸素レベルを手首で測定することができます。
正常値は96〜100%で、95%未満まで下がると血中酸素濃度が低いと言われています。
疲労と回復のパラメータにもなり、パフォーマンスやフィットネスレベルの向上、ウェルネスライフをサポートします。
また、普段の生活のなかで身体的パフォーマンスに関する洞察を得ることができ、個人の健康の長期的な傾向を追跡するのに役立ちます。
Body Batteryエネルギーモニター
心拍変動、ストレスレベル、睡眠の質、そして毎日の活動レベルなどを分析し、身体的エネルギーの残量を測定する機能です。
数値は5〜100 で表示され、そのスコアが大きいほど、その日の活動や運動に費やすことのできるエネルギーが十分にあることを意味します。
反対にスコアが低いほど、体力を温存して休息をとる必要性を示します。
- 76〜100:高い
- 51〜75:普通
- 26〜50:低い
質の良い睡眠をとると、Body Batteryのレベルが増加します。
下記のように、ランニングなどアクティビティを行なうと、エネルギー(数値)が減ります。
ストレスレベル計測
日々のストレスレベル※を計測できます。
※数値が100に近いほど、ストレスレベルが高いことを示す
ストレスが高いときには、リラックスリマインダーで心身のリラックスに最適なブレスワークを促します。
睡眠モニタリング/睡眠スコア
ウォッチを装着したまま就寝すると、自動で「睡眠時間」と「睡眠レベル」、「睡眠中の動き」を記録します。
日々の”睡眠の質”が点数(スコア)で表示され、改善のためのアドバイスを受け取ることもできます。
ヘルススナップショット
2分間のセッションを記録して、心拍数や心拍変動、呼吸数、ストレス、血中酸素レベルなどの主な統計データを記録することができます。
心肺機能を総合的に把握するのに役立つ機能です。
スマート機能
天気情報
今日の天気、体感温度、3日間の天気予報(最高気温、最低気温、降水確率)、紫外線指数、湿度などが確認できます。
音楽
ウォッチ本体に音楽を保存でき、スマートフォンなしで音楽が楽しめます。
スマートフォン本体を持ち運びたくないが、ランニング時に音楽を聴きたい方におすすめです。
「Spotify」「Amazon Music」「LINE MUSIC」など全7種類の音楽配信サービス※に対応しており、音楽配信サービスからプレイリストを同期することで、Bluetoothイヤホンを使って音楽が聴けます。
- Spotify
- Deezer
- Amazon Music
- LINE Music
- Podcasts
- playrun
- AWA Music
※各ストリーミングサービスのサブスクリプション契約が必須
スマートフォンなしで音楽が楽しめるため、手軽に走りたい方におすすめの機能です。
Garmin Pay / Suica
「Garmin Pay」、「Suica」に対応。
対応する加盟店や交通機関などで非接触型決済での支払いができるため、買い物や電車での移動もスムーズです。
ライフログ機能
ステップ数(歩数)
1日のステップ数を確認できます。
毎日深夜0時にリセットされます。
消費カロリー
1日の消費カロリーを確認できます。
上昇階数
1日の上昇階数を確認できます。
トレーニング計画・分析機能
心拍ゾーン
心拍ゾーンは、自身のトレーニングレベルを測る際に、活用するものです。
心拍数は、運動強度を客観的に測るための一つの物差しで、適切な心拍ゾーンでトレーニングを行なうことで、「心肺機能の向上」や「オーバートレーニングの防止」、「ケガのリスク軽減」することができます。
一般的に心拍ゾーンは”最大心拍数※”に対する割合を基に計算され、ゾーン1〜ゾーン5の5つのゾーンに分けられます。
※「220 ー 年齢」で求められた推定値を利用
心拍ゾーン | 最大心拍数の% | ゾーン |
---|---|---|
5 | 90〜100% | 無酸素ゾーン:酸素代謝を主なエネルギー源とするため、長時間行うことはできないが、耐乳酸能力と最大酸素摂取量を高めることができる |
4 | 80〜90% | マラソンペースゾーン:マラソンの際の目安となる心拍数 |
3 | 70〜80% | 有酸素ゾーン:中程度のトレーニング能力と効率を上げ、身体能力を高める基礎トレーニングに、最も適したペース |
2 | 60〜70% | 脂肪燃焼ゾーン:快適で会話ができるペースで、脂肪燃焼率が最高の心拍ゾーン |
1 | 50〜60% | ウォーミングアップゾーン:リラックスしたペースでの、運動前のウォーミングアップと、体力回復のゾーン |
(上記、表のとおり)心拍ゾーンの数字が大きい(5が最大)ほど運動強度が高く、小さいほど強度が低くなります。
例えば、最も低い心拍ゾーン(50-60%)は、軽い運動強度を示し、一般的には運動前後のウォームアップやリカバリージョグが挙げられます。
一方、80-90%の心拍ゾーンはマラソンのレースペースの目安となる心拍数のため、レースに出場する際の参考になります。
このように心拍ゾーンを知ることで、トレーニングの強度を正確に把握し、目標に対する効果を最大化することが可能です。
関連記事:ランニング初心者が知っておくべき心拍数に基づくトレーニング方法
リカバリータイム
トレーニング後の身体が十分に回復して、次のトレーニングを行なうのに最適な状態になるまでの時間を表示する機能です。
”睡眠”や”ストレス”、”休息”、”活動変化”に基づき、回復時間が提案されます。
あくまで目安なので、完全に回復時間を待つ必要はありませんが、回復した状態でランニングするほうがケガのリスクが少ないため、ランニングを始めたばかりの方は特に意識すると良いでしょう。
下記のように、ランニングなどアクティビティを行なうと、時間が伸びます。
モーニングレポート
起床時にその日の天気や睡眠、トレーニングの概要、HRVステータスなどの情報が表示される機能です。
身体の疲労度に合わせて、トレーニングメニューを提案してくれるため、身体を追い込みすぎずにトレーニングできます。
レースウィジェット
出場するマラソン大会を指定すると、コースの詳細、天気、パフォーマンスに基づいてトレーニングのヒントや完走時間の予測を行い、次のレースの準備ができます。
初マラソンの方はすべてが初めての体験のため、様々な情報を提供してくれる、この機能は良いサポートをしてくれるでしょう。
HRV ステータス
”睡眠中※”に光学式心拍計で心拍を測定・分析して、心拍変動(HRV)を表示する機能です。
※睡眠中、ウォッチを着用する必要あり
「HRVステータス」はフィンランドに本社を構えるファーストビートアナリティクス社が提供するサービスです。
20年間蓄積した10万を超える膨大な計測データを持っており、心拍数のリズムだけで、ストレス値など多くの健康情報を提供することができます。
2020年6月30日にガーミンが買収したことで、ガーミンはこれらのデータを活用し、より多くの情報を提供できるようになりました。
HRVステータスを利用することで、下記のデータが確認できます。
- ストレスと回復:1日のうちどれだけのストレスを感じているのか、身体がそれらのストレスをどのくらい回復できているかをリアルタイムに確認
- ボディバッテリー:現在の体力に合わせて、適切なトレーニングメニューの提案、休息のタイミングをアドバイスする
- 睡眠の質の評価:睡眠時間だけでなく、睡眠の質をデータ学習させ、「どのくらい回復できているか」という点から睡眠を評価する
HRVステータスは睡眠中にデバイスを装着することで測定できます。
75ms、80msなど数値で表示され、数値が高いほどトレーニングとリカバリーのバランスが良く、心臓血管の健康状態が優れていて、ストレスからの回復力があるなど、健康状態が良い兆候であることを示します。
一方、数値が低いと、疲労や十分な回復の必要性、高いストレスなどの兆候を示します。
トレーニングレディネス
「昨晩の睡眠スコア」や「HRV ステータス」などのデータを基に、トレーニングの準備がどの程度できているかをスコアで表示してくれる機能です。
スコアは下記のデータを基に、1日を通じて常にアップデートされます。
- 昨晩の睡眠スコア
- リカバリータイム
- HRV ステータス
- 短期的負荷
- 過去3日間の睡眠履歴
- 過去3日間のストレス履歴
また、各スコアごとの状態は下記の通りです。
- 95〜100:最高の状態
- 75〜94:難題に取り組む準備ができている
- 50〜74:準備ができている
- 25〜49:少しペースを落としましょう
- 1〜24:回復しましょう
例えば、上記の画像の状態(スコア59:中程度)では、2〜3時間程度の長時間のランニングは行わずに、30〜60分程度に留めておくべきことが分かります。
「今日はハードなトレーニングをしても良いか」、それとも「リラックスして回復に努めるべき」かを判断できるため、無理せずランニングに取り組めます。
VO2 Max (最大酸素摂取量)
Vo2maxとは、1分間に体重1kgあたりに、体内に取り込むことができる酸素の量のことです。
Vo2maxが低ければパフォーマンスレベルが低く、高ければ高いほどパフォーマンスレベルが高い、要は「長時間走るだけの能力がある」という指標になります。
各カラーゲージごとの、ランニングレベルは下記の通りです。
- パープル:優れている
- ブルー:非常に良い
- グリーン:良い
- オレンジ:普通
- レッド:悪い、または非常に悪い
トレーニングを積み重ねていけば、徐々にスコアは上がっていくため、数値を上げることを目標に取り組む、良い指標となります。
また、ランニング・マラソンにおいて、「酸素」はエネルギーを生成する上で欠かせないものなので、より多くの酸素を取り込む力を確認できる優れたツールです。
トレーニングステータス
パーソナルトレーナーのように、日々の「トレーニングの成果」や「トレーニング強度」についてアドバイスする機能です。
トレーニングステータスでは「VO2 Max」と「短期的負荷」、「HRV ステータス」の長期間のデータを基にパフォーマンスにもたらす効果を示します。
- 短期的負荷:運動時間や強度などの最近の運動負荷を加重合計したスコアを表示
- 負荷バランス:過去4週間のトレーニングを低強度有酸素運動、高強度有酸素運動、または無酸素運動に分類し、各分類の負荷の量とバランスを表示
- VO2 Max:前述の通り
- HRV ステータス:前述の通り
- リカバリータイム:前述の通り
↓ 短期的負荷
↓ 負荷バランス
トレーニング効果
有酸素運動能力と無酸素運動能力にトレーニングがもたらす効果を数値で示したものが、「トレーニング効果」です。
数値は”ユーザープロフィール”と”心拍数”、”アクティビティの継続時間や強度”、”運動中に蓄積したEPOC値”を基に算出されます。
下記が、「有酸素トレーニング」と「無酸素トレーニング」の位置づけです。
- 有酸素トレーニング:中程度の一定したペースで行なう運動や、180秒以上継続して運動するインターバルを含むワークアウトは、有酸素性エネルギー代謝を促し、有酸素運動能力に高い向上効果をもたらす
- 無酸素トレーニング:10秒から120秒までの短いインターバルを高強度で繰り返し行なうワークアウトは、無酸素性キャパシティの向上にかなり高い効果をもたらす
トレーニング効果値 | 有酸素向上効果 | 無酸素向上効果 |
---|---|---|
0.0〜0.9 | 効果なし | 効果なし |
1.0〜1.9 | 効果 小 | 効果 小 |
2.0〜2.9 | 有酸素フィットネスの維持 | 無酸素フィットネスの維持 |
3.0〜3.9 | 有酸素フィットネスの向上 | 無酸素フィットネスの向上 |
4.0〜4.9 | 有酸素フィットネスのさらなる向上 | 無酸素フィットネスのさらなる向上 |
5.0 | 過度なトレーニング 十分な休息なしではリスクあり | 過度なトレーニング 十分な休息なしではリスクあり |
「普段のトレーニングがどのくらい効果があるのか」がすぐに確認できる機能です。
おすすめワークアウト
1週間分のおすすめトレーニングを確認できます。
トレーニングメニューの提示は、毎日のトレーニング状況に応じて調整されます。
また、「レースウィジェット」を登録すると、出場するレースに向けてトレーニングメニューが確認できるので、一人でトレーニングされている方には便利な機能です。
コースガイド
「Garmin Connect」アプリで既存のコース検索したり、自分でコースを作成し、ウォッチに読み込むことができます。
マラソン大会で実際に走るルートを作成すれば、”試走”も簡単に行うことができます。
レース予想タイム
自身のフィットネスレベルと過去のトレーニング履歴を基に、レースの予想タイムを表示する機能です。
(予想タイムが縮まることで、)日々のトレーニングの成果が目に見えて分かるため、モチベーションアップに繋がります。
また、マラソン大会に一度も出場したことない方の”参考値”にもなるため、ここに表示されたタイムを目標にするのも一つです。
Forerunner 265を使ってみた感想
[感想①] 色鮮やかなので、とにかく見やすい
本製品の最大の特徴である「AMOLEDディスプレイ」搭載により屋内、屋外問わず、画面が明るくなり、とても見やすかったです。
走行中、定期的に画面を見る(例:1kmごとにペースを確認)方にとっては、一度ですべての情報がキャッチできるほど視認性※が向上しています。
※目で見たときの確認のしやすさ
他のブランド含め、「AMOLEDディスプレイ」搭載モデルは少ないため、最先端のランニングウォッチを使っているみたいで、着用するだけで気持ちが高ぶるアイテムです。
[感想②] GPSの精度が高いので、正確な走行データが取得できる
本製品はガーミン ランニングウォッチの中でも最高精度を誇る「GNSSマルチバンド」に対応しているため、正確な走行データが取得できます。
下記は、GNSSマルチバンド非対応「ForeAthlete 45」と比較した※際の走行データです。
※片腕に2つ装着して、同じタイミングで計測しています
全く同じコースを往復している走行データですが、本製品のほうがちゃんと道に沿って、線が引かれているのが分かります。
走行距離もより正確に測ることができるため、正確なデータを測定したい方には良い機能です。
[補足] フルマラソンでもほぼズレなく距離を計測できた
2023年12月に開催された「第18回 湘南国際マラソン」で使用しましたが、ほぼ誤差なく計測することができました。
42.195km走って、その誤差は「約300m」。
1kmごとにペース(速度)を知りたい方にとっては、このGPSの精度の高さは嬉しいポイントでしょう。
[感想③] パフォーマンス向上をサポートする機能により、最適なトレーニングができる
本製品には、「トレーニングレディネス」や「HRV ステータス」など日々のトレーニングをサポートする機能が多数搭載されています。
トレーニングレディネスやHRV ステータスの数値が高ければ「ハードなトレーニングをしてもOK」という指標になりますし、逆に、数値が低ければ、「疲労が溜まっているのでトレーニングをせずに回復に努めるべき」と言うことが分かります。
これらはウォッチを装着し、心拍数のリズムから導き出されるデータなので、あなたに合った最適なデータを提示してくれる機能です。
自分自身でも分かるくらい、明らかに疲労が溜まっている場合は別ですが、自分自身は身体が元気だと思っていても、実は疲労が溜まっていることもあります。
その日の最適なトレーニング強度を教えてくれるだけでなく、ケガを防ぐ意味でも良い機能でした。
[感想④] 出場するレースに向けて、最適なワークアウトを教えてくれるので、何も考えずに取り組める
毎朝、トレーニングのレベルや現在の回復状況(睡眠や心拍数から算出)に基づいて、その日にあったトレーニングメニューを提示してくれるため、自分自身を追い込みすぎず、適切なトレーニングができます。
どんなトレーニングを行えばよいか分からないランナーの方でも、隣にコーチがいる感覚で、トレーニングメニューを提示してくれます。
また、出場するレースを登録することで、レースに合わせたトレーニングメニューを提示してくれます。
普段の土日であれば、90分ジョグや15km走など、1時間以上走行するメニューが提示されます。
ですが、(上記の画像のように)レース1週間前の土日は、30分ジョグのように疲れが残りにくいメニューが提示されます。
初めてフルマラソンに挑戦する方は知識も経験も少なく、「レース当日までに、どのように調整すれば良いか分からない」方もいると思いますので、そんな方に便利な機能です。
[感想⑤] 他のガーミン利用者と比較できるので、自分の現在地が確認できる
他のガーミン利用者と、『週単位の平均距離』や『VO2 Max』などのデータが比較できます。
”走行距離”や”ペース”などのランニングの記録を、他人と比べる必要は全くありませんが、1ヶ月、3ヶ月と、ある期間ごとに振り返る際に活用できます。
下記が、比較できる項目です。
- 週単位の平均走行距離(km)
- 週単位の平均走行時間
- 平均ペース
- アクティビティ数
- VO2 Max
初めは、一番左にいたが、半年後には中央に行くことができれば、モチベーションアップに繋がります。
特に、一人で走っている方は、周りの情報が入ってきにくいため、役立つでしょう。
前作「Forerunner 255」との比較
本製品の一つ前のモデルである「Forerunner 255」シリーズとの比較です。
ここでは、大きな違いのみ記載します。
商品名 | Forerunner 265 | Forerunner 255 |
発売日 | 2023年3月2日 | 2022年6月16日 |
ディスプレイタイプ | AMOLED | 半透過メモリインピクセル(MIP)カラー |
稼働時間 (スマートウォッチモード) | 約 13 日間 | 約 14 日間 |
稼働時間 (GPSモード) | 約 20 時間 | 約 30 時間 |
タッチスクリーン | ● | – |
トレーニングレディネス | ● | – |
価格 (税込) | 62,800円 | 52,800円 |
タイトル | 詳細を見る | 詳細を見る |
「265」と「255」シリーズに搭載されている機能は、すべて同じです。
大きな違いは、
- AMOLEDディスプレイが搭載されているか
- タッチスクリーンがあるか
- トレーニングレディネス(機能名)があるか
です。
これらの機能が必要であれば、「265」シリーズをおすすめします。
価格差は1万円もあるため、そこまで重要でなければ「255」シリーズで良いでしょう。
関連記事:ガーミン「Forerunner 255」と「Forerunner 265」の違いを比較!どちらのモデルがランナーにおすすめ?
関連記事:【実費レビュー】ガーミン Forerunner 255 Musicの性能とは!音楽機能搭載の万能ランニングウォッチ
Forerunner 265を最安で買えるのはAmazon!Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングとの価格差を解説!
公式サイト | 62,800円 (税込) |
Amazon | 57,091円 (税込) |
楽天市場 | 62,800円 (税込) |
Yahoo!ショッピング | 62,800円 (税込) |
スーパースポーツゼビオ | 62,800円 (税込) |
スポーツデポ・アルペン | 62,800円 (税込) |
「Amazon」が、公式サイトと同じ価格で購入できます。
ただし、各通販サイトのセール等で価格の変動がある場合もあるため、最新の価格は下記のリンクよりご覧ください。
まとめ
今回は、GARMIN(以下、ガーミン)が販売する「Forerunner 265」について紹介しました。
改めて、本製品はフルマラソン完走を目指しトレーニングする、より高みを目指すランナー向けのモデルとなっています。
実際に触ってみましたが、AMOLEDディスプレイにより屋外でも鮮やかで、装着しているだけで気分を上げてくれるため、とても気に入っています。
ぜひ、参考にしてみてください。
本日は以上です。
関連記事:【2024年】初心者におすすめランニングウォッチ15選!人気ブランドと選び方をご紹介
関連記事:【2024年版】ガーミンおすすめランニングウォッチ9選!各モデル徹底比較
【要チェック】フルマラソン完走ロードマップ
フルマラソン出場までの流れをまとめました。
初めてフルマラソン出場する方を対象に、下記の内容が分かります。
マラソン大会の選び方
購入すべきランニンググッズ
完走するためのトレーニング方法
レース前日や当日の過ごし方
▼詳しくはこちら
【完全版】初心者がフルマラソン完走するためのロードマップ