マラソン大会前のカーボローディングのやり方!何日前に行う?食事メニュー解説

yusuke saito
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初心者ランナー
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カーボローディングってなに?どうやって行えばいいの?

そんな疑問にお答えします。

マラソンに出場する前にやるべきことの中の一つであるカーボローディングですが、名前は聞いたことあるのではないでしょうか。

カーボローディングとは、糖質を身体に溜め込む食事方法で、フルマラソン完走するためのエネルギーを確保する大事な作業です。

そこで今回は、カーボローディングのやり方を解説します。

レース当日、最高のコンディションで臨むための大事な作業になるので、ぜひ覚えておきましょう。

カーボローディングとは?

カーボローディング(またはグリコーゲンローディング)とは、糖質を身体に溜め込む食事方法です。

名前の由来

「カーボ(カーボハイドレイト=炭水化物)」 + 「ローディング(蓄える)」の組み合わせでカーボローディング。

または「グリコーゲン(糖質。走るために欠かせないエネルギー源のこと)」 + 「ローディング」の組み合わせでグリコーゲンローディングと呼ぶ

炭水化物は、「糖質」と「食物繊維」の2種類から成り立ちますが、カーボローディングでは「糖質」をエネルギーとして使用します。

「食物繊維」は消化が悪い、かつ便意を催す可能性が高く、摂りすぎると便が緩くなって下痢を引き起こしてしまいます。

なので、カーボローディングでは「炭水化物」を摂取するというより、「糖質」を摂るイメージで考えていただくと良いです。

「糖質」を身体に補充することで、車でいうガソリン満タン状態でレースに臨むことができるので、より長い距離走ることが可能になります。

カーボローディングの目的

改めて、カーボローディングは、フルマラソン完走するためのエネルギーを身体に溜め込む食事方法です。

まず、フルマラソン完走に必要なエネルギー量は(成人男性で)2,600kcal前後です。

しかし、人間の体内に「糖質」を貯めておける量には限りがあり、約1,600kcal※しか貯めておけません。

※筋肉に300g、肝臓に100gの計400gの糖質を持っていると言われており、この計400gをエネルギー量に換算すると約1,600kcalとなる

なので、糖質を満タンまで貯めても約1,000kcalは不足するので、不足したエネルギー(約1,000kcal分)はレース中に補給食を都度補給していき、完走を目指します。

おすすめのエネルギー補給食は、フルマラソンにおすすめの補給食15選【サブ3.5、サブ4、サブ5向け】で解説しています。

しかし、カーボローディングを行わないと、さらに少ないエネルギー(1,600kcal未満)しか身体に貯めることができません。

そうなると、(レース中に)1,000kcal以上の糖質を摂らないといけなくなり、負担が増えるため、カーボローディングはぜひ行いましょう。

カーボローディングの効果

カーボローディングは、ハンガーノックを防ぐことができます。

ハンガーノックとは

エネルギー切れのことで、自動車でいうガス欠と同じで、体内のエネルギー(車で言うガソリン)を使い切ることで起こります

先程も伝えたとおり、フルマラソン完走するにはエネルギーが必須で、(事前に)食事を通じてエネルギーを溜め込む必要があります。

(エネルギー不足により)ハンガーノックが起これば、身体に力が入らず、足が思うように前へ進みません。

また、ハンガーノックが起これば(足が止まり)、完走できる可能性が低くなるので、レース前に少しでも多くの糖質を体内に貯めておきましょう。

カーボローディングのやり方

それでは、カーボローディングのやり方を解説します。

カーボローディングは大きく分けて2つのやり方があります。

カーボローディングのやり方
  • 古典的なやり方
  • 現在、主流となるやり方

古典的なやり方

レース1週間前から糖質を減らした食事に変更し、トレーニングの運動量を増やすことで体内の糖質を枯渇させます。

3日前にトレーニングの運動量を減らし、その分、糖質の量を極端に増やすことで、体内に溜め込む方法です。

レースまでの期間運動量食事糖質の量
1週間前〜4日前増やす糖質を減らす糖質を枯渇させる
3日前減らす糖質を増やす糖質を溜め込む
2日前〜前日休息糖質を増やす糖質をさらに溜め込む

1度、体内の糖質を枯渇させることで、身体はより多くの糖質を取り込もうとする働きを利用したものになります。

しかし、この古典的なやり方は、いくつかのデメリットがありました。

古典的なやり方のデメリット
  • 1週間前に運動量を増やすので、レース当日までに疲労が抜けない
  • 運動量を増やしたのに、糖質を減らすので体調を崩しやすい

上記のように、レース当日に向けてコンディションを上げなければいけないにも関わらず、むしろコンディションを悪化させてしまう方法でもありました。

ポイント

1週間前に運動量を増やし、糖質を減らす古典的なやり方は、万全な状態で挑むことが難しいやり方です

現在、主流となるやり方

続いて、現在、多くのランナーが行っている主流のやり方です。

レース1週間前からトレーニングの運動量を減らし、食事は普段通り行います。

レース3日前から運動量を減らしたまま(もしくは休みにし)、糖質の量を極端に増やす食事に変更する方法です。

レースまでの期間運動量食事糖質の量
1週間前〜4日前減らす普段通り糖質を維持
3日前減らす糖質を増やす糖質を溜め込む
2日前〜前日休息糖質を増やす糖質をさらに溜め込む

こちらは運動量を減らすことで糖質の消費を減らし、体内に溜め込もうというやり方です。

3日前から糖質の量を増やすだけで、あとはいつも通りでOK。

また、運動量も1週間前から減らすため、負担も少なく、疲労も残りません。

ポイント

3日前から糖質を増やすだけの食事方法に切り替えるだけなので誰でも取り組みやすいです。また、運動量も減らしているのでケガや体調不良を防ぎ、最高のコンディションでレースに挑むことができます

カーボローディング時の食事のポイント

続いて、カーボローディング時の食事のポイントです。

[ポイント①] 3日前から糖質の量を70%に増やす

「では、どのくらい糖質を増やせばいいのか」

現在、主流のやり方で見ていきます。

一般的に、1回の食事では全体の50〜60%を糖質が占めています。

これをレース3日前から全体の70%以上に引き上げます。

たった、これだけです。

ポイント

レース3日前から全体の70%以上を糖質にする

[ポイント②] 食事量は変えずに糖質だけ増やす

カーボローディングは、糖質を増やす食事方法です。

ただ、普段と同じおかずの量ではありません。

糖質を50%→70%に増やしたなら、おかずは50%→30%に減らして調節するやり方です。

なので、必要以上に食べ過ぎないように注意しましょう。

また、1度に多く食べられない人は、間食を利用して、「カステラ」や「果物」、「お菓子」など摂りましょう。

[ポイント③] 糖質とは、どんなものがある?

糖質は、大きく単糖類と多糖類の2つに分かれます。

単糖類とは、摂取後すぐにエネルギーとして使用できますが、身体にあまり蓄えられません。主に、お菓子や果物などが挙げられます。

多糖類とは、エネルギーになるまで時間がかかりますが、身体に蓄えることができます。主に、ご飯、パン、麺類(パスタ、うどん)などが挙げられます。

  • 単糖類:レース中のエネルギー補給に向いている(お菓子や果物)
  • 多糖類:レース前の補給に向いている(ご飯やパスタ

下記が、主な糖質(多糖類)のメニューです。

主な糖質(多糖類)のメニュー
  • ご飯
  • パン
  • 麺類(パスタ、うどん)
  • お餅

カーボローディング時は、ご飯やパスタ大盛りにするなど、普段より多くの糖質を摂りましょう。

[ポイント④] バランス良く食事を摂ろう

糖質を多く摂ろうとすると、栄養が偏ってしまいます。

そのため、体調を整えるには、ビタミンやミネラルなどの栄養素を積極的に摂取する必要があります。

ビタミンは「オレンジ」や「グレープフルーツ」、「キツイフルーツ」などに含まれているので、サプリメントや食事で摂ることができます。

また、ミネラルは水から補給できるので、詳しくはマラソン大会前のウォーターローディングのやり方!始める期間や効果は?で解説しています。

[ポイント⑤] 体重変動に気をつける

カーボローディングを行なうと体重が増加します。

糖質の量は増やしますが、その代わり、運動量は減らすので1〜2kg増加することが考えられます。

人によっては1kg増加するだけで走りに影響する場合もあると思うので、レース1週間にいきなりやるのではなく、レース1ヶ月前に自分に合った方法(食事量)を見つけておくと、直前のトラブルを防げます。

おすすめの食事メニュー例

下記は、カーボローディングの食事例です。

レース
(残り日数)
メニュー例
3日前朝:おにぎり2個、味噌汁、バナナ

昼:うどん、かやくご飯セット

間食:ロールケーキor和菓子

夜:ラーメン、チャーハン、餃子、サラダセット
2日前朝:もち3個

昼:パスタ、パン、ヨーグルト+半バナナ、トマトスープ

間食:バナナ

夜:うな丼、漬物、味噌汁、温野菜、りんご、蒸しパン
前日朝:パン、バナナ、ヨーグルト

昼:おにぎり4個

間食:バナナ

夜:パスタ、そば、チャーハン、野菜、デザート
「鍋倉賢治著 マラソンランナーへの道 p157」より引用

上記のように、糖質だけでなく、バナナ、りんご、オレンジなどのビタミンも一緒に補給しましょう。

他にも、SNSで投稿されていたカーボローディングメニューをご紹介します。

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また、カーボローディング中は、胃に負担のかかる、消化に悪いものは摂らないようにしましょう。

消化に悪いもの
  • 脂肪分の多いもの
  • 食物繊維の多いもの
  • 生もの
  • 辛いもの
  • アルコール

お腹が緩くなると、レースに影響を及ぼします。

特に、レース前日は糖質を摂りつつ、消化の悪いものは避けるようにしましょう。

詳しくは、フルマラソン前日の食事のポイント解説!コンビニでおすすめメニューは?で解説しています。

まとめ

今回は、カーボローディングのやり方を解説しました。

カーボローディング(またはグリコーゲンローディング)とは、糖質を身体に溜め込む食事方法です。

レース3日前から運動量を減らし、糖質(ご飯、パン、麺類)の量を極端に増やしていきましょう。

フルマラソンで自分の力を発揮するにはエネルギーが満タンであることが必須なので、ぜひ参考にしてみてください。

自分で料理できる方は、「駒大陸上部の勝負めし」のレシピはとても参考になるのでおすすめです。

本日は以上です。

関連記事:フルマラソン1週間前の過ごし方!食事や練習メニュー紹介

関連記事:フルマラソン前日の過ごし方!やってはいけない4つのこと

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Yusuke Saito
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マラソンランナー
初心者のためのマラソンブログ「31らん(さいらん)」運営者。2018年6月にランニングを始め、年間2,500km走ってます。これまでの記録は、【フルマラソン】 3:57:54(ちばアクアラインマラソン2024) 【ハーフマラソン】 1:46:18(第39回フロストバイトロードレース)。マラソン大会に向けた流れやトレーニング方法、ランニンググッズを紹介していきます。
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