ランニング初心者のための水分補給ガイド!おすすめの飲み物や水分補給のタイミングは?

yusuke saito
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初心者ランナー
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ランニング時の水分補給のポイントについて知りたいです

長い距離を走るためには体力やスタミナだけでなく、適切な水分補給も欠かせません。

ランニング中、汗をかくことで体内の水分が失われ、”パフォーマンスの低下”や”熱中症”になる恐れがあるからです。

この記事では、ランニング初心者が押さえておきたい水分補給の基本をわかりやすく解説します。

おすすめの飲み物から、最適な水分補給のタイミングまで、あなたのランニングをサポートする情報満載です。

水分補給の重要性

はじめに、水分補給の重要性について解説します。

ランニング中の体温上昇(=熱中症)を抑える

人間は運動をすると、筋収縮に伴い、安静時の10〜15倍の熱が生成され、体温が上昇します。

日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」によると、体重60kgの人が運動を行い、(体内から)全く熱が放出されなければ、体温は30分後に40℃まで達するほど、熱が生成されます。

しかし、現実的に全く熱が放出されないことはなく、実際には、30分で1℃程度しか体温は上昇しません。

その体温上昇を助けているのが、「汗をかく」行為です。

汗は皮膚表面から蒸発する際、気化熱を奪い、体温を低下させる役割があります※。

※ただし、ポタポタと落ちてしまった汗には、体温を下げる効果はない

運動中の発汗量は「1時間に2リットルにも及ぶ」ことがあり、体重の2%以上の水分を失うことで運動能力が低下すると言われています。

水分補給をせずにいると、脱水状態に陥り、汗が出ないため、体温を下げることができず、”熱中症”で倒れるといったことに繋がります。

そのため、運動中の水分補給は”脱水症”や”熱中症”を防ぐ、とても重要な行為となります。

[補足] 熱中症・脱水症とは

熱中症とは、深部体温が上昇し、その熱をうまく体外に逃がすことができずに生じる症状のことを言います。

熱中症になると、「頭痛」「吐き気」「身体のだるさ(倦怠感)」といった症状が起こります。

脱水症とは、尿や発汗により体重の2%以上の体液が失われることを言います。

脱水とは単なる水の不足ではなく、カラダから電解質(塩分など)も同時に失われた状態のことを言います。

脱水状態(体重の2%以上の体液が失われる)になると発汗量が減少し、その影響で体温が下げられなくなり、深部体温が上昇して、結果、熱中症を引き起こします。

汗で失われたミネラルを補給する

汗の成分は99%「水」ですが、それ以外に「塩分(ナトリウム)」や「カリウム」「カルシウム」「鉄」などといったミネラルも含まれています。

ミネラルが不足すると、筋肉がうまく動かせなくなり、足が攣りやすくなります。

長時間走るフルマラソン時に足が攣るのは、レース中にミネラルの補給が十分に行われていないことなど※が原因として挙げられます。

※足が攣る原因
  • 筋肉の疲労
  • 水分の不足
  • ミネラルの不足
  • 身体の冷え

そのため、水分補給をする際は、「水」だけでなく、「ミネラル」も一緒に補給することが重要です。

ランニング中に水分不足になると、どうなる?

身体から汗などで水分が失われると、脱水状態になり、運動パフォーマンスの低下や頭痛、吐き気といった症状を引き起こします。

下記は、水分の減少による主な症状です。

水分減少率
(体重に占める割合)
主な症状
2%喉の渇き
3%強い渇き、ぼんやりする、食欲不振
4%皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困憊
5%頭痛、熱にうだる感じ
8〜10%身体動揺、ケイレン
引用元:村野あずさ著「走る」ための食べ方 p.43

このように、「喉の渇き」から始まり、「ぼんやりする」「頭痛」といった症状を引き起こします。

そのため、ランニング中も水分補給を行い、体重の2%以上の脱水は避けるようにしましょう。

※体重60kgの場合の2%は、1.2Lの水分が失われた状態のことを言う

理想的な水分補給のタイミング

続いて、水分補給のタイミングをご紹介します。

水分補給のタイミング
  • ランニング前
  • ランニング中
  • ランニング後

ランニング前の水分補給

ランニング前は喉の渇きがなくなるまで、しっかり水分補給しましょう。

目安はランニング開始30分くらい前までに、250〜500mlの水分を補給することです。

水分補給の目安
  • 気温28℃未満:250ml
  • 気温28℃以上:500ml

起床後、すぐにランニングする方はしっかりと水分を摂ることを忘れないようにしましょう。

睡眠中、汗や呼吸によって水分が失われ、寝起きの状態は血液がドロドロになっています。

水分補給せずに、血液がドロドロの状態でランニングをすると、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。

特に、夏場は寝ている間に、大量の汗をかいているため、注意が必要です。

また、冬場は喉の渇きが感じづらいですが、上記の量を飲むことを忘れないようにしましょう。

水の一気飲みはNG!

喉が渇いているからといって、一気飲みはNGです。

一気に水分が入ってしまうと、身体が処理できず、身体に必要な場所へ水分を送ることができません。

結果的に、喉の渇きが解消されず、一気飲みを繰り返し、トイレが近くなるという悪循環に繋がってしまいます。

15分に1回、100〜200mlを目安に、間隔をあけて飲むことで効率よく摂取できます。

起床5〜10分後にランニングに出かけるのではなく、30分、1時間と、水分補給する時間を設けることが大切です。

ランニング中の水分補給

ランニング中は、喉が少しでも渇いてきたら、水分を摂るようにしましょう。

目安としては15〜20分に1回、150-200mlの水分を摂取します。

周回コースであれば、飲み物(ペットボトル)を置いておき、「1〜2周するごと」など自分のペースに合わせて、いったん立ち止まって摂取しましょう。

ワンウェイコースであれば、「飲み物を携帯しながら走る」でも良いですし、「途中、飲み物を購入する」でも良いです。

また、公園など水飲み場がある場所であれば、都度、蛇口をひねって水を飲むのも良いでしょう。

いずれにせよ、脱水症・熱中症にならないよう、1回、150-200mlの水分補給を忘れずに行いましょう。

ランニング中はスポーツドリンクが最適

ランニング中の水分補給は「水」ではなく、汗で失われたミネラル(電解質)が補給できる「スポーツドリンク」がおすすめです。

前述のとおり、汗にはミネラルが含まれており、ミネラルが不足すると、”吐き気”や”筋けいれん”を引き起こします。

そのため、公園などの水飲み場で「水(軟水)」を飲む場合は、「サプリメント」などでミネラルを補うと良いでしょう。

例えば、ミドリ安全の『塩熱サプリ』にはカリウム、カルシウム、マグネシウムなどが配合されているので、(「水」と一緒に摂取することで)「スポーツドリンク」と同じ効果が得られます。

自動販売機にスポーツドリンクが売り切れの場合に役立ちます。

ランニング後の水分補給

ランニング後は失われた水分を補うため、積極的に補給しましょう。

飲む量は、ランニング前後の体重の変化で分かります。

なぜなら、走った後の体重の減少はほぼ発汗量に等しいからです。

ランニング前後で500g減っていれば、500mlの水分が失われていた※ことになります。

※ランニング中に水分補給していない場合

そのため、少なくても、500mlの水分を摂るようにしましょう。

水分補給のポイント

[ポイント1] スポーツドリンクを摂取する

汗の中には、「水分」だけでなく、ナトリウムやカルシウム、マグネシウムといった「ミネラル」を含んでいるため、水分補給する際はミネラルを配合したスポーツドリンクを摂取しましょう。

また、スポーツドリンクには、体力の維持に必要な「糖質」も含んでいるため、ランニング時に最適です。

スポーツドリンクは大きく分けて、「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」の2種類あります。

  • アイソトニック飲料
  • ハイポトニック飲料

後述しますが、スポーツドリンクの種類によって、「ランニング前後におすすめ」「ランニング中におすすめ」と効果が異なるため、用途に合わせて飲むようにしましょう。

アイソトニック飲料

ランニング前後におすすめなのが「アイソトニック飲料」です。

塩分が0.1〜0.2%、糖質が4〜6%と、体液に近い浸透圧のため、体内にバランスよく吸収されます。

ただ、吸収速度が遅いため、ランニング前後に飲むのが理想です。

主な飲料
  • アクエリアス
  • ポカリスエット

ハイポトニック飲料

ランニング中、ランニング直後におすすめのが「ハイポトニック飲料」です。

塩分が0.1%、糖質が2%と、経口補水液に近い濃度となります。

アイソトニック飲料より体内にすばやく吸収されるため、ランニング中やランニング直後に適しています。

主な飲料
  • ポカリスエット イオンウォーター
  • アクエリアス ゼロ

[ポイント2] 水を飲むなら、同時に塩分タブレットも摂取する

日本スポーツ協会によると、「0.1~0.2%の食塩※と糖質を含んだ飲料水が熱中症予防に効果的」と記載されています。

※食塩相当量が0.1~0.2g(100ml中)であれば、0.1~0.2%の食塩水に相当する

というのも、大量の汗をかいた(体内のナトリウム濃度が低下している)状態で大量の水を摂取すると、さらに、体内のナトリウム濃度が薄まり、「低ナトリウム血症(水中毒)」を引き起こす可能性が高まるからです。

「低ナトリウム血症」が進行すると、「頭痛」「吐き気」「身体のだるさ(倦怠感)」などの症状を引き起こし、最悪の場合、命を落とすこともあるほどです。

実際、2002年のマラソンレースで”水の飲み過ぎ”が原因で「低ナトリウム血症」による死亡事故が続けて起こっています。

「低ナトリウム血症」の対策は、「塩飴」や「塩分タブレット」など、”塩分”も同時に摂取することです。

自動販売機で水を購入したり、公園などの水飲み場で水を飲む際は、塩分タブレットも同時に摂取するようにしましょう。

[ポイント3] 5~15℃に冷やした水を飲む

ランニング中に飲む際は、常温より5~15℃に冷やしたものがおすすめです。

冷えた飲み物のほうが「身体への吸収速度が速い」と、科学的にも証明されており、日本スポーツ協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」にも記載されています。

冷たいほうが飲みごたえがありますし、体温を下げる意味でも最適なので、自動販売機※などで購入して飲むと良いでしょう。

自動販売機では5℃前後に冷却して販売されている(一般社団法人 日本自動販売システム機械工業会より)

[ポイント4] 15分に1回、水分補給をする

体内の水分が2%以上失われると、”喉の渇き”や”頭痛”といった症状が起こります。

水分減少率
(体重に占める割合)
主な症状
2%喉の渇き
3%強い渇き、ぼんやりする、食欲不振
4%皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困憊
5%頭痛、熱にうだる感じ
8〜10%身体動揺、ケイレン
引用元:村野あずさ著「走る」ための食べ方 p.43

そのため、15分に1回、150〜200mlを目安に、喉が渇く前に、こまめに水分補給するようにしましょう。

一気飲みしても喉は潤わないため、計画的な水分補給が重要です。

[ポイント5] 朝ランニングする人は水分補給を忘れずに

早朝ラン(起床後)する場合は、寝ている間に水分が失われているので、必ず水分補給してから走り始めましょう。

目安は、走り始める30分前までに250〜500mlの水分を補給することです。

ただ、飲む量はその時の喉の乾き具合で変わり、感覚としては「喉の乾きがない状態」まで水分補給しましょう。

なので、30分前に水分補給して、30分後のスタート時刻になっても喉の乾きがある場合は、スタート時間を遅らせるなど対応しましょう。

夏場は寝ている間に大量の汗をかいている場合があるので、スポーツドリンクを飲むと良いでしょう。

関連記事:朝ランニングの5つのメリット!夜型人間が成功させるためのヒント

おすすめの飲み物

下記が、ランニング時におすすめのドリンクです。

おすすめのドリンク
  • スポーツドリンク
  • 麦茶
  • アイススラリー

スポーツドリンク(アイソトニック飲料)

ランニング前後におすすめなのが「アイソトニック飲料」です。

塩分が0.1〜0.2%、糖質が4〜6%と、体液に近い浸透圧のため、体内にバランスよく吸収されます。

ただ、吸収速度が遅いため、ランニング前後に飲むのが理想です。

ここで改めて、熱中症予防に効果的な飲料水の条件を紹介します。

熱中症予防に効果的な飲料水の条件

0.1~0.2%の「食塩」※と「糖質」を含んだ飲料水

※食塩相当量が0.1~0.2g(100ml中)であれば、0.1~0.2%の食塩水に相当する

アクエリアス

100mlあたり、食塩相当量0.1g、炭水化物(糖質)4.7g、マグネシウム1.2mg、カリウム8mg配合しています。

ポカリスエット

100mlあたり、食塩相当量0.12g、炭水化物(糖質)6.2g、カリウム 20mg、カルシウム 2mg、マグネシウム 0.6mg配合しています。

ボディメンテ

100mlあたり、食塩相当量0.13g、炭水化物(糖質)4.4g、カリウム 20mg、カルシウム 2mg、マグネシウム 0.6mg配合しています。

スポーツドリンク(ハイポトニック飲料)

ランニング中、ランニング直後におすすめのが「ハイポトニック飲料」です。

塩分が0.1%、糖質が2%と、経口補水液に近い濃度となります。

アイソトニック飲料より体内にすばやく吸収されるため、ランニング中やランニング直後に適しています。

ポカリスエット イオンウォーター

100mlあたり、食塩相当量0.1g、炭水化物(糖質)2.7g、カリウム 20mg、カルシウム 2mg、マグネシウム 0.6mg配合しています。

アクエリアス ゼロ

100mlあたり、食塩相当量0.1g、炭水化物(糖質)0.7g、マグネシウム 1.2、カリウム 9mg配合しています。

アミノバイタルGOLD 2000ドリンク

100mlあたり、食塩相当量0.1g、炭水化物(糖質)2.8g、カリウム 11mg配合しています。

スーパーH2O

100mlあたり、食塩相当量0.1g、炭水化物(糖質)2.9g、カリウム 10mg配合しています。

ランニング前後におすすめなのが「水」です。

水には、「軟水」「硬水」の2種類あり、ランニングに最適なのは「硬水」です。

「硬水」は、カリウムやマグネシウムなどのミネラルを配合しており、ランニング後のミネラル補給に最適です。

ただ、日本の生活用水の80%が「軟水」と、日本人は「硬水」を飲み慣れていないという欠点があります。

「硬水」は、胃腸に負担をかけやすく、一気に飲むとお腹を壊す可能性もあるので、徐々に身体を慣らしましょう。

コントレックス

エビアン

また、ランニング中に水を飲むなら、「塩分タブレット」も同時に摂取しましょう。

汗で失われる、塩分を補給できます。

関連記事:【実費レビュー】塩熱サプリの効果は?味や飲むタイミング解説

麦茶

ランニング前や汗をあまりかかない冬場のジョグ後におすすめの「麦茶」。

「麦茶」は身体を冷やしたり、疲労回復効果があると言われています。

ランニング時におすすめなのは、カフェインゼロでミネラルの多い麦茶です。

健康ミネラルむぎ茶

アイススラリー

ランニング中に上昇する体温を下げる役割のある「アイススラリー」。

アイススラリーは氷と飲料水が混合したシャーベット状の飲料物で、通常の氷に比べて冷却効果が高いです。

ランニング前に本製品を摂取することで、”一時的に”深部体温を下げ、ランニング中の体温上昇を抑制することができます。

主に、気温の高い夏場におすすめの飲み物です。

リポビタンアイススラリー Sports

関連記事:【実費レビュー】リポビタンアイススラリー Sportsの効果は?味や飲むタイミング解説

ポカリスエット アイススラリー

まとめ

今回は、ランニング時の水分補給のポイントについて解説しました。

長い距離を走るためには体力やスタミナだけでなく、適切な水分補給も欠かせません。

ランニング中に水分補給を行うことで、”パフォーマンスの低下”や”熱中症”を防ぐことができます。

特に、暑い日はいつもより汗をかくため、ミネラルを含む水分補給を心がけましょう。

本日は以上です。

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Yusuke Saito
Yusuke Saito
マラソンランナー
初心者のためのマラソンブログ「31らん(さいらん)」運営者。2018年6月にランニングを始め、年間2,500km走ってます。これまでの記録は、【フルマラソン】 4:06:27(第32回ぐんまマラソン) 【ハーフマラソン】 1:46:18(第39回フロストバイトロードレース)【10キロ】42:47 【5キロ】19:08 【1キロ】3:17 マラソン大会に向けた流れやトレーニング方法、ランニンググッズを紹介していきます。
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