【実費レビュー】COROS PACE 3の性能とは?38時間のロングバッテリーと30gの重量が特徴の初心者向けランニングウォッチ
COROS PACE 3ってどんなランニングウォッチなの?
そんな疑問にお答えします。
「COROS PACE 3」の購入を検討している方は必見です。
この記事では、COROS(以下、カロス)が販売する「PACE 3(以下、本製品)」について紹介します。
本製品を”ひと言”で伝えると、スピードを求める(フルマラソン完走を目指す)ランナーにおすすめのランニングウォッチです。
特徴は、何と言っても業界最軽量クラス、わずか30gの重量。
着用していることを忘れるくらいの軽量さが魅力です。
そのほか、「GPS機能」や「心拍測定機能」はもちろん、「睡眠データのモニタリング」や「トレーニングプランの作成」など、基本的な機能は搭載されているモデルとなっています。
また、価格は33,000円と、ランニングウォッチの中でも、比較的安く購入できる点も、初心者から中級者ランナーにおすすめできる点でしょう。
そこで、今回は「COROS PACE 3」の特徴、使用してみて感じた点を紹介します。
COROS(カロス)とは
アウトドアスポーツを愛するハードウェアエンジニア達によって2014年に設立されたブランドです。
男子マラソン世界記録保持者 エリウド・キプチョゲ選手やUTMB※で3度チャンピオンに輝いたキリアン・ジョルネ選手ら、多くのトップランナーが愛用しており、徐々に市民ランナーの間でも人気が高まっているブランドでもあります。
※トレイルランニングの最高峰の大会
2018年5月に初代「PACE」が発売し、2020年8月に2代目「PACE 2」、そして、2023年9月に最新作「PACE 3」が登場※しています。
※2年おきに新作が出ているため、「PACE 4」は2025年?に登場するのかもしれませんね
私自身、ランニング雑誌でカロスの存在を知り、そこから”新製品”の情報が来ないか、常に追っていました。
ついに、「PACE」シリーズ最新作が登場したということで、今回、カロスのウォッチを初めて購入しています。
SNSを見ると、カロスのウォッチを使用している方を見る機会が増えてきたので、徐々に利用しているランナーが増えてきた印象です。
「PACE 3」の登場により、新たなカロスファンが増えるかもですね。
COROS PACE 3の概要
本製品は2023年9月7日に発売されたGPS機能搭載のランニングウォッチです。
カロスでは様々な種類のウォッチを販売していますが、下記が、本製品の立ち位置※です。
※2023年9月時点
- COROS PACE 3:ランニング、トライアスロン
- COROS APEX 2/2 Pro:トレイルランニング
- COROS VERTIX 2:登山、ハイキング
本製品の立ち位置は、ランニングやトライアスロンなどでスピードを求める方向けのモデルとなっています。
カロスのウォッチの中で、ハーフマラソンやフルマラソン、トライアスロンで使用するなら本製品一択なので、他のモデルと比較することなく購入できます。
また、「GPS搭載」、「光学式心拍計」、「38時間のロングバッテリー」、「30gと軽量」などランニングウォッチとしての性能も申し分ありません。
そのため、ランニングウォッチを初めて購入検討しているランナーはもちろん、他のブランドから乗り換えを検討されている方にも、おすすめできるモデルと言えるでしょう。
重量 | 39g(シリコンバンド装着時) 30g(ナイロンバンド装着時) |
サイズ | 1.2型 |
タッチパネル | ○(搭載モデル) |
携帯電話/アクセサリー接続 | Bluetooth |
データ送信 | Wi-Fi / COROS App |
防水性能 | 5 ATM (ダイビングNG) |
バッテリー 標準フルGPS (GPS /QZSS) | 38時間 |
バッテリー 全システムオン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS) | 25時間 |
バッテリー 二周波オン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS) | 15時間 |
バッテリー 日常使用 | 24日間 |
衛星システム | GPS, GLONASS, Galileo, Beidou, QZSS |
光学式心拍計 | ○(搭載モデル) |
オフライン音楽再生 | ○(搭載モデル) |
価格(税込) | 33,000円 |
公式サイト | 詳細を見る |
COROS PACE 3の外観
付属品
本製品は「ブラック」「ホワイト」の2色から、「ナイロンバンド」「シリコンバンド」の2つの材質から選択できますが、今回は「ホワイト」「シリコンバンド」での紹介です。
本体(COROS PACE 3)、マニュアル、充電ケーブルが付属されています。
- 本体(COROS PACE 3)
- マニュアル
- 充電ケーブル
↓ 本体(COROS PACE 3)
↓ マニュアル
↓ シール
↓ 充電ケーブル
本体
↓ ディスプレイサイズは「1.2型」です。
↓ 側面右側には、操作のためのボタンが2個、配置されています。
↓ 側面左側には、ボタンはありません。
↓ バンドはシリコンタイプです。
↓ ナイロンバンドの場合
↓ 裏面には、睡眠データの測定、SpO2、トレーニング時の強度などのデータを収集するため、「次世代光学式心拍センサー」が搭載されています。
また、充電する際に使用する「充電端子」も設置されています。
充電方法
充電端子に、付属の充電ケーブルを繋げば充電できます。
Amazonで充電口のカバーを購入できる
シリコンカバーなので、充電口を傷つけることなく、保護できます。
ランニング時の画面
データをひと目で確認できる、見やすい画面です。
画面に表示されるデータは下記の通りです。
- (上)心拍数
- (中・左)走行ペース
- (中・右)走行距離
- (下)走行時間
ボタンレイアウトは下記の通りです。
- デジタルダイヤル:ダイヤルをスクロール/回転させて、画面を上下に移動させます。選択した項目を確定するにはダイヤルを押します。ワークアウト終了時はダイヤルを長押しします。
- バックキー:バックキーを押して、前の画面に戻ります(戻るボタン)ワークアウト中にラップまたは休憩を記録するにはバックキーを押します。
ランニング時の計測の流れは下記の通りです。
待ち受け画面から[デジタルダイヤル]ボタンを押し、アクティビティのライブラリを開きます。
そこから、「ラン」を選択し、[デジタルダイヤル]ボタンを押します。
「開始」を選択し、[デジタルダイヤル]ボタンを押せば、設定完了です。
間違えて選択した場合、[バックキー(戻るボタン)]ボタンを押すことで、前の画面に戻ります。
ランニング開始前にGPSと心拍数の捕捉を開始※します。
※自動で捕捉するため、特に操作は不要です
ウォッチがGPS信号の強さを示し(画面で「測位中」と表示)、心拍数が測定されていることを示します(画面下部のハートアイコンで表示)。
捕捉が完了していない状態で「開始」を押すと、(上記のように、)「今すぐ開始しますか?」と表示されます。
この場合は、しばらく待機し、「ピィィイ」という電子音がなってからスタートしましょう。
GPS捕捉完了後、[デジタルダイヤル]ボタンを押すと、タイムの計測が開始します。
あとは、自由に走るだけです。
走行中は「心拍数」「ペース」「走行距離」「走行時間」などのデータがリアルタイムに表示され、瞬時に確認することができます。
↓ [デジタルダイヤル]ボタンを回転させることで、「現在の時刻」も確認できます。
”信号待ち”や”お店に寄った”際など計測を一時中断させたいときは、[デジタルダイヤル]ボタンを押すと、計測が止まります(一時停止状態)。
再び、計測を開始したいときは、「続ける」を選択し、[デジタルダイヤル]ボタンを押すと、計測が再開します。
ランニングを終了する際は、一時停止中のワークアウトページから「終了」を探し、[デジタルダイヤル]ボタンを3秒間長押しすることで、ワークアウトが終了します。
ランニングを終了すると、ワークアウトの詳細ページが表示されます。
これらのデータをもとに、自分の走りを振り返ることができます。
このように、非常に簡単な操作性なので、初めてランニングウォッチを使う方でも、安心して使用可能です。
COROS PACE 3の機能・特徴
続いて、本製品に搭載されている、主な機能・特徴を見ていきます。
- タッチパネル
- 防水性能
- GPS(衛星測位システム)搭載
- バッテリー(稼働時間)
- 重量
- アクティビティ モード
- ルート作成
- 光学式心拍計
- リカバリーデータをモニタリング
- トレーニングプラン
- オフライン音楽再生
タッチパネル
本製品はタッチパネル搭載で、”ボタン操作”に加え、”タッチ操作”の両方で操作ができます。
今や、スマートフォンの普及で”タッチ操作”が当たり前となっているため、より自然な操作を希望する方にとっては嬉しい機能でしょう。
防水性能
防水等級は「5 ATM」です。
これは、水深50mに相当する圧力に対応することを意味します。
主に、下記の状態で使用する分には、壊れません。
- 水しぶき
- 雨または雪
- シャワー
- スイミング
- 水中への飛び込み
- シュノーケリング
雨に対応しているので、シャワーランやマラソン大会当日が雨の日でも使用可能です。
また、トライアスロンにも対応しているため、海水※での使用でも故障しにくい作りとなっています。
※ダイビングには対応していません
GPS(衛星測位システム)搭載
GPSを搭載しているため、”自動”で走っている場所を追跡し、距離、ペースなどの正確な統計データを得ることができます。
本製品は、下記の衛星測位システムを搭載しています。
- GPS(アメリカ)
- Glonass(ロシア)
- Galileo(ヨーロッパ)
- Beidou(中国)
- QZSS(日本)
本製品は「GPS」単体だけでなく、「GPS + QZSS」や「GPS + GLONASS + Galileo + Beidou + QZSS」といったように、複数の衛星測位システムを用いて位置情報を取得するため、より精度の高い、正確な統計データを得ることができます。
GPSモードは3種類
本製品は、下記の3つのGPSモードを搭載しています。
- 標準フルGPS (GPS、QZSS):高精度のトラッキングと心拍数の記録をする
- 全システムオン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS):複数の衛星システムに接続し、優れた精度で記録する
- 二周波オン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS):全システム+二周波接続に対応しており、密集した木に覆われた樹林帯や、高層ビルが建ち並ぶ都市部でも測位を維持する
GPSの精度は、「1機 → 2機」、「2機 → 3機」と、より多くの衛星システムから電波を受信したほうが精度が上がります。
本製品の場合、「標準フルGPS」→「全システムオン」→「二周波オン」の順に精度が上がり、より正確なデータが計測できます。
標準フルGPS
「GPS」と「QZSS」の衛星システムから信号を受信したモードで、1 秒あたり 1 回の GPS 読み取りのみを行なう設定です。
- GPS 信号を妨げたり偏向させたりする重要な樹冠や構造物のない近隣またはエリアを「サイクリング」する場合
- 「ウィンドサーフィン」や「スピードサーフィン」などのオープンウォーターアクティビティ
全システムオン
「GPS」「GLONASS」「Galileo」「Beidou」「QZSS」の全ての衛星システムから信号を受信した設定です。
空の視界が制限されている場合でも、確実な信号を受信できるようになりますが、その分、バッテリーを消耗します。
- 高層ビルの近くの都市、顕著な樹冠のある地域、または山岳/丘陵地など、GPS が中程度に困難な地域での「ランニング」
- 樹木が平均的に覆われ、山頂からの障害物が中程度ある地形での「スキー」
ランニングで使用するなら、基本的に「 全システムオン」モードにしておくと良いでしょう。
二周波オン
「GPS」「GLONASS」「Galileo」「Beidou」「QZSS」の全システムの信号に加え、「L1信号」と「L5信号」の2周波数帯の信号を受信した設定です。
困難な条件や環境にある場合でもGPSデータより正確に取得できますが、その分、バッテリーを多く消耗します。
- 狭い渓谷の切り立った岩壁を登る「ロック/アイス クライミング」、森林の奥深く、山頂の間、またはグランド キャニオンなどの切り立った崖の近くでの「ハイキング」
バッテリー(稼働時間)
一度の充電(100%まで)で、日常使用※1で約24日間、GPSモード※2では最大38時間稼働します。
※1 日常使い・・・GPSを起動していないとき
※2 GPSモード・・・GPSを起動し続けているとき
また、GPSモードでもGPSの捕捉精度が高いモードほど、バッテリーを消耗するため、稼働時間は少なくなります。
- 標準フルGPS (GPS /QZSS):38時間
- 全システムオン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS):25時間
- 二周波オン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS):15時間
- 日常使用:24日間
ただ、一番、GPSの捕捉精度が高い「二周波オン」でも15時間バッテリーが持つため、フルマラソンも問題なくデータが計測できます。
重量
本製品は業界最軽量クラス、わずか30gの重量を誇ります。
着用していることを忘れるくらいの”軽さ”なので、ランニング中の「腕振り」も影響がなく、快適な着用感が味わえます。
本製品はバンドの種類が2つあり、ナイロンバンドが30g(シリコンバンド 39g)となります。
- シリコンバンド:39g
- ナイロンバンド:30g
シリコンとナイロンには、それぞれ下記の特徴があります。
- シリコン:速乾性 | お手入れ簡単 | 耐久性
- ナイロン:通気性 | 軽量性 | 快適性
とにかく軽いものが良い方によっては、理想的なウォッチではないでしょうか。
アクティビティ モード
ランニングやトレイルラン、ウォーキング、バイク、スイミングなど、様々なスポーツに対応。
- ラン
- トレッドミル
- トレイルラン
- トラックラン
- ハイキング
- ウォーキング
- バイク
- 屋内バイク
- スイミング
- オープンウォーター
- ボート
- ローイングマシン
- フラットウォーター(パドルボード、カヤック、カヌー)
- トライアスロン
- 筋トレ
- 縄跳び
- 室内有酸素(ウェイトトレーニング、インドアスポーツ)
- 屋外有酸素
- スキー
- スノーボード
- XCスキー
- マルチスポーツ
ランニング以外にも、様々なスポーツの計測ができるため、気分転換に最適です。
ルート作成
COROSアプリのルートページで目的地を設定して、自分好みのルートを簡単に作成できる機能です。
「目的地」と「スタート地点」を決めることで、最短ルートを表示してくれます。
また、マップをタップすれば、ルートが追加されるので、走りたいルートを自分好みにアレンジもできます。
下記は、東京駅近くにある「アシックスラン東京丸の内」から「お台場の女神像」までのルートを作成した際の画面です。
「目的地」と「スタート地点」を検索し、マップ上にピンを立てることで、(最短ルートで良ければ)、30秒ほどで作成できました。
旅ランやマラニックなど、知らない土地を走る際に便利な機能です。
様々なナビゲーション機能搭載
ルートから外れた際にアラートが鳴る「離脱アラート」や、次のチェックポイントや最終目的地までの距離を確認する「目的地までの距離」、道に迷った際に便利な「スタートに戻る」などのナビゲーション機能を搭載しています。
普段のランニング時はあまり使わないですが、山道を走るトレイルランニングをする方にとっては重要な機能でしょう。
光学式心拍計
本製品は5つのLEDライトに、4つの光検出器と、高精度の次世代光学式心拍センサーが搭載されています。
心拍数は、手首の皮膚を通じて明るい光を発射する「LED」と、皮膚から反射される光の強さを検出する「光検出器」を用いて測定します。
手首の血流が強くなると、光検出器に反射される光が少なくなり、逆に、血流が弱くなると、より多くの光が光検出器に反射されます。
このように、皮膚から反射する光の強度の変化から心拍数を測定しています。
他のランニングウォッチブランドと同等に近い心拍センサーが内臓されているため、トレーニング時の心拍変動の確認に役立つでしょう。
オキシメーター搭載
前作(PACE 2)には搭載されていなかったオキシメーターが搭載されています。
下記が、コニカミノルタのホームページに記載されている、オキシメーターの説明です。
パルスオキシメーターは、血液の酸素供給が正常に行われているかどうかを、リアルタイムで測定できる医療機器です。突然の事故や疾患の急激な悪化、手術中などでは、パルスオキシメーターにより酸素飽和度を連続的にモニターします。これは、生命維持のための最低限必要な酸素供給力が失われないように、連続的に監視するための目的です。
オキシメーターは、生きる上で必要な”酸素”が、身体に供給されているかを確認するためのものです。
また、オキシメーターで測定した”測定値”は、どのくらいが「正常」で、また、「異常」なのか。
日本呼吸器学会のホームページでは、下記のように説明されています。
一般的に96~99%が標準値とされ、90%以下の場合は十分な酸素を全身の臓器に送れなくなった状態(呼吸不全)になっている可能性があるため、適切な対応が必要です。慢性に肺や心臓の病気のある患者さんでは、息苦しさや喘鳴などの症状が強くなり、SpO2が普段の値から3~4%低下した場合は、かかりつけ医に連絡するか受診をしてください。
測定値が96~99%であれば、「標準」であるということを意味しているようです。
自分の身体は「健康なのか」知る上では良い機能なので、定期的に測定すると良いでしょう。
リカバリーデータをモニタリング
ウォッチを装着して睡眠することで、”レム睡眠”や”浅い睡眠”、”深い睡眠”などの睡眠データをモニタリング。
日々、「どのくらい睡眠できたのか(睡眠時間)」、「どのくらい深い眠りにつけたのか」を知る、良い機会です。
また、トレーニングの負荷や、最後の運動からの残り時間に応じて、リアルタイムのリカバリー値が表示されます(画像右)。
リカバリー100%で「疲労なし」、リカバリー0〜19%で「非常に疲れている」ことを示します。
100%(完全回復)している必要はありませんが、それなりに疲労が溜まった状態でトレーニングを開始すると、身体への負荷が大きいため、次のトレーニング時間を知る目安になるでしょう。
トレーニングプラン
カロスが作成したトレーニングプランに基づき、トレーニングができる機能です。
プランは、「期間(6週間〜20週間)」、「レベル(初心者、中級、上級)」、「距離(5km、10km、ハーフマラソン、フルマラソン)」と分かれており、各々、好きなプランを取り組むことができます。
↓ 例えば、下記は6週間の初心者向けのトレーニングプランです(カロス購入者以外も公式サイトから確認できます)。
月曜日から日曜日まで毎日のプランが表示されているため、ランナーはこのプランに合わせてトレーニングをすることで、日々、目標に向けて成長することができます。
↓ ダウンロードしたプランは、アプリから確認できます。
どんなトレーニングをすればいいか分からない方に便利な機能です。
[追記] 2023年11月アップデートでマラソンのトレーニングプランの作成機能が新たに追加!
新たに追加されたマラソントレーニングプランの作成では、過去のトレーニングデータや、直近のフルマラソン完走タイム、目標タイムを入力することで、あなただけのオリジナルメニューを作成してくれる機能です。
これまでは全ランナー向け共通のトレーニングプランしかなく、各ランナーの走力やレース日は考慮されていませんでした。
ですが、今回の機能では、レース日やトレーニング開始日も合わせて指定するため、より精度の高いメニューの作成が可能となっています。
関連記事:【2023年11月 COROSアップデート】マラソンのトレーニングプランの作成機能が新たに追加
オフライン音楽再生
本製品では、ウォッチ本体に音楽をダウンロードでき、スマートフォンがなくても音楽を聞くことができます。
COROS ウォッチは現時点で、MP3ファイルの音楽データのみウォッチ内にダウンロードできます。
ストレージ容量は4GBで、4分間の音楽を約800曲ダウンロード可能です。
「Spotify」や「YouTube Music」などサブスクリプション音楽配信サービスには対応しておらず、MP3ファイルをパソコン経由でダウンロードしないといけないです。
ですが、スマホなしで音楽を聞きたい方にとっては便利な機能でしょう。
COROS PACE 3を使ってみた感想
【感想①】GPSの精度が高く、正確な距離データが計測できる
前述の通り、本製品には3つのGPSモードが搭載されています。
- 標準フルGPS (GPS、QZSS):高精度のトラッキングと心拍数の記録をする
- 全システムオン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS):複数の衛星システムに接続し、優れた精度で記録する
- 二周波オン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS):全システム+二周波接続に対応しており、密集した木に覆われた樹林帯や、高層ビルが建ち並ぶ都市部でも測位を維持する
主に、ランニング時に使用する「全システムオン」で計測してみましたが、GPSブランドの「ガーミン」とほぼ同じ距離を計測することができました。
下記が、ガーミンのウォッチと、「COROS PACE 3(本製品)」を両腕に装着して、同時に計測したときのデータです。
どちらも”ほぼ”同じ距離を計測できたため、GPSの精度は高いと言えそうです。
また、今回は複数の信号を追跡できる機能が搭載された、ガーミンの「Forerunner 255」と比較しましたが、「Forerunner 255」は47,800円〜に対し、本製品は33,000円で購入できます。
ランニングウォッチを選ぶ上で、「GPSの精度」を重視しているのであれば、本製品はコスパ最高のアイテムと言えるでしょう。
【感想②】ナイロンバンドだと、軽さを実感できる
私が購入したシリコンバンドだと、他のブランドのウォッチと重量が同じなので、乗り換える場合、軽さを感じないかもしれません。
下記が、他のブランドとの”重量”の比較です。
- ForeAthlete 55(ガーミン):39g
- SUUNTO 5 PEAK(スント):39g
- Forerunner 255S(ガーミン):39g
- Forerunner 265S(ガーミン):39g
- COROS PACE 3(シリコンバンド):39g
- COROS PACE 3(ナイロンバンド):30g
ですが、ナイロンバンドであれば、本格的なランニングウォッチの中で、最軽量のため、乗り換えの場合でも”軽さ”を実感できます。
私の場合、これまでは50gのウォッチを装着しており、39gでも、第一印象は『軽くて、腕振りしやすい!』と感じたため、とても満足しています。
ですが、上記モデルからの乗り換えを検討している方は、ナイロンバンドを選ばないと”軽さ”に驚かないでしょう。
また、前作の「PACE 2」から乗り換えの場合、(シリコンバンドの場合)3g増量しているため、重さを感じるかもしれませんね。
【感想③】バッテリーの持ちがよく、1週間充電しなくても使える
GPSの使用頻度にもよりますが、1週間充電しなくても使えるほど、バッテリーの持ちがよいです。
↑(上記画像)6日間充電なしで使用していますが、GPSなしの稼働時間で4日、GPSありで7時間稼働と、まだまだ充電切れの心配がないほどの持ちです。
本製品の稼働時間は、下記の通りです。
- 標準フルGPS (GPS /QZSS):38時間
- 全システムオン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS):25時間
- 二周波オン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS):15時間
- 日常使用:24日間
ランニング時の使用であれば、1回のフル充電で、25時間(全システムオンの場合)稼働します。
仮に、平日2回で30分ずつ、土日祝60〜120分ランニングする場合、1回も充電しなくても電池切れにならないほどのバッテリーを備えています。
私自身、「ランニングしようと思ったら、電池切れだったため、充電待ちしていたら、走る気分ではなくなった」という経験を何度もしてきたので、少しでも、稼働時間が長いほうが嬉しいです。
また、「フルマラソン」だけでなく、10時間以上走り続ける「ウルトラマラソン」や「トライアスロン」でも使えるバッテリー性能なのは、ありがたいですね。
ランニング時のみ使用するなら、1週間以上充電しなくても稼働する
上記のように、「前回100%まで充電してから、何日間充電していないか」を確認できますが、17日間連続で充電しなくても、稼働していました。
ただし、2週間近く電池が持つのは、「ランニング時のみウォッチを装着する」ときくらいです。
睡眠時や日常生活でウォッチを装着していると、心拍数を測定したりと、何かとウォッチが動いているため、充電の持ちは悪くなります。
また、(下記のように、)ランニング前に「何時間GPSを稼働してても、電池切れにならないか(下記の場合、”2h”)」を表示してくれます。
この機能のおかげで、充電せずに使い続けることができました。
現在のバッテリー残量から、残りの起動できる時間が分かる
現在のバッテリー残量から、それぞれ3つのGPSモードの起動時間が確認できます。
個人的に、「バッテリー残量が15%で、これから2時間走るとしたら、最後まで充電持つかな?」といったことを気にする必要がないのが、ありがたいと感じました。
【感想④】ダイヤル操作が、ラクで快適に操作できる
(上記動画のように、)右上のダイヤルを回転させることで、項目を順に確認できるので、ラクに操作できます。
ボタンを何度も押して、項目を確認するタイプだと、繰り返しボタンを押さないといけないので、地味に面倒です。
そういった点で、”ダイヤル操作”でき、かつ”タッチ操作”もできる点で、操作しやすいウォッチだと感じました。
【感想⑤】トレーニング分析ツールにより、日々の成長が分かる
COROSのウォッチを使うことで「Training Hub」と呼ばれる、COROSが開発した先進的なトレーニング分析ツールが利用できます。
COROSの分析ツールは、エリウド・キプチョゲが所属する NN RUNNING TEAMも採用しており、トレーニングデータを通じて、コーチと直接のコミュニケーションもできます(英語でのやり取り)。
下記が確認できる一例です。
- ランニングレベル:あなたのマラソンパフォーマンスを表すもので、集中すべき分野、改善すべき分野が分かる
- 疲労具合:最近のトレーニングで体が受けている疲労状況を反映し、数値が低い場合は高強度トレーニングをしてもよい状態であると示し、数値が高い場合、低強度のトレーニングや休養の必要があると示す
- VO2Max:VO2Max(最大酸素摂取量)とは1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量であり、VO2Maxが高いほど、ベースフィットネスが優れていることを意味します。
ランニング終了後、自動的にウォッチからアプリにデータが転送されるため、特に設定は必要ありません。
個人的に、毎日、練習日誌を付けている人や、トレーニングデータの分析が好きな人には、魅力的な機能だと思います。
一つ一つの項目が見やすく、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月とデータが蓄積していけば、過去との比較もでき、自分の成長がひと目で確認できます。
英語でのやり取りにはなりますが、自分の「Training Hub」をCOROSのコーチに見えてもらい、アドバイスを受ける機能も、他のブランドにはない魅力だと思います。
マラソン大会の目標タイムを決めやすい
「Training Hub」では、過去6週間のトレーニングをもとに、5km、10km、ハーフマラソン、フルマラソンのレースタイムとレースペースの予測値が確認できます。
初めてフルマラソンに出場を検討している方にとっては、「自分がどのくらい完走できそうか」分からないと思いますので、そんなときに便利です。
1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と、トレーニングを積み上げていけば、走力も上がり、どんどんレースペースの予測値が縮まっていくため、モチベーション維持にも役立つでしょう。
【感想⑥】音楽再生機能はあるのに、設定が面倒なのは残念
本製品は、ウォッチ内に音楽データ(曲)を取り込めるため、スマートフォンを携帯しなくても、ランニング中に音楽が聞けます。
ですが、「Spotify」「Amazon Music」「LINE MUSIC」などの音楽配信サービスには対応しておらず、曲を入れるにはMP3ファイルの音楽データが必要になります。
また、MP3ファイルの音楽データはパソコン経由でしかダウンロードできないため、曲を入れるのにも手間がかかります。
個人的には、使わない機能ですが、MP3ファイルがパソコンに入っている方はぜひ利用してみてください。
まとめ
今回は、COROSが販売する「COROS PACE 3」について紹介しました。
改めて、本製品はランニングやトライアスロンにおすすめのランニングウォッチです。
実際に触ってみましたが、ランニング初心者には十分すぎるほどの機能が揃っており、ランニング中級者から上級者向きと言ってよいほどの性能でした。
「GPSの捕捉精度」や「高精度の心拍計」、「30〜39gの重量」、「最大38時間のGPS連続稼働時間」、そして、「プロも活用するトレーニング分析ツール」。
それで価格は33,000円と、他のブランドの同等の機能が搭載されたウォッチより安く入手できる点は、個人的に驚いています。
ぜひ、興味ある方は、全国の「お取り扱い店舗」にて触ってみてください。
本日は以上です。
重量 | 39g(シリコンバンド装着時) 30g(ナイロンバンド装着時) |
サイズ | 1.2型 |
タッチパネル | ○(搭載モデル) |
携帯電話/アクセサリー接続 | Bluetooth |
データ送信 | Wi-Fi / COROS App |
防水性能 | 5 ATM (ダイビングNG) |
バッテリー 標準フルGPS (GPS /QZSS) | 38時間 |
バッテリー 全システムオン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS) | 25時間 |
バッテリー 二周波オン (GPS、GLONASS、Galileo、 Beidou、QZSS) | 15時間 |
バッテリー 日常使用 | 24日間 |
衛星システム | GPS, GLONASS, Galileo, Beidou, QZSS |
光学式心拍計 | ○(搭載モデル) |
オフライン音楽再生 | ○(搭載モデル) |
価格(税込) | 33,000円 |
公式サイト | 詳細を見る |
関連記事:【2024年】初心者におすすめランニングウォッチ15選!人気ブランドと選び方を紹介
【要チェック】フルマラソン完走ロードマップ
フルマラソン出場までの流れをまとめました。
初めてフルマラソン出場する方を対象に、下記の内容が分かります。
マラソン大会の選び方
購入すべきランニンググッズ
完走するためのトレーニング方法
レース前日や当日の過ごし方
▼詳しくはこちら
【完全版】初心者がフルマラソン完走するためのロードマップ