初心者ランナーのための貧血対策ガイド!貧血がランニングパフォーマンスに与える影響とは
フルマラソン完走へ向けてトレーニングをしているが、貧血の疑いのある症状が出てしまうが、どうすればいいの?
そんな疑問にお答えします。
ランニング関連の雑誌や解説本を見ると、必ずと言っていいほど見かける”貧血予防”の解説。
それだけ貧血は、ランナーにとって、切っても切れない関係なのです。
だからと言って、貧血をそのまま放置していれば、身体のダルさが治らず、質の高いトレーニングができません。
また、貧血の状態が続けば、思うようにトレーニングができず、フルマラソン完走も難しいでしょう。
そこで、今回は、貧血を予防する方法・おすすめのサプリメントを紹介します。
ランナーは貧血になりやすいと言われているため、日頃から積極的に「鉄分」を摂るようにしましょう。
ランナーは貧血になりやすいと言われている
貧血とは、血液中のヘモグロビンが減少することで起こる症状です。
ヘモグロビンは血液中にある物質で、酸素を全身へ運ぶ役割があります。
人は走り続けるために、大量の酸素を必要としますが、血液中のヘモグロビンが減少することで、酸素の供給ができず、エネルギーの生成が妨げられます。
全身に酸素が供給されないと、エネルギーが生成されないため、”スタミナ”や”持久力”が低下し、貧血の原因になると言われています。
ランナーが貧血になりやすい理由
ランナーは貧血になりやすい(ヘモグロビンが減少しやすい)と言われている理由は2つあります。
- 大量の発汗により鉄分が失われる
- 着地の衝撃で赤血球が破壊されてしまう
汗をかくことで、ヘモグロビンの材料である”鉄分”が失われます。
体内の鉄分が不足すると、次第にヘモグロビンが減少していきます。
また、走ることで足裏の血管内の赤血球が踏み潰され、破壊されることで、ヘモグロビンが減少します。
このように、ランニングには貧血に陥る要素があるため、貧血の症状が出やすいのです。
貧血の症状とは
ランナーが引き起こす貧血は、主に「鉄欠乏性貧血」と言われています。
前述のとおり、ヘモグロビンの材料である鉄分が発汗により不足すると、血液中のヘモグロビンが減少し、その影響で、全身に酸素が送れなくなり、”酸欠状態”になります。
この”酸欠状態”が「鉄欠乏性貧血」のことで、ランナーに多く見られる貧血となります。
鉄欠乏性貧血の症状は”倦怠感”、”息切れ”、”めまい”などがあります。
- 倦怠感
- 動悸
- 息切れ
- めまい
- 食欲不振
貧血は、全身への酸素供給が低下するため、常に、”疲労感を感じる”などの症状を引き起こします。
走り始めにもかかわらず、息が上がってしまう、身体がダルい、手足がなまりのように重い場合は、貧血の疑いがあるため、ランニングを中止するなど対応しましょう。
貧血を予防する方法
貧血を防ぐための対策は2つあります。
- 糖質(炭水化物)を摂る
- 鉄分を摂る
糖質(炭水化物)を摂る
1つ目は、身体を動かすためのエネルギー源である「糖質(炭水化物)」を摂取することです。
体内の「糖質」が不足していると、生命維持のために、体内にある「タンパク質」を使い、エネルギーを生成します。
すると、ヘモグロビンの材料である「タンパク質」が不足してしまうので、いくら体内に「鉄分」があっても、ヘモグロビンを作ることができません。
ヘム(鉄)とグロビン(タンパク質)の合成語。ヘモグロビンを作るには、鉄分だけでなく、タンパク質も必要になる
なので、「鉄分」摂取も大事ですが、まずは、エネルギー源である「糖質」をしっかり摂取しましょう。
- 白米
- 玄米
- パン
- パスタ
- うどん
- そば
- 中華麺
糖質の摂取量の目安
では、どのくらい糖質を摂ればいいのか。
厚生労働省 「日本人の食事摂取基準」(2020年版)のデータによると、糖質摂取の目標量は、1日の総エネルギー摂取量の50〜60%としています。
ちなみに、下記が性別・年齢別の1日に必要なエネルギー必要量です。
年齢/性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
18〜29(歳) | 2,650 kcal | 2,000 kcal |
30〜49(歳) | 2,700 kcal | 2,050 kcal |
50〜64(歳) | 2,600 kcal | 1,950 kcal |
上記から、30歳男性であれば、1日1,350kcal(2,700kcalの50%)の糖質を摂取すればいいことが分かります。
下記に、糖質を多く含む食品を記載します。
食品名 | 目安量 | エネルギー量 (kcal) |
---|---|---|
ご飯 | 茶碗1杯(150g) | 252 |
食パン | 6枚切り1枚(60g) | 158 |
うどん | ゆで1玉(250g) | 263 |
スパゲッティ | 1人分(乾100g) | 378 |
もち | 1切れ(50g) | 118 |
コーンフレーク | 1人分(40g) | 152 |
カステラ | 1切れ(50g) | 160 |
どらやき | 1個(80g) | 227 |
あんぱん | 1個(100g) | 280 |
じゃがいも | 1個(100g) | 76 |
はちみつ | 大さじ1(22g) | 65 |
貧血を防ぐには、「白米」や「うどん」を食べ、糖質を摂りましょう。
鉄分を摂る
2つ目は、ヘモグロビンの材料である「鉄分」の摂取です。
「鉄分」は、動物性の食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性に含まれる「非ヘム鉄」に分けられます。
「ヘム鉄」は吸収されやすく(吸収率50%)、「非ヘム鉄」は吸収されにくい(吸収率15%)鉄になります。
なので、「ヘム鉄」を積極的に摂取するといいでしょう。
「ヘム鉄」「非ヘム鉄」が含まれる食品例ですが、「ヘム鉄」は、豚レバー、牛ヒレ、かつお刺し身など、「非ヘム鉄」は、ほうれん草、小松菜、納豆などが挙げられます。
ヘム鉄 | 非ヘム鉄 |
---|---|
特徴 | |
動物性で吸収されやすい ・動物性の食品に含まれる |
植物性で吸収されにくい ・植物性の食品に含まれる |
鉄分を多く含む食品 | |
レバーやかつお ・鳥レバー 5.1mg ・豚レバー 3.5mg ・牛レバー 3.3mg ・牛ヒレ 2.5mg ・あさり 3.8mg ・カツオ刺身 1.9mg ・まいわし(丸干し) 4.4mg ※100gあたり |
ほうれん草や納豆 ・乾燥ひじき(ステンレス釜) 6.2mg ・糸引き納豆(2パック) 3.3mg ・挽きわり納豆(2パック) 2.6mg ・そら豆(ゆで) 2.1mg ・小松菜(ゆで) 2.1mg ・調整豆乳 1.2mg ・ほうれん草(ゆで) 0.9mg ※100gあたり |
鉄分の摂取量の目安
では、どのくらい鉄分を摂ればいいのか。
厚生労働省 「日本人の食事摂取基準」(2020年版)のデータによると、成人男性の1日の摂取量(推奨量)の目安は7.0〜7.5mg/日※です。
※成人女性は6.0〜11.0mg
年齢/性別 | 男性 | 女性 (月経なし) | 女性 (月経あり) |
---|---|---|---|
18〜29(歳) | 7.0 mg | 6.0 mg | 10.5 mg |
30〜49(歳) | 7.5 mg | 6.5 mg | 11.0 mg |
50〜69(歳) | 7.5 mg | 6.5 mg | 11.0 mg |
下記に、鉄を含む食品を記載します。
食品名 | 目安量 | 鉄 (mg) |
---|---|---|
レバニラ炒め | 1人前(豚レバー100g) | 13.7 |
焼鳥レバー | 2本(鶏レバー) | 7.2 |
ひじき(煮物) | 1人前(干ひじき5g) | 4.5 |
アサリ(佃煮) | 中スプーン1杯(10g) | 1.9 |
カツオ | 1人前(5切れ 100g) | 1.9 |
ホウレンソウ(おひたし) | 1人前(80g) | 0.9 |
貧血予防にはサプリメントを活用しよう
上記で、1日に必要な鉄分の摂取量の目安を紹介しました。
食品から鉄分は摂取可能ですが、現実的に、毎日「レバニラ炒め」や「ひじき」などを食べるのは難しいと思います。
そのため、サプリメントを活用すると良いでしょう。
サプリメントは通常の食事では摂取(しにくい)できない栄養素を手軽に補うことを目的としています。
そのため、サプリメントを活用して、貧血を予防しましょう。
鉄分サプリメントを購入する際に見るべき点
鉄分サプリメントを購入する際は、下記の点を見るようにしましょう。
- 1回の摂取で、6.0mg以上の「鉄分」が摂れる
- 「ビタミンC」や「ビタミンB12」が配合されている
1回の摂取で、6.0mg以上の「鉄分」が摂れる
鉄分の成人男性の1日の摂取量(推奨量)の目安は7.0〜7.5mg/日※です。
※成人女性は6.0〜11.0mg
年齢/性別 | 男性 | 女性 (月経なし) | 女性 (月経あり) |
---|---|---|---|
18〜29(歳) | 7.0 mg | 6.0 mg | 10.5 mg |
30〜49(歳) | 7.5 mg | 6.5 mg | 11.0 mg |
50〜69(歳) | 7.5 mg | 6.5 mg | 11.0 mg |
そのため、1回の摂取で、6.0mg以上の「鉄分」が摂れるサプリメントを購入しましょう。
「ビタミンC」や「ビタミンB12」が配合されている
「ビタミンC」は鉄の吸収を高めてくれます。
また、「ビタミンB12」や「葉酸」は赤血球の形成を助ける栄養素です。
これらを同時に摂ることで、”効率よく”貧血を予防できるでしょう。
鉄分が配合されたおすすめのサプリメント
DHC ヘム鉄
吸収率が高い「ヘム鉄」を配合したサプリメント。
赤血球を作るのに必要な「鉄」以外に、赤血球の形成を助ける栄養素「葉酸」と「ビタミンB12」も配合されています。
1回(2粒)で、鉄10.0mg摂れます。
ブランド | DHC |
日数 | 30日分 90日分 |
1日の摂取目安 | 2粒 |
栄養成分 2粒あたり | 鉄 10.0mg 葉酸 75μg ビタミンB12 1.0μg |
価格(税込み) | 30日分:626円 90日分:1,814円 |
1日あたりの価格 | 約20円 |
公式サイト | 詳細を見る |
ディアナチュラスタイル 鉄×マルチビタミン
鉄とマルチビタミン(ビタミンCやビタミンB12など)、葉酸がまとめて摂れるサプリメント。
1回(1粒)で、1日に必要な2.6倍の鉄分18.0mgが摂れます。
ブランド | アサヒグループ食品 |
日数 | 20粒⼊り(20日分) 60粒入り(60⽇分) |
1日の摂取目安 | 1粒 |
栄養成分 1粒あたり | ビタミンB1 1.2mg ビタミンB2 1.4mg ビタミンB6 1.3mg ビタミンB12 2.4μg ビタミンC 100mg ビタミンE 6.3mg ビタミンA 770μg ビタミンD 5.5〜10.0μg ナイアシン 13mg パントテン酸 4.8mg 葉酸 240μg ビオチン 50μg 鉄 18.0mg |
価格(税込み) | 20日分:496円 60⽇分:1,242円 |
1日あたりの価格 | 約25円 |
公式サイト | 詳細を見る |
まとめ
今回は、貧血を予防する方法・おすすめのサプリメントを紹介しました。
貧血とは、血液中のヘモグロビンが減少することで起こる症状です。
大量の発汗(ヘモグロビンの材料である鉄分が失われる)や足裏にかかる衝撃によって起こる赤血球の破壊によりヘモグロビンが減少するため、ランナーは貧血になりやすいと言われています。
貧血は”倦怠感”、”息切れ”、”めまい”だけでなく、”持久力が低下する”など長時間走るランナーにとって影響の大きい症状です。
そのため、日頃の食事やサプリメントを通じて、”鉄分”を摂取するようにしましょう。
成人男性の1日の摂取量(推奨量)の目安は7.0〜7.5mg/日なので、これだけは覚えておきましょう。
本日は以上です。
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【要チェック】フルマラソン完走ロードマップ
フルマラソン出場までの流れをまとめました。
初めてフルマラソン出場する方を対象に、下記の内容が分かります。
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