自分はピッチ型?ストライド型?走り方の違いとシューズ選びを解説
- 「自分はピッチ型なのか、ストライド型なのか知りたい」
- 「ピッチ型・ストライド型は何が違う?」
- 「走り方に合わせてシューズを選んだ方がいいの?」
ランニングシューズを調べていると、「ピッチ型ランナー向け」「ストライド型ランナー向け」という言葉を見かけることがあります。
特にアシックスのMETASPEEDシリーズでは、ピッチ型ランナー向けのMETASPEED EDGE TOKYO、ストライド型ランナー向けのMETASPEED SKY TOKYOが展開されています。
METASPEED EDGE TOKYOはピッチスタイルのランナー向け、METASPEED SKY TOKYOはストライドスタイルのランナー向けに設計されたレーシングシューズです。
ただし、自分がピッチ型かストライド型かは、感覚だけでは判断しにくいものです。
結論からいうと、判別するにはランニングウォッチでピッチ・ストライド・ペースを確認する方法がわかりやすいです。
この記事では、ピッチ型とストライド型の違い、自分の走り方を判別する方法、ランニングウォッチで見るべきデータ、走り方に合わせたシューズ選びの考え方を解説します。
ピッチ型・ストライド型とは?
ピッチ型・ストライド型とは、ランニングでペースを上げるときに、主にどの要素を使ってスピードを出しているかを表す考え方です。
ランニングの速さは、基本的にピッチ×ストライドで決まります。
| 要素 | 意味 |
|---|---|
| ピッチ・ケイデンス | 1分間あたりの歩数 |
| ストライド・歩幅 | 1歩で進む距離 |
| ペース | ピッチとストライドの組み合わせで決まる |
たとえば、足の回転数を増やしてペースを上げる人はピッチ型寄り、1歩で進む距離を伸ばしてペースを上げる人はストライド型寄りと考えられます。
ピッチ型は足の回転数でペースを作る走り方
ピッチ型は、1分間あたりの歩数を多めにして、足の回転でペースを作る走り方です。
歩幅はやや短めでも、テンポよく足を運ぶことでスピードを出します。
ピッチ型の特徴は以下です。
- 足の回転数が多め
- 小刻みにリズムよく走りやすい
- 歩幅を広げすぎにくい
- 体の真下に近い位置で着地しやすい
- マラソン後半でもリズムを維持しやすい場合がある
一方で、ピッチを上げすぎると、足数が増えて疲れやすくなったり、ふくらはぎや足首に負担がかかったりする場合があります。
「ピッチ型=良い走り方」というわけではなく、自分の体に合ったリズムで走ることが大切です。
ストライド型は1歩の歩幅でペースを作る走り方
ストライド型は、1歩で進む距離を長めにしてペースを作る走り方です。
ピッチを大きく上げるというより、股関節やお尻まわりを使いながら、大きく前へ進むイメージです。
ストライド型の特徴は以下です。
- 1歩で進む距離が長め
- 歩数を抑えながらスピードを出しやすい
- 身長や脚の長さを活かしやすい
- 股関節やお尻まわりを使いやすい
- スピードに乗ると大きく伸びる走りになりやすい
ただし、無理にストライドを広げると、足が体の前に出すぎてオーバーストライドになることがあります。
ストライド型は「大股で走る」という意味ではありません。
体の真下に近い位置で着地しながら、結果として自然に歩幅が伸びている状態が理想です。
ピッチ型とストライド型の違い
ピッチ型とストライド型の違いを整理すると、以下のようになります。
| 項目 | ピッチ型 | ストライド型 |
|---|---|---|
| ペースの作り方 | 足の回転数で作る | 1歩の距離で作る |
| ピッチ | 高めになりやすい | やや低めになりやすい |
| ストライド | やや短め | 長め |
| 走りの印象 | 小刻みでリズムが良い | 大きく前へ進む |
| 向きやすい人 | 足の回転でリズムを作りやすい人 | 身長・脚力を活かしやすい人 |
| 注意点 | 小刻みになりすぎると疲れる | 大股になりすぎるとブレーキになる |
ただし、この表だけで判断するのは早いです。
たとえば、ピッチが高い人でも、ストライドが十分に伸びている場合があります。
反対に、ストライドが長い人でも、足が体の前に出すぎているだけなら、効率の良いストライド型とは言えません。
ピッチ型・ストライド型を判断するには、ピッチとストライドだけでなく、ペース・接地時間・上下動・走っている感覚もあわせて見ることが大切です。
自分がピッチ型かストライド型かを判別する方法
自分がピッチ型かストライド型かを知るには、以下の方法があります。
- ランニングウォッチでピッチとストライドを見る
- ペースを上げたときの変化を見る
- ジョグ・ペース走・レースペースで比較する
- 走っている動画を横から撮る
- 自分の感覚を確認する
中でも一番わかりやすいのは、ランニングウォッチやランニングアプリでデータを見る方法です。
感覚だけでは「自分は大きく走っているつもり」「足を速く回しているつもり」と思っていても、実際の数値とズレることがあります。
ピッチとストライドの両方を見る
判別するときは、ピッチだけ、ストライドだけを見るのではなく、両方を確認しましょう。
| 見る項目 | 確認すること |
|---|---|
| ピッチ・ケイデンス | 1分間に何歩走っているか |
| ストライド・歩幅 | 1歩でどれくらい進んでいるか |
| ペース | 1kmあたり何分で走っているか |
ピッチが高めで、ストライドが短めでもペースを作れている場合は、ピッチ型寄りです。
反対に、ピッチはそこまで高くないものの、ストライドが長く、1歩で大きく進んでいる場合は、ストライド型寄りと考えられます。
ペースを上げたときに何が変わるかを見る
ピッチ型かストライド型かを判別するうえで大切なのは、ペースを上げたときの変化です。
たとえば、ジョグから速めのランに変えたときに、ピッチが大きく上がるのか、ストライドが大きく伸びるのかを確認します。
| ペースアップ時の変化 | 判別の目安 |
|---|---|
| ピッチが大きく上がる | ピッチ型寄り |
| ストライドが大きく伸びる | ストライド型寄り |
| 両方が少しずつ上がる | 中間型 |
多くのランナーは、完全にどちらかに分かれるわけではありません。
ピッチもストライドも両方変わるため、「どちらの変化が大きいか」を見るのがおすすめです。
動画でフォームを確認する
ランニングウォッチの数値に加えて、動画でフォームを見るとさらに判断しやすくなります。
スマホで横から撮影し、以下を確認してみましょう。
- 足が体の前に出すぎていないか
- 着地時に膝が突っ張っていないか
- 上に大きく跳ねていないか
- 腰の位置が落ちていないか
- リズムよく足を運べているか
1歩が大きく見えるからといって、必ずストライド型とは限りません。
足が体の前に着地してブレーキがかかっている場合は、ストライド型ではなく、オーバーストライドの可能性があります。
ランニングウォッチで見るべきデータ
自分がピッチ型かストライド型かを知りたい場合は、ランニングウォッチのデータを見るのが一番わかりやすいです。
確認したい項目は、主に以下です。
| 見る項目 | 確認すること |
|---|---|
| ピッチ・ケイデンス | 1分間に何歩走っているか |
| ストライド・歩幅 | 1歩でどれくらい進んでいるか |
| ペース | 1kmあたり何分で走っているか |
| 接地時間 | 足が地面についている時間 |
| 上下動 | 体が上下にどれくらい動いているか |
特に重要なのは、ピッチ・ストライド・ペースの3つです。
ピッチ型かストライド型かを判別するには、「今のピッチが何歩/分か」だけでなく、ペースを上げたときにピッチとストライドがどう変わるかを見る必要があります。
ピッチ・ストライド・ペースをセットで見る
ピッチとストライドは、単体では判断しにくい指標です。
たとえば、ピッチが170spmでも、ペースが6:30/kmなのか、5:00/kmなのかで意味が変わります。
同じように、ストライドが1.0mでも、ゆっくりジョグなのか、レースペースなのかで見方が変わります。
そのため、ランニングウォッチを見るときは、以下のようにセットで確認しましょう。
| 指標 | 見るポイント |
|---|---|
| ピッチ | 足の回転数でペースを作っているか |
| ストライド | 1歩でどれくらい進んでいるか |
| ペース | そのピッチ・ストライドでどれくらいの速度か |
ピッチが高めでストライドが短めでも、ペースが安定しているならピッチ型寄りです。
反対に、ピッチはそこまで高くなくても、ストライドが長くペースを作れているならストライド型寄りです。
接地時間と上下動もあわせて確認する
ピッチとストライドだけでなく、接地時間と上下動も見ると、より判断しやすくなります。
| 指標 | 見るポイント |
|---|---|
| 接地時間が長い | 足が地面に残り、ブレーキがかかっている可能性 |
| 上下動が大きい | 前ではなく上に跳ねている可能性 |
| ピッチが低くストライドが長い | オーバーストライドの可能性 |
| ピッチが高すぎてストライドが短い | 小刻みになりすぎている可能性 |
たとえば、ストライドが長くても、接地時間が長く、上下動も大きい場合は、効率よく前に進めているとは限りません。
反対に、ピッチが高くても、ストライドが極端に短く、ペースが上がっていない場合は、足数だけが増えている可能性があります。
ピッチ型・ストライド型の判別では、ピッチとストライドだけでなく、走り全体のバランスを見ることが大切です。
1回のデータだけで判断しない
ランニングフォームは、体調やペースによって変わります。
特に疲れている日は、ピッチが落ちたり、ストライドが短くなったりします。
ランニングウォッチで判別するときは、以下に注意しましょう。
- 1回のデータだけで判断しない
- ジョグだけでなく、速めのランも見る
- 同じコース・同じペースで比較する
- 疲労が強い日のデータは参考程度にする
- 坂道やトレイルのデータは分けて考える
- ピッチ型・ストライド型を無理に決めつけない
数値だけで「自分はピッチ型だからこのシューズ」と決めるのではなく、シューズ選びの参考として使いましょう。
実際のフルマラソンデータで判別してみた
ここでは、私がフルマラソンを完走したときのランニングウォッチデータをもとに、ピッチ型・ストライド型の判別例を紹介します。
今回のフルマラソンでは、以下のようなデータでした。
| 項目 | 数値例 |
|---|---|
| 距離 | 42.59km |
| タイム | 4時間22分40秒 |
| 平均ペース | 6:10/km |
| 平均心拍 | 153bpm |
| 最大心拍 | 178bpm |
| 平均ピッチ | 約170spm |
| 平均ストライド | 約95cm |
| 獲得標高 | 214m |
| 消費カロリー | 2,961kcal |
※ランニングウォッチ上では「Avg Run Cadence」が85と表示されていましたが、片足基準の数値として見て、一般的なランニングの歩数表示では約170spm相当として考えています。
このデータを見ると、私の場合はピッチ型寄りの中間型だと感じています。
理由は、平均ピッチが約170spmと比較的リズムよく走れている一方で、平均ストライドは約95cmと、1歩を大きく伸ばして進むタイプではないためです。
ストライド型のランナーであれば、同じようなペースでもピッチはやや低めで、ストライドがもう少し長く出ることがあります。
一方で、私のデータでは、ストライドを大きく伸ばして走るというより、一定のピッチでリズムを刻みながらペースを作っている傾向が見えます。
私の場合はピッチでリズムを作るタイプ
平均ピッチが約170spmという数値は、極端に高いわけではありません。
ただ、フルマラソン全体を通して見ると、1歩を大きく使うストライド型というより、足の回転でリズムを作る走り方に近いと感じています。
特に、平均ストライドが約95cmなので、歩幅を大きく伸ばしてスピードを出すタイプではありません。
そのため、私の場合は「ストライドを広げて走る」よりも、170spm前後のピッチを維持しながら、無理なく前へ進むフォームの方が合っていると考えています。
完全なピッチ型ではなく「ピッチ型寄りの中間型」
ただし、完全なピッチ型とも言い切れません。
平均ピッチが180spmを超えているわけではなく、ストライドも極端に短いわけではないからです。
分類するなら、以下のようなイメージです。
| 判定項目 | 私のデータ | 判定 |
|---|---|---|
| 平均ピッチ | 約170spm | ややピッチ型寄り |
| 平均ストライド | 約95cm | 大きなストライド型ではない |
| 平均ペース | 6:10/km | フルマラソン完走ペース |
| 走り方の傾向 | 一定のリズムで刻む | ピッチ型寄りの中間型 |
このように、ピッチ型・ストライド型は、必ずどちらか一方に分かれるわけではありません。
私のように、ピッチでリズムを作りながらも、完全なピッチ型ではない「中間型」のランナーも多いと思います。
シューズ選びでは軽快さと安定感を重視したい
このデータから考えると、私の場合は、ストライドを大きく伸ばすことを前提にしたシューズよりも、足の回転を邪魔しにくく、リズムよく走れるシューズの方が合いやすいと感じています。
ピッチ型寄りのランナーは、足数が多くなりやすいため、重すぎるシューズだと後半に疲れを感じることがあります。
そのため、シューズを選ぶときは、以下のようなポイントを重視したいです。
- 足の回転を邪魔しない軽さ
- 接地から蹴り出しまでのスムーズさ
- 長時間走ってもブレにくい安定感
- リズムよく足を運びやすい反発感
- 後半でもフォームを崩しにくいクッション性
一方で、反発が強すぎるシューズや、ストライドを無理に広げたくなるシューズは、少し扱いにくい場合があるかもしれません。
レースシューズを選ぶ場合も、「ストライドを伸ばせるか」だけでなく、自分のピッチを維持しながら楽に進めるかを確認したいところです。
簡単セルフチェック|あなたはどちら寄り?
ピッチ型寄りの人に多い特徴
以下に当てはまる人は、ピッチ型寄りの可能性があります。
- 足の回転を上げる方がペースを上げやすい
- 歩幅を広げようとすると走りにくい
- 小刻みにリズムよく走る方が楽
- レース後半は小さく刻む方が粘れる
- 身長に対して歩幅はそこまで広くない
- 接地時間が短めに出やすい
- ストライドを広げると膝や足首に負担を感じやすい
ピッチ型寄りの人は、無理に大きく走るよりも、足の回転を活かしてリズムよく走る方が合う場合があります。
ストライド型寄りの人に多い特徴
以下に当てはまる人は、ストライド型寄りの可能性があります。
- 1歩を大きく使った方がペースを上げやすい
- ピッチを上げようとすると窮屈に感じる
- 走っていると「大きく前に進む」感覚がある
- 身長や脚の長さを活かしやすい
- ペースを上げると自然に歩幅が伸びる
- 股関節やお尻を使って進む感覚がある
- 低めのピッチでもペースを作りやすい
ストライド型寄りの人は、自然に歩幅が伸びる走り方が合う場合があります。
ただし、足を前に投げ出して大股で走るのは避けましょう。
ピッチ型に合いやすいシューズの考え方
ピッチ型のランナーは、足の回転を活かしてペースを作るため、足運びのしやすさやスムーズな接地感が大切になります。
ピッチ型に合いやすいシューズの特徴は以下です。
- 軽量で足の回転を邪魔しにくい
- 接地から蹴り出しまでがスムーズ
- 足離れがよい
- 反発をリズムよく使いやすい
- ピッチを上げてもブレにくい
ピッチ型は足数が多くなりやすいため、重すぎるシューズだと後半に疲れを感じる場合があります。
また、前へ転がる感覚が強すぎるシューズよりも、自分のリズムで足を運びやすいシューズが合う人もいます。

例)METASPEED EDGE TOKYO
ピッチ型ランナー向けの例として、アシックスのMETASPEED EDGE TOKYOがあります。
METASPEED EDGE TOKYOは、ピッチを増やすことでスピードを上げるピッチスタイルのランナー向けに設計されたレーシングシューズです。
ただし、トップアスリート向けのレーシングシューズなので、初心者が普段のジョグ用として選ぶというより、レースやスピード練習用として考える方が自然です。
普段のランニングでは、まずクッション性・安定性・足に合うかを優先しましょう。
ストライド型に合いやすいシューズの考え方
ストライド型のランナーは、1歩で大きく前に進むため、着地を受け止める安定性や、反発を前方への推進力に変えやすいシューズが合いやすいです。
ストライド型に合いやすいシューズの特徴は以下です。
- 反発を活かしやすい
- ストライドを伸ばしたときにブレにくい
- 着地時の安定感がある
- 前方へスムーズに進みやすい
- 大きな動きでもフォームが崩れにくい
ストライド型の人は、着地時の衝撃も大きくなりやすいため、安定性やクッション性も重要です。
ただし、シューズの反発に頼って無理に歩幅を広げると、オーバーストライドになりやすいので注意しましょう。

例)METASPEED SKY TOKYO
ストライド型ランナー向けの例として、アシックスのMETASPEED SKY TOKYOがあります。
METASPEED SKY TOKYOは、ストライドを長くしてスピードを上げるストライドスタイルのランナー向けに設計されたレーシングシューズです。
こちらもレース向けのシューズなので、初心者の普段使いには必ずしも向きません。
走り方に合うレースシューズを探している方や、記録更新を目指している方が検討するシューズと考えるとよいでしょう。


